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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その5(貿易摩擦シリーズ)

  第2回日米規制緩和対話と日本側の対応・電気通信その5 卸電気通信役務では、電気通信事業者は、一般利用者と同様、利用者としての立場で、他の電気通信事業者から電気通信役務の提供を受け、これを利用者に再販することができます。 2004年4月1日に施行された電気通信事業法の改正により、基礎的電気通信役務及び指定電気通信役務以外の電気通信役務については、契約約款等の作成・届出義務が廃止され、料金その他の提供条件...

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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その4(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応・電気通信その4 ネットワークの柔軟性として、郵政省は、電気通信事業法が、第一種電気通信事業者に対し、他の第一種電気通信事業者の所有する伝送路設備を使用して、自らのネットワークの一部を構築するための3つの取決め(業務委託、IRU、接続)を提供していることを確認しました。 それらの取決めに関する現実的、経済的要件及び技術的実現可能性についての第一種電気通信事業者の評価に...

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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その3(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応・電気通信その3 陸揚局へのアクセスについて郵政省(現総務省)は、設置への装置のコロケーションを含む国際陸揚局への接続の取決めによるアクセスに関する如何なる紛争についても、電気通信事業法に従って裁定を行うことを確認しました。 陸揚局は海底ケーブルのネットワークと陸上ネットワークとの中継局であり、国内・国際通信ネットワーク上の重要な拠点であり、被災すれば経済活動へ...

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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応・電気通信その2 郵政省(現総務省)は、NTTドコモと他事業者との接続の円滑化を図る措置をとることが必要な場合には、2000年度に公平で透明な接続の導入の方法について検討するとしていました。 2000年度における郵政省の接続制度の見直しにおいて、NTTドコモを「指定電気通信事業者」とするか否かの決定が検討されました。(その後NTTドコモは2002年に指定されています) 指定電気通信...

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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その1(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応・電気通信その1 1998年5月15日、日米両政府は、日米間の新たな経済パートナーシップのための枠組みの下、規制緩和及び競争政策に関する共同現状報告が発表されました。 規制緩和と競争政策に関する強化されたイニシアチブは2年目に入り、日米両政府は、上級会合並びに6つの専門家会合(電気通信、住宅、医療用具・医薬品、金融サービス、エネルギー、競争政策及び流通を含む構造問題と透...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その20(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・金融サービスその3 証券規制として法改正により、連邦・州レベルでの証券規制の重複が少なかったことを評価しており、今後とも一層、重複を減らす方向で検討が進むことが望まれていました。 背景として、1996年、全米証券市場改革法が成立し、米国側の説明によると、連邦・州レベルでの証券登録要件の重複は可能な限り減らされました。 金融機関の取...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その19(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・金融サービスその2 外銀支店に対する監督では、外銀支店について、拠点支店所在地の州当局が一元的に監督するようにするべきとしています。 背景として、リーグル・ニール修正法では、合併・新規支店設立により州際業務を営む州法銀行について、本拠州以外の支店に対する州当局の検査についても、本拠州当局が一元的に行うこととされています。 他方...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その18(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・金融サービスその1 日本側は米国側に対して、外国証券従業員に対する米国証券外務員試験の簡素化を求めていました。SECが、日本その他の外国証券会社従業員に対する資格試験の簡素化を導入しましたが、実際の手続き面についての整備が遅れていました。 その背景には証券外務員試験を行っている全米証券業協会(NASD)と日本証券業協会(JSDA)の間で...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その17(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・医療機器・医薬品 医療機器・医薬品ではまずGMP相互承認について関心がありました。日米間の医薬品・医療用具のGMP(Good Manufacturing Practice: 製造管理及び品質管理に関する基準)相互承認作業を促進されたいとしています。 背景には前回会合後も、米側が検討中であるという状況は変わっておらず、米側の返事を待っている状況にありました。 51...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その16(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・電気通信その3 ベンチマークに関するFCC新規則として、FCCの国際計算料金に関する規則を廃止されたいとしており、外国事業者の米国市場参入に関するFCC規則の一部を削除することが望まれていました。 背景には、米国が1997年8月に採択したベンチマークルールについては、国際清算料金を低廉化させるという方向性については認識を共有しているが...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その15(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・電気通信その2 WTO基本電気通信交渉合意に基づく、無線局免許に係わる間接投資の外資規制の撤廃の履行確保のため、通信法を変更されたいとしていました。 背景には米国が無線局免許に係わる間接投資の外資規制の撤廃について、通信法の解釈を変更し、規定を何ら変更しないのは、WTO基本電気通信交渉合意基づく約束の完全かつ実効性のある履行を...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その14(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項 ・電気通信その1 米国では、連邦法と州法、裁判所による関連判例が通信分野及び放送分野を規律しています。連邦レベルでは、連邦通信委員会(Federal Communications Commission : FCC)が「1934年通信法」に基づいて、通信・放送分野を所管しています。 また、商務省国家電気通信情報庁(NTIA)が大統領の主要諮問機関として情報通信政策に関する...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その13(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・構造問題、透明性及びその他の政府慣行 ビザ・永住権などについても関心がありました。公立学校(小・中・高)に在学中の学生についてもF-1ビザが発給されることを確保されたいとしていました。 背景として、米国移民法改正(96年9月)により、公立の小学校の生徒に対してはF-1ビザ(学生ビザ)は発給されない事となり、また、公立の中・高等学校の学生...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その12(貿易摩擦シリーズ)

