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日米包括経済協議と日本側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応

・政府調達

 日米包括経済協議において政府調達は主に電気通信分野と医療技術分野を中心に協議が行われました。カッター大統領補佐官は対日政策を再検討しその内容を1993年5月にまとめました。

 内容はマクロ政策として、日本の経常収支の黒字を対GDP比で数値目標に基づきながら削減することや分野別・構造的交渉としてその対象を個別に列挙するというものでした。これに対して通産省(現・経済産業省)をはじめとする日本側は全面的に抵抗しました。反対の理由は数値目標の設定にかかわるものでした。

 経常収支の黒字を対GDP比で数値目標に基づきながら削減することは米国からの輸入を増大する事を意味しており、米国と比べ内需が弱い当時の日本にとっては困難な目標でした。その為その後の協議では政府による調達によって輸入の増大を目指すことを中心として話が進んでいきました。

 日本市場の開放を課題として結ばれた1991年6月の協定は、期限が5年間であり92年末までに外国系半導体の市場シェアが20%を越えることを期待していました。この合意内容において数値目標を事実上明文化したものと米国側は解釈したため、その後数値目標の問題を主張し始めました。

 この新協定の結果日本市場への外国系半導体企業の市場アクセスは改善され、1995年には数値目標を越える約30%へ上昇しました。日本市場の閉鎖性が明らかになるにつれ米国側は新たな協定を模索しましたが、日本側は協定自体の終結を主張しました。その後1996年7月末をもって新半導体協定は終了します。

 日本側は内外無差別、透明、公正、競争的かつ開放的な政府調達手続きを確保するとしていましたが、それらは他国から見た場合日本は国内産業を他国企業から守り、不透明かつ不公正で競争的でないと見られていることを表していました。

 米中貿易摩擦においても、中国側が激しく米国の主張に対して抵抗していることも中国側の閉鎖的な側面が原因なのかもしれません。保護貿易主義の立場に立つと、自国産業を守りたいという行動は自然な流れなのですが、お互いの主張が空転するにつれ貿易摩擦が過熱していく現状では、問題の解決策を模索する事は至極難しいことでしょう。

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