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日米構造協議と米国側の対応その1(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と米国側の対応

貯蓄・投資パターン

 米国に対する日本側の主張は、そもそも米国側の貯蓄不足が問題であるというものだった。つまり、米国民による過剰消費によって貯蓄が増えず、輸入額は増大し結果的に経常赤字は変わらないということでした。

 米国はそもそも日本の構造自体に問題があるとの主張に対し、日本は日米の国民性の違いから貯蓄に対する考えがそもそも異なっており、米国民の過剰消費や投資過剰によって引き起こされているという主張でした。

 確かに米国の主張にあるように当時の日本の流通市場などの閉鎖性により、米国製品を輸入する際の障壁となっていることがあり、1986年の前川リポートでも内需拡大よりもむしろ輸入拡大を推し進めるという内容でした。

 米国の過剰消費の背景には、財政刺激策により内需が拡大し国内生産だけでは対処できなくなることで輸入が急増することにありました。その際財政刺激策による財政赤字と輸入増大による経常赤字という双子の赤字という状態でした。

 ただし、輸入が増大することで国内需給の逼迫が緩和され、インフレ圧力を抑制すると言った側面もあり、経済的には好ましい結果をもたらしていました。

 当時の米国経済の構造的な問題もありました。米国の総供給が総需要に及ばない一因として、製造業による設備投資不足とそれに伴う供給力拡大投資の不足です。そのため、設備稼働率が極めて高くなり生産余力が乏しくなっていました。

 米国側は自国産業の競争力強化という明確な目標のもとに協議を行っており、不明瞭な日本側の戦略に対し次々に構造改革の内容を迫る状態でした。日本側の主張は米国側にあまり受け入れられず、やや一方的な形で協議は終了いたしました。

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