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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その10(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応

 米国に対する日本政府の関心事項

・構造問題、透明性及び他の政府慣行その2

 新運航補助制度(MSP: Maritime Security Program)は米国政府が1937年、国家緊急時の際に徴用できる自国商船隊の整備を目的として、主要外国航路に就航する自国海運企業に対して外国海運企業の船舶運航費との差額を補助するための運航費差額補助制度(ODS: Operating Differential Subsidy)を創設しました。

 この制度は1998年末に終了しましたが、新たに10年間にわたって実施するための制度が1996年に創設されました。この新運航補助制度の対象船舶は、コンテナ船40隻、LASH船5隻と自動車専用船2隻の計47隻であり、一隻あたり年間約210万ドル(初年度230万ドル)にも及ぶ補助が可能となります。

 日本としてはこのような政府補助が、外国海運の自由かつ公正な競争を歪める恐れがあることから、日米二国間協議等を通じて米国に撤回を申し入れていました。

 米国籍船による輸送の義務づけ(貨物留保措置)については1995年アラスカ原油輸出禁止解除法が懸念されていました。

 アラスカ原油輸出禁止解除法は、アラスカ原油の輸送にあたっては米国人が乗り組む米国籍船でなければならない旨を規定しており、従来の軍及び政府貨物についての貨物留保措置に止まらず、原油という一般商業貨物に対してまで貨物留保措置を導入しようとするもので、極めて保護主義的性格が強いものでした。

 米国政府によるこのような自国商船隊保護政策は、海運自由の原則に反するとともに、交渉期間中は新たな保護主義的措置を導入しないことを定めたWTOの海運継続交渉に関する閣議決定に反しており、他の国での同様の保護政策の発動を誘引する恐れがありました。

 背景には厳しい競争を行っている太平洋コンテナ船マーケット等において、米国船に対する事実上の補助金として機能しており、競争条件を歪めていました。

 米国からは、米国のばら積み輸出入貨物の95%を外国籍船が輸送しており(輸出入貨物の95%については貨物留保をしていない)、既に十分解包されている旨の回答がありました。

 日本側としてはこの問題は原則の問題であり、量の問題ではなく、米国が貨物留保政策を採用していること自体、途上国がそのような貨物留保政策を採用する絶好の口実となっているとしています。

 内航商船の国内建造義務づけ規定では、内航海運に従事する海運業者に関し、米国国内での内航商船建造を義務づけられており懸念されていました。

 背景として1920年商船法(ジョーンズ・アクト)は、米国の内航海運に従事する海運業者は、米国で建造された船舶によって営業を行わなければならないと規定しています。内航海運とは国内貨物の海上輸送のことをいいます。

 米側は、内航商船の国内建造義務づけに関して世界の船舶建造量のうちの少量にしか影響を与えないと説明していますが、日本側は船舶建造のうち少量にしか影響をあたえないことは規制を残す理由にはならないとしています。

 外国で建造された船舶の利用を制限することにより外国の造船事業者に不利益をもたらすもので、使用者側にとっても、米国本土からハワイ等への遠距離海上輸送を行う場合、割高な米国船籍の使用により海上輸送費が増大するなどのデメリットがあります。

 このように貿易に関する米国の法律には自国の産業を保護するための保護主義的なものがあり、貿易摩擦の一部となっています。
   をもとに作成
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