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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その3(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応

・金融サービスその2

 金融持ち株会社の設立が1998年に解禁されました。金融持ち株会社とは、銀行や証券会社、保険会社など異なる業態の株式を保有する持ち株会社のことです。1998年12月の独占禁止法改正や金融持株会社関連法の成立などで可能になりました。

 金融機関が他の業態に進出するには、業態別に子会社を設立し、親子関係にならざるを得ませんでしたが、金融持株会社を設立することで傘下企業は兄弟関係になり、経営の効率化につながります。

 また、1つの企業の経営が悪化しても、傘下企業に影響が及びにくく、利益相反を防止し、利用者保護にも効果があると言われています。

 改正外為法の施行による内外資本取引等の原則自由化では、事前の許可・届出制度を原則として廃止するとともに、外国為替公認銀行制度や両替商制度を廃止するなど、自由で迅速な内外取引が行えるよう、欧米先進諸国並みの対外取引環境の整備が図られました。

 この時の改正では、国際約束を履行するため必要があると認めるときに加えて、国際平和のための国際的な努力に寄与するため特に必要があると認めるときにも経済制裁等の措置を講ずることが可能となりました。

 会社型投信や私募投信などの新しい投資信託の商品の導入や、証券デリバティブの全面解禁、証券会社の業務範囲制限の撤廃、証券会社の免許制から原則登録制への移行などが行われました。

 会社型投信とは投資信託の設立形態による分類上、投資を目的とする法人を設立し、投資家が投資法人に出資をしたうえで、投資法人からの収益の分配を受けるタイプの投資信託のことです。

 私募投信とは、2名以上50名未満の小数投資家や特定の機関投資家のみを対象とした投資信託のことで、顧客のニーズに合致した自由な商品設計が可能であるという特色があります。

 証券デリバティブとは、派生証券ともいわれ、株式や債券、金や原油などの原資産の価格の変化に対応してその価格が変化する証券のことです。原資産には株式、債券、為替、金利、金や原油などがあげられます。

 私設取引システムの導入も行われました。私設取引システムとは、東京証券取引所などの証券取引所を通さず、証券会社のコンピューター上で株式などの有価証券を取引する仕組みです。通称PTSと呼ばれています。

 銀行業務範囲の拡大で、投資信託の窓口販売が解禁されました。それ以前では証券会社でしか投資信託を購入できませんでしたが、銀行窓口で投資信託を購入できるようになることで、個人投資家のすそ野が拡大しました。銀行も投資信託販売手数料などを得ることができ、収益源となりました。 

 投資家保護基金や保険契約者保護機構が創設されました。投資家保護基金は万が一何らかの事情で証券会社が破綻し、分別管理の義務に違反したことによって、投資家の資産の返還が円滑に行われない場合には、返還できない投資家の資産について、日本投資者保護基金が投資家一人当たり上限1000万円まで補償を行う基金です。

 分別管理とは、投資家から預かった資産と、証券会社や信託銀行が保有する自社の資産を分けて管理することです。分別管理が行われることで、証券会社や信託銀行、運用会社が破綻した場合でも、投資家の資産は投資家に返還されます。

 保険契約者保護機構とは万一、保険会社(外国保険会社なども含む)が破綻した場合でも、破綻保険会社の保険契約の移転などにおいて資金援助を行う事により、保険者契約者の保護を図ることを目的として設立されたものです。

 企業の財務諸表や情報開示を連結ベース主体とすることや、銀行の証券子会社や証券会社の信託銀行子会社の業務範囲制限の撤廃、株式売買委託手数料の完全自由化、保険会社と金融他業態との間の参入、投資信託委託会社や投資顧問会社が他の資金運用会社に一任運用を委託することを認めました。

 株式売買委託手数料の完全自由化は、証券取引所が決めていた固定手数料制を廃止し、手数料の設定が自由化されました。インターネットを通じた売買では手数料が安くなるなど、証券会社が独自の方式で手数料を設定しています。ネット証券では売買手数料が安いため、個人投資家が増えるきっかけとなりました。
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