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日米包括経済協議と日本側の対応その9(貿易摩擦シリーズ)

 日米包括経済協議と日本側の対応

・自動車・同部品協議

 日米包括経済協議ではセクター別・構造面問題では自動車・部品問題や日米運輸技術協力が含まれていました。そこでは地球的展望に立った協力のための共通課題がその柱となっています。

 このうち、自動車・同部品分野については、外国製部品の自主購入計画やディーラーシップ、補修部品に係る規制緩和の3項目について、約2年にわたる協議の結果最終決着に至りました。

 補修部品に係る規制緩和については、規制の対象となる重要保安部品の削減や独立系整備工場の増加のために特定部品専門の整備工場の認定制度の創設、構造等変更検査の対象範囲の見直し等の規制緩和について実施することとしています。

 また、補修部品市場アクセス改善プログラムに基づき、外国製補修部品情報ネットワークの整備や要望・苦情処理窓口の常設、内外無差別のキャンペーンの実施などを進めることとしています。

 日米の企業の自主計画について包括協議の枠外であることを確認しました。米国側は日本企業の自主計画に基づいて北米製部品の購入量や北米製完成車の生産量などを見積もる一方で、日本側はこれらの見積もりは政府の責任の範囲を超えることから政府の関与を否定しました。

 ディーラーシップに関するものとして、米国自動車企業による対日市場開拓推進の表明や自販連による外国車に関心のあるディーラー発掘調査を実施しました。

 自販連とは日本自動車販売協会連合会のことで自動車販売店によって構成された業界団体です。全国に52の支部があり、毎月自動車販売台数を発表しています。

 米国側は米国自動車企業の販売拠点が一定数増大すると推定する一方で、日本側はこの予測は政府の責任の範囲を超えることから、政府の関与を否定しました。

 日本の自動車メーカーが全世界を対象として、海外生産の拡大や部品調達の現地化、競争力のある外国製部品の購入と調達手続きの透明性確保などを内容とする計画を発表しました。

 その上で、米国の自動車会社が競争的な価格でサービスを提供することにより、日本市場におけるプレゼンスを拡大する計画を歓迎する一方で、これらが包括協議の枠外であることを明記しました。

 今回の協議では米国側は協議の開始時点から自動車・部品の輸入や調達について日本側に数値目標の設定を求めるなど厳しい姿勢で臨みました。

 米国は日米貿易摩擦において、自国の自動車産業を守るために日本の自動車メーカーに対して自主的に海外生産を増やすことや、外国製の部品を使用することで自動車産業での対日貿易赤字の解消などを目論んでいました。

 日本側も数値目標の設定などについては関与しないことを徹底して貫き、あくまでも日本の自動車会社による自主的な取り組みとして自動車会社自身が数値目標を設定し計画を発表していくこととしました。

 合意に至った背景には米国側は通商法301条に基づいた日本製高級車5メーカー13種に対して100%の輸出関税を課すことを発表するなど、貿易摩擦が過熱していたところで、日本の自動車メーカーの自主的な数値目標を伴う計画を米国側が評価したことにありました。

 現在米中での貿易摩擦が過熱していますが、米国側の対中関税の意図には中国側が妥協し、閉鎖的な貿易環境や産業構造を改善させることにあるかもしれません。

 日米貿易摩擦の経緯からするに、日本側が米国の貿易赤字の解消に対し構造改革や自国産業による自主的な改善計画などによって貿易摩擦の解消が行われてきました。

 米中の貿易摩擦の解消には2国間協議においてどこまで中国が妥協し米国の貿易赤字を解消するための構造改革にむけて取り組むことができるかが課題となっています。

 また、中国のGDPは年々増加しており米国に迫る勢いです。日本も以前米国に追いつきそうな所までいきましたが、その後バブル崩壊の後1995年を境に横ばいで推移しています。

 中国についても日本と同様にバブル崩壊のようなショックから経済成長が止まるのでしょうか。中国と日本の大きな違いは人口の差にあり、もし仮に中国が日本と同等水準の生活水準にまでなるとすると、まだ未だ経済成長する潜在性があるかもしれません。

 いずれにしても貿易摩擦は両国や世界経済に対してリスクとなっています。為替市場や株式市場への影響から大きなショックともなりかねないだけに注意が必要そうです。
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