 日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・構造問題、透明性及びその他の政府慣行(アンチ・ダンピング措置その2) 日本側の関心ごととして、企業会計データの受け入れについて米政府当局は、生産者または輸出者に対して、米国の会計原則に基づく情報提供を求めており、米国の会計原則に合わせたコスト計算を強いています。 そのことにより、輸出者または生産者に過度の作業負担を課していることから、...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その11(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・構造問題、透明性及びその他の政府慣行その4(アンチ・ダンピング措置その1) アンチ・ダンピング措置では、米政府当局が必ずしもAD協定(アンチ・ダンピング協定)の規定に則した運用を行っていない場合があることから、利害関係者が最善を尽くした提供情報は可能な限り最大限採用され、当該情報が採用されない場合にはその理由を詳細に説明し、意見提供...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その10(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・構造問題、透明性及びその他の政府慣行その3 油タンカーに係わる海洋環境保護のための米国及び国際基準に関心がありました。日本では船舶による油濁問題への取り組みを行っており、国際油濁補償基金への的確な対応では、油タンカーによる油濁損害の被害者の保護やタンカーによる油輸送の健全な発達のため、船舶所有者等の責任を定めた「1992年の油によ...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その9(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・構造問題、透明性及び他の政府慣行その2 新運航補助制度(MSP: Maritime Security Program)は米国政府が1937年、国家緊急時の際に徴用できる自国商船隊の整備を目的として、主要外国航路に就航する自国海運企業に対して外国海運企業の船舶運航費との差額を補助するための運航費差額補助制度(ODS: Operating Differential Subsidy)を創設しました。 この...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その8(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 米国に対する日本政府の関心事項・構造問題、透明性及び他の政府慣行その1 連邦バイ・アメリカン条項の基本法である1933年バイ・アメリカン法は原則として、連邦政府が物資の購入契約や公共建設の委託契約を締結する場合に、米国製品の購入や米国製資材の使用を連邦政府に義務づけるものです。 ただし、公共の利益に反する場合、米国製品価格が外国製品より6%以上高く当該米国製品を調...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その7(貿易摩擦シリーズ)

