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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応

・医療用具・医薬品

 新しい医療用具の承認のために必要な外国臨床試験データの受け入れを大幅に拡大するとしました。また、より効果的で費用の効率の良い治療を患者にもたらすような新製品の導入を阻害することのないように、医薬品と医療用具の開発の重要性を認識しました。

 医療政策の検討における透明性を確保するために、関係審議会における外国の医薬品・医療用具製造業者からの有意義な意見表明の機会を日本の製造業者と同等に認めるとともに、外国の医薬品・医療用具製造業者から要望に応じて厚生省(現厚生労働省)のあらゆるレベルの職員との意見交換の機会を設けるとしています。

 新薬承認期間を12か月に短縮することになった背景として、医薬品の開発には長い年月と多額の開発費用がかかります。これらの負担の大きさから企業が開発を中止してしまう薬剤などもあります。少しでも負担を軽減するうえで、新薬承認期間の短縮は効果のあるものでした。

 また、革新的な新薬の導入を一層迅速化するために、優先的医薬品について承認期間を相当程度短縮するとしています。

 米国政府からの要望書には、医薬品導入の国際基準に沿った、日本の新薬申請(NDA)プロセスの
迅速化が必要であり、日本は新薬の発売において他の先進市場に比べて大幅に遅れをとっており、申請から承認、保険収載(保険適用と価格の決定)までの期間を短縮しなければならないとしています。

 米国およびヨーロッパの製薬会社が1991年から1994年までの間に実施した調査の結果では米国における優先医薬品に要する期間は日本と比べて平均22.4か月短いものでした。

 そのため、外国企業の場合はこの医薬品承認の時差が特に大きく、海外の臨床データが受け入れられないために、製品のライフサイクルの末期になってから発売せざるを得ないケースが多くありました。

 日本では海外で行われた臨床試験データの受け入れが十分ではなく、企業は多くの製品についてコストのかかる臨床試験をさらに日本で実施しなければならず、これが新製品の日本市場参入に対して大きな遅れにつながっていました。

 また、臨床試験を日本で繰り返さなければならないために発生する遅延とコストが、医療制度の効率低下の一因となっていました。そのため、規制緩和による現行の慣行の変化が、医薬品・機器メーカーにとって大きなコスト削減につながり、ひいては日本の医療制度のコスト削減につながる主要分野の一つとしています。

 高度先進医療技術制度の撤廃も要望書には書かれていました。革新的な新技術を差別し、すでに承認プロセスで行われた試験を保険未収載で再び実施することを企業に義務付けて、企業を不利な立場に置く不必要な制度であるとしています。

 特定の新商品の広範な使用に対する保険償還の承認に先立って、しばしば長期間にわたる試験を要するもので、医療機器メーカーにとっては最悪のケースであるとしています。

 革新的な医療機器のライフサイクルは極めて短いことがあることや、企業が不特定期間にわたって保険償還なしで製品を提供させられること、またすでに製品の承認を受けていても最終的に一般償還制度の適用が保証されないことが原因として挙げられました。

 その後この制度は2006年9月まで続けられ、その後2006年10月1日の健康保険法の一部改正に伴い、本制度は再編されて先進医療と称する新制度が開始されました。
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