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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その12(貿易摩擦シリーズ)

 日米規制緩和対話と日本側の対応

 米国に対する日本政府の関心事項

・構造問題、透明性及びその他の政府慣行(アンチ・ダンピング措置その2)

 日本側の関心ごととして、企業会計データの受け入れについて米政府当局は、生産者または輸出者に対して、米国の会計原則に基づく情報提供を求めており、米国の会計原則に合わせたコスト計算を強いています。

 そのことにより、輸出者または生産者に過度の作業負担を課していることから、コスト計算について輸出国において一般的に認められる会計原則に適合する場合には、AD協定で規定されているように調査の対象となる輸出者または生産者が保有する記録に基づき算定を行うべきとしています。

 米政府当局が行う清算手続きについて、税額還付の要請があってから、実際に還付されるまでに、長時間かかる場合があることから、清算については迅速に完了されることが望まれています。

 米国1930年関税法及び商務省規則の運用に関し、「関連者」を判断する際には、5%以上の株式の直接所有者だけを基準とするのではなく、その他の要因(ある組織の役員・取締役と当該組織の関係、家族構成員等)を総合的に考慮し、判断するものに改善してほしいという内容でした。

 米国1930年関税法は1930年に米国のフーバー政権下で成立した関税法で、1929年に始まった大恐慌の際、国内産業保護のため農作物など2万品目の輸入関税を平均50%引き上げました。報復措置として多くの国が米国商品に高い関税をかけたため、世界貿易が停滞し、恐慌を深刻化させたとされています。

 アンチ・ダンピング措置の撤回では、将来のダンピング再発可能性の判断にあたり、本証明を求めるにあたっては、輸出者が、過度の立証責任を負わされないようにされたいとしました。

 つまり、ダンピング輸出がなくなった際に課税を取りやめるかどうかの判断基準として、輸出者に将来ダンピングをしないとの証明を求めているが、この証明に必要な具体的事項は明示しておらず、結果的に輸出者に対して過度の立証責任を課しています。
 
 価格比較方法としてダンピングマージンのレビューにおいて、輸出価格と正常価額を比較する際に、オリジナル調査同様、原則、加重平均価格同士又は個別取引価格同士で比較されたいとしています。

 背景には、米国政府当局は、ダンピングマージンのレビューにおいて、輸出価格と正常価額を比較する際、オリジナル調査で要件となっている加重平均価格同士又は個別取引価格同士の比較を行わず、加重平均価格と個別取引価格を比較することがあり、その結果、加重平均価格同士の計算に比べ、異なった結果が算出され、海外輸出業者に対してより高いマージン率を課すこととなる可能性がありました。

 利用される情報として、AD協定付属書Ⅱ第5項において、提供された情報が全ての点において必ずしも完全なものでない場合においても利害関係者が最善を尽くした時は、調査当局が当該情報を無視することは正当化されないことが規定されています。

 また、同付属書Ⅱ第6項において、行政当局が証拠又は情報を採用しない場合には、当該証拠または情報を提供した利害関係者にはその理由を通知するべきなどが規定されています。

 質問状に対する回答期限は、アンチダンピング調査に係る質問状を受領した輸出者及び生産者には、少なくとも30日間の回答期限が与えられています。理由が示される場合には、可能な場合はいつでも延長が認められています。

 企業会計データの受入れとして調査におけるコストは、当該記録が輸出国において認められた会計原則(GAAP)に適合する場合、輸出者又は生産者が保有している記録により、原則、算定すると規定されています。

 GAAP(Generally Accepted Accounting Principles)とは一般に認められた会計原則の略称で、米国会計基準は「US-GAAP」、日本の企業会計原則は「JA-GAAP」などと略称されています。企業の財務諸表を作成する際に基準となるものです。

 清算手続きは1930年米関税法第751条において、清算は迅速に最大限可能な限り、税関への通達が行われた後90日以内に行わなければならないと規定されています。

 アンチ・ダンピング措置について日本側は様々な関心事項がありました。米国の会計原則に沿った情報提供など過度な作業負担となるようなことがあるため、輸出入業者の負担を減らすために出来る事などが模索されたのでした。
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