第1回日米規制緩和対話と日本側の対応 ・透明性及びその他の政府慣行  パブリック・コメント手続きでは、規制の制定、改廃に関わるパブリック・コメント手続きについていかなる行政上の措置を採るかについて結論を得るとしています。その後1999年3月に閣議決定し、2005年改正の行政手続法に定められました。  パブリック・コメント手続き(意見公募手続き制度)は、国の行政機関が命令等(政令、省令など)を定めようとする際...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その6(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応・法的サービス 法的サービスでは、外国法事務弁護士として登録するために必要な職務経験年数を5年から3年に引き下げ、それに伴い日本での経験年数のうち要件を満たすために参入可能な期間を2年から1年としました。 外国法事務弁護士については、日本では原則として日本の弁護士又は弁護士法人以外の人が、報酬を得る目的で法律事務の取り扱いを業とすることが禁止されています。この原...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その5(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応・競争政策 公正取引委員会は有力な製造業者による流通業者に対する行為(報復的な威嚇を伴う場合など)が自己の競争者の排除につながる場合を含む反競争的行為に取り組むため、関連するガイドラインに従って独占禁止法を効果的に執行し厳格に適用するとの方針を再確認しました。 独占禁止法の正式名称は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。この独占禁止法の目的は、...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その4(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応・流通 輸入手続きを迅速化するため厚生省と農林水産省の輸入手続きシステムと税関の通商システムとを接続するネットワーク・システムを導入しました。 また、日本の税関は、到着前審査の拡大やファックスによる事前教示サービス、航空貨物のための通関システム(Air-NACCS)を用いた到着即時通関サービスの提供などの措置を導入しました。 Air-NACCSは、航空機の入出港手続きや航空貨物の...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その3(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応・金融サービスその2 金融持ち株会社の設立が1998年に解禁されました。金融持ち株会社とは、銀行や証券会社、保険会社など異なる業態の株式を保有する持ち株会社のことです。1998年12月の独占禁止法改正や金融持株会社関連法の成立などで可能になりました。 金融機関が他の業態に進出するには、業態別に子会社を設立し、親子関係にならざるを得ませんでしたが、金融持株会社を設立すること...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その3(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応・金融サービスその1 2001年までにわたる金融サービス自由化の広範なプログラムは、1997年6月に定められたスケジュールに則り実施されてきており、未実施のプログラムの相当部分を実施するための法律が国会に提出されました。 まず、普通銀行本体での劣後債の発行の解禁が1997年6月30日に行われました。劣後債は、一般の債権者よりも債務弁済の順位が劣る社債のことをいいます。 劣後債は...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応・医療用具・医薬品 新しい医療用具の承認のために必要な外国臨床試験データの受け入れを大幅に拡大するとしました。また、より効果的で費用の効率の良い治療を患者にもたらすような新製品の導入を阻害することのないように、医薬品と医療用具の開発の重要性を認識しました。 医療政策の検討における透明性を確保するために、関係審議会における外国の医薬品・医療用具製造業者からの...

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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その1(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応・住宅、電気通信 日米規制緩和対話は1997年6月に橋本・クリントン間で合意されました。その後1998年5月に「規制緩和及び競争政策に関する日米間の強化されたイニシアティブ」として両首脳に報告され発表されました。 クリントン大統領はこの報告に対し重要な進展があったと述べました。日米両政府は規制緩和を促進し、競争政策を積極的に実施することは、両国にとって最重要の課題である...

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日米包括経済協議と日本側の対応その9(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応・自動車・同部品協議 日米包括経済協議ではセクター別・構造面問題では自動車・部品問題や日米運輸技術協力が含まれていました。そこでは地球的展望に立った協力のための共通課題がその柱となっています。 このうち、自動車・同部品分野については、外国製部品の自主購入計画やディーラーシップ、補修部品に係る規制緩和の3項目について、約2年にわたる協議の結果最終決着に至りました。 補修...

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日米包括経済協議と日本側の対応その8(貿易摩擦シリーズ)

日米包括経済協議と日本側の対応・金融サービスその4 銀行業務について日本政府は外国銀行に対し、州際銀行業務と州際支店展開に関する法律(リーグル・ニール法)の施行を通じて米国政府が示した進歩を歓迎するとしています。 リーグル・ニール法とは州銀行法レベルでの規制緩和の進行という実態を踏まえて1994年9月29日に「リーグル・ニール州際銀行支店設置効率化法」が制定されました。 内容は、銀行持株会社の州際支店(州...

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日米包括経済協議と日本側の対応その7(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応・金融サービスその3 日米両政府は越境資本取引について解放された自由な市場と自由で正常な資本移動が国際通貨制度の有効な機能の発揮や、資源の効率的な配分にとって必要であることを確認しました。 私募債を含めた全ての非居住者国内債や非居住者ユーロ円債について、最初に届け出不要の要望を大蔵省(現財務省)に行えば、発行者は有効期間1年間にわたって事後報告のみで証券を何度でも発行...

