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日米構造協議と米国側の対応その3(貿易摩擦シリーズ)

 日米構造協議と米国側の対応

・政府規制

 米国は日本の自動車企業が米国現地生産を拡大させる中、アメリカ国内の自動車産業の衰退によって日本車の輸出規制をせず、対米輸出自主規制を促した背景にも米国の保護主義的な考えがありました。

 石油ショックから続いていた原油価格の高騰を背景に燃費の良い車の需要が高く、日本車は米国で人気があります。また、米国は日本よりも国土が広く自動車社会といえる側面もあり、燃費の良しあしは自動車販売台数に直結する内容です。

 日本製品の代替物が存在しない場合、輸入規制をすると輸入物価が上昇し消費者や企業はコスト上昇という影響を受けるため米国経済への懸念から輸入規制導入への抵抗があります。保護貿易では自国産業と共に企業や消費者を守る側面がある為、貿易赤字を抱えているからといって一方的に輸入規制に乗り出すということではありません。

 米中貿易摩擦においても関税を吊り上げることで自国の消費が冷え込み、経済への影響なども心配されていますが、米国自ら首を絞めかねないだけに保護貿易という立場に立って考える必要がありそうです。

 米国の対日輸出の拡大は1970年代終わりに起きた牛肉とオレンジの問題などの時期に大きく変化していきました。当時米国は日本の市場開放を求めており、この問題について1978年に会談が行われ牛肉とオレンジの輸入枠を拡大いたしました。

 当時のニクソン大統領やカーター大統領などは自由貿易主義者であったため積極的に関税の引き下げなどの協議を行いました。しかし、1980年代後半になると貿易赤字が問題となり貿易相手国の市場の閉鎖性などから、レーガン大統領の際にはついに保護主義へと変わっていきました。

 レーガン大統領は元々は自由貿易主義的な政策転換を図ろうとしており保護主義に対して反対でしたが、1988年にはスーパー301条も含まれる包括通商・競争力法を制定するなど保護主義的な法案が成立しました。

 包括通商・競争力法とは国内産業の保護や外国の不公正な貿易政策への対応など、米国産業の競争力を回復させるための措置を包括的に盛り込んだ法案です。

 この法案が成立した背景には1986年の中間選挙で共和党が上院、下院共に民主党に敗北したことで、共和党のレーガン大統領が法案に対する拒否権を行使したものの、民主党の法案成立に向けた取り組みによって可決されてしまいました。

 このように米国の中間選挙の結果次第では大統領の主義主張が通らなくなることや、貿易に対する姿勢なども変化する可能性があります。

 現時点ではトランプ大統領が中国と貿易戦争の状態ですが、中間選挙の結果次第ではその政策自体に変化が起こるかもしれません。貿易関係の政策などの変化は為替などに影響があるため注意が必要です。

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