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日米包括経済協議と日本側の対応その7(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応

・金融サービスその3

 日米両政府は越境資本取引について解放された自由な市場と自由で正常な資本移動が国際通貨制度の有効な機能の発揮や、資源の効率的な配分にとって必要であることを確認しました。

 私募債を含めた全ての非居住者国内債や非居住者ユーロ円債について、最初に届け出不要の要望を大蔵省(現財務省)に行えば、発行者は有効期間1年間にわたって事後報告のみで証券を何度でも発行できるようになりました。

 また、海外における非居住者による社債発行に関する償還年限構造についての制約は課されないことが保証されています。償還年限とは償還期間の別名で、債券の発行日から償還期日(満期)までの期間の事です。

 当時、非居住者によるノン・ソブリン・ユーロ円債発行に関して90日間の還流制限がありました。還流制限とは起債から販売までに一定期間の制限を加えるものです。この還流制限を撤廃することになりました。

 ソブリン債とは各国の政府や政府関係機関が発行し保証している債券(国債など)のことで、ノン・ソブリン債とは政府保証のない債券の事です。

 指定金融機関でない投資者にも取引のすそ野の拡大が行われました。日本の事業法人や個人投資家の双方が、すべての種類の証券現物オプションを含む、海外の取引所に上場されているすべての証券派生商品に勧誘を伴わずに直接投資することを認めました。

 また、事業法人が投資目的のために海外の取引所に上場されている外国の証券派生商品への投資については、外為法の下で事後報告のみによって行う事ができるようになりました。

 指定金融機関である証券会社や保険会社、投資信託委託会社は海外の取引所に上場されている通貨現物オプションの取引に際して、外為法上の事前許可を得ることを不要とする措置を行いました。これは、すべての指定金融機関から要請があれば越境ポートフォリオ投資に関して事前届出を不要とすることを表しています。

 その他にも、証券会社の外貨為替取引についても規制緩和が行われました。引き受けに関連した通貨スワップについて当局への事前届出を事後報告に変更することや、日本国内の投資家が購入する外貨証券の利金および償還金に係る受け取りを円貨で確定するために、証券会社が投資家との間で外貨証券の購入時に行う通貨スワップを認めました。

 日本政府は証券会社は自己の投資目的のために行う、海外の取引所に上場されている通貨現物先物オプションに係る取引を認め、証券会社が基礎的な業務に関連して行う外国為替取引の在り方について、日本の金融制度改革における進捗の状況を視野に入れながら検討を行いました。

 海外債券市場におけるレポ取引に伴う相殺決済についての可能性についても検討されました。相殺決済とは相互に支払いと受け取りがある場合、その差額のみを一方が他方に支払う方法のことで、1998年の改正外為法の施行で自由に行えるようになりました。

 将来のステップとして日本政府は現在進められている国内金融市場の規制緩和や金融商品サービスの発展において、引き続き適切に越境資本取引の一層の自由化を考慮するとしました。

 このようにして、日米包括経済協議の結果として機関投資家や個人投資家を含めより自由で効率的な取引が可能になっていきました。

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