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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その11(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応

 米国に対する日本政府の関心事項

・構造問題、透明性及びその他の政府慣行その3

 油タンカーに係わる海洋環境保護のための米国及び国際基準に関心がありました。日本では船舶による油濁問題への取り組みを行っており、国際油濁補償基金への的確な対応では、油タンカーによる油濁損害の被害者の保護やタンカーによる油輸送の健全な発達のため、船舶所有者等の責任を定めた「1992年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約」(1992年民事責任条約)が成立しました。

 また、石油会社などの荷主による基金の創設を定めた「1992年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約」(1992年基金条約)に基づき、賠償や補償を行う国際的な制度が確立されています。

 この制度により、油タンカーによる油濁損害が発生した場合、船舶保有者は責任限度額までは原則として無過失責任を負いますが、責任限度額を超える補償については、被害者が国際油濁補償基金に定められた補償限度額以内において求めることができるとしています。

 しかし、2002年のプレステージ号事故などの大規模油濁事故において、国際油濁補償基金の補償限度額を超える油濁被害が生じたことから、追加的な補償を行う国際基金の設立を内容とする「1992年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の2003年の議定書」が2003年5月に採択されました。

 追加基金議定書を締結することは、汚染損害の被害者の保護を一層充実させるものであることから、日本側は2004年7月に同議定書を締結し、2005年3月に発行しました。これら油タンカーによる油濁損害に関する国際的な制度の内容は、「船舶油濁損害賠償保障法」(油賠法)で担保しています。

 油賠法では保険義務付けが規定されています。日本の沿岸に放置される座礁船の問題などに対処するために、外国船へPI保険(船主責任保険)加入が義務付けられました。

 PI保険などに未加入の外航船は、入港が禁止されており、船内に証明書等を備えおくことが必要となります。また、入港時に地方運輸局等への事前通報が義務付けられています。
  
 PI保険の対象船舶は総トン数100トン以上の国際航海に従事する日本籍船と日本の港に入出港又は係留施設を使用する外国船籍です。油タンカーについては、既に条約に基づく保険義務付けが実施されています。また、日本の港から出港し海外の港へ片道のみ航海する場合(日本の中古船を海外に売却する場合等)も、法律の適用対象となります。

 一般船舶の事故保障対策では2002年12月に茨城県日立港において外国籍の貨物船が座礁した事故において、船舶所有者などが責任ある対応を行わず、やむを得ず茨城県が油防除や船体撤去等を実施したが、それに要した費用が回収できないという事態が生じたことから、放置座礁船が大きな社会問題となりました。

 その背景には、船舶所有者などが自己による油濁損害や船体撤去などの費用に関して、十分な対応を果たすための保険に加入していない事や、船舶所有者などが海外に所在するために責任追及が困難であることがありました。 

 このようなことから「油濁損害賠償保障法」を改正し、燃料油の油濁損害が発生した場合、原則として船舶所有者等に無過失責任を課すことや、油濁損害、船体撤去等の費用をてん補する有効な保険を持たない外航船舶の日本国への入港を禁止しています。

 油賠法で加入を義務付けている保険の付保額は、「1996年の海事債権についての責任の制限に関する条約」を国内法制化した「船舶の所有者等の責任の制限に関する法律」(船責法)が定める責任の限度額を上回ることとしています。

 また、同条約の定める責任の限度額は、2015年6月8日より、従前の1.51倍に引き上げられており、国内でも、船責法を改正し、同日より施行しています。

 一方、保険義務付けの法規制がかからない、日本の港への入出港を行わない船舶などの事故により、船舶所有者等に代わりやむを得ず油防除などを行った地方公共団体に対しては、当該防除に要した費用について、一定の条件のもと、国が予算の範囲内で補助を行う制度を設けています。
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