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日米包括経済協議と日本側の対応その6(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応・金融サービスその2 証券市場についても日米両政府は協議の場を持ちました。両政府は、開かれた競争的な資本市場は資源の効率的配分にとって不可欠であることから、企業が証券を内外市場で発行したり販売したりすることや、投資家が自由に証券を購入することを投資家保護の立場から、制限を最小限のものにとどめられるべきであると考えていました。 証券商品や市場における進展やイノベーショ...

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日米包括経済協議と日本側の対応その5(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応・金融サービスその1 日米間の新たなパートナーシップのための枠組みが1995年2月に定められました。日本側は市場開放を通して競争力のある外国製品やサービスなどの販売を拡大させ、投資や国際競争力を増やしていくことで、日米間の経済面での協力を強化するための枠組みを目指していました。 金融サービス分野に関して、競争力のある外国の金融サービス提供者の市場アクセスを改善することや...

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日米包括経済協議と日本側の対応その4(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応・板ガラス分野 1980年代から続いていた日米間の貿易不均衡の拡大によって対日貿易赤字が政治問題となっていた中で、米国は板ガラスを輸出促進品目に加え、日本市場の閉鎖性や貿易不均衡の是正を求めてきました。 公正取引委員会は1993年の調査で板ガラスの取引において不公正はないと発表しましたが、1994年12月には板ガラス分野において日米包括経済協議は合意され、その後も米国から市場開放...

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日米包括経済協議と日本側の対応その3(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応・保険分野 日米保険協議は1993年に日米包括経済協議の枠組みの下で優先分野の一つとして協議を開始しました。1994年3月には免許・商品認可基準の明確化、外国保険会社の加入を可能とする損保協会の定款変更、保険制度改革に係る外国保険会社からの意見聴取、商品及び料率の認可の弾力化、ブローカー制度の導入などが行われました。 特にブローカー制度の導入では、新しい保険事業の在り方を模...

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日米包括経済協議と日本側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応・政府調達 日米包括経済協議において政府調達は主に電気通信分野と医療技術分野を中心に協議が行われました。カッター大統領補佐官は対日政策を再検討しその内容を1993年5月にまとめました。 内容はマクロ政策として、日本の経常収支の黒字を対GDP比で数値目標に基づきながら削減することや分野別・構造的交渉としてその対象を個別に列挙するというものでした。これに対して通産省(現・経済...

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日米包括経済協議と日本側の対応その1(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応・知的所有権 日米包括経済協議とは、日米間の貿易不均衡を是正するために、主に日本の貿易障壁や国内経済問題について話し合う場です。1989年9月に発足した日米構造協議を1993年の日米首脳会議で拡大し包括経済協議としました。 知的所有権は高度に発達した経済社会において、発明、デザイン、ノウハウ、人間の知的創造活動の産物が経済活動において重要な役割を果たしていることから、それら...

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日米構造協議と米国側の対応その3(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と米国側の対応・政府規制 米国は日本の自動車企業が米国現地生産を拡大させる中、アメリカ国内の自動車産業の衰退によって日本車の輸出規制をせず、対米輸出自主規制を促した背景にも米国の保護主義的な考えがありました。 石油ショックから続いていた原油価格の高騰を背景に燃費の良い車の需要が高く、日本車は米国で人気があります。また、米国は日本よりも国土が広く自動車社会といえる側面もあり、燃費の良し...

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日米構造協議と米国側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と米国側の対応・企業の投資活動と生産力 日本側は米国側の投資活動は長期的な視点で行われておらず、生産力増大のための投資を怠っているという主張であった。 1989年4月に米国ブーン社のピケンズ会長によって、トヨタ自動車系列の部品メーカーである小糸製作所の発行済み株式の20.2%を取得し、トヨタ自動車の19.0%を上回り筆頭株主になったものの、ピケンズ側から経営参加を求めて役員派遣を要請しましたが小...

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日米構造協議と米国側の対応その1(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と米国側の対応・貯蓄・投資パターン 米国に対する日本側の主張は、そもそも米国側の貯蓄不足が問題であるというものだった。つまり、米国民による過剰消費によって貯蓄が増えず、輸入額は増大し結果的に経常赤字は変わらないということでした。 米国はそもそも日本の構造自体に問題があるとの主張に対し、日本は日米の国民性の違いから貯蓄に対する考えがそもそも異なっており、米国民の過剰消費や投資過剰によっ...

