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日米構造協議と日本側の対応その4(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と日本側の対応

価格メカニズム

 日米構造協議で日本側が約束した価格メカニズムは、主に内外価格差の周知などを目的に行われて行きました。内外価格差とは、同一商品に対して国外での価格と国内での価格の違いを示しています。

 日本は物価が高いという認識が現時点で浸透しておりますが、1985年のプラザ合意以降円高が急速に進んだこともあり、諸外国と比べ内外価格差が大きくなり外国と比べ物価が高くなりました。

 そのため、日本人観光客が海外でブランド物を買い漁ることが話題となったり、バブル期には米国の不動産を日本企業が積極的に買い進むといった現象が起きました。

 ニューヨークと東京の内外価格差を比べてみると、1985年のプラザ合意時点では約0.8倍と東京の物価が安かったのに対し、1988年には約1.4倍とニューヨークよりも物価が高くなりました。その後の1995年には約1.6倍とピークをつけることになります。

 円高はすなわち日本国民のドルベースの収入の上昇につながりますが、内外価格差が高い場合日本国内で売られている海外製品なども高くなるため国民生活が豊かになったと実感することは難しいでしょう。その為内需の需要喚起につながりません。

 本来円高になれば海外の商品を安く買うことが出来るはずですが、そうならない仕組みが日本にはありました。それは、排他的取引慣行や反競争的慣行の許容、流通機構の問題などが複合的に合わさりあうことで長らくこの状態が放置されていました。

 そのため、米国はこれらの諸問題に不満をもっており、日本に対する貿易赤字と円高に伴う内外価格差の是正を、日本側が大規模な公共投資などを行うことで内需拡大をもたらし、これらの諸問題を解決しようと考えていました。
 
 また、日本は貿易黒字国であるため外貨を円に換えて貯蓄に回すという傾向があり、基本的に円高基調になりやすい側面があります。しかし、貿易立国として製造業の輸出競争を優位にするため、日銀と政府が一体となり、円安誘導を積極的に行うようになります。
 
 2019年時点では日銀の緩和政策により円安傾向にありますが、日銀は既に大規模な国債買い入れを行っており、今後の出口政策次第では再び円高に振れる可能性もあります。

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