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日米構造協議と日本側の対応その5(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と日本側の対応・排他的取引慣行 排他的取引慣行について日本側の最終報告では、独占禁止法及びその運用の強化を明記し、一層の透明性の確保を約束しました。 具体的には、行政の透明性を確保し、抑止効果を一層高めて、同様な違反行為の未然防止を図るために、勧告や課徴金納付命令等の法的措置については、すべて、違反したものの氏名・名称、違反の様態及び違反に係る状況を含むその措置内容を公表するとともに...

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日米構造協議と日本側の対応その4(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と日本側の対応・価格メカニズム 日米構造協議で日本側が約束した価格メカニズムは、主に内外価格差の周知などを目的に行われて行きました。内外価格差とは、同一商品に対して国外での価格と国内での価格の違いを示しています。 日本は物価が高いという認識が現時点で浸透しておりますが、1985年のプラザ合意以降円高が急速に進んだこともあり、諸外国と比べ内外価格差が大きくなり外国と比べ物価が高くなりました...

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日米構造協議と日本側の対応その3(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と日本側の対応・流通機構と大店法改正 当時の日本の流通機構の特徴は、高密度な小売業と小規模性であった。都市も地方も商店街を中心とした小規模事業者が多くみられ、消費者もまたそれらの利用が盛んにおこなわれていた。 また、卸売業が多段階で行われることが多く、中間マージンなどが上乗せされ卸値と小売りでの販売額との間に大きな隔たりがあった。その後外資系企業や卸を担当していた大手商社などが小売り...

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日米構造協議と日本側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と日本側の対応 ・土地利用について 日本はバブル景気に象徴される高い土地価格をもとに信用創造を行うことによって、海外進出資金の調達や設備投資費用などに用いることを行ってきた。そのため、外国企業は日本の高騰する土地価格によって、日本へ参入する際の見えない障壁となっていた。 また、海外と比べ日本の物価が高いという問題が併発して起きており、プラザ合意から続いた急速な円高の進行に伴って19...

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日米構造協議と日本側の対応その1(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議は1989年から1990年にかけて計5回にわたって行われた2国間協議であり、スーパー301条発動など日米貿易摩擦が過熱している最中に米国財務省が立案し、通商代表部が交渉に臨みました。 背景には過熱しすぎた日米貿易摩擦に対して1989年7月14日の日米首脳会談にて米国共和党大統領であるジョージ・H・W・ブッシュが当時の総理大臣である宇野宗佑に提案し実現した。 日本側の主な項目と内容・貯蓄と投資パターン 当時...

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スーパー301条(貿易摩擦シリーズ)

 スーパー301条とは1988年包括通商競争力法により、1974年通商法第310条として追加された対外制裁に関する条項の一つである。 1974年の通商法第301条は貿易相手国の不公正な取引慣行に対して当該国と協議することを義務づけるという内容で、場合によっては制裁を加えることを定めたもの。スーパー301号は特例でこの条項を強化しました。トランプ大統領は2017年8月1日に中国に対しこの通商法第301条を適用し調査を始め、米中貿易...

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「前川リポート」と日米貿易摩擦(貿易摩擦シリーズ)

 日米貿易摩擦の歴史の中で、1986年4月7日に当時の日銀総裁である前川春雄が座長を務めていた国際協調のための経済構造調整研究会が報告した「前川リポート」というものがある。 主な内容はアメリカの要求に応えて、10年で約430兆円の公共投資を中心とした財政支出の拡大によって経済規模(GDP)の拡大とそれに伴う円の需要をもたらし、結果的に円高ドル安に誘導していくというものだった。 背景としては米国が抱えていた双子の...

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プラザ合意と円高(貿易摩擦シリーズ)

 プラザ合意は共和党のレーガン大統領(アメリカ)政権のもと、1985年9月22日にニューヨークのプラザホテルで当時の先進国5か国(日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス)において合意されました。 歴史的に見て米国の共和党政権は貿易摩擦の解消を狙ってドル高是正を世界各国に向けて呼びかけることが多いという傾向があります。目的は米国の貿易赤字を縮小させ、自国の産業を守るためです。このことから共和党政権下にお...

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