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第1回日米規制緩和対話と日本側の対応その21(貿易摩擦シリーズ)

 第1回日米規制緩和対話と日本側の対応

 米国に対する日本政府の関心事項

・金融サービスその3

 証券規制として法改正により、連邦・州レベルでの証券規制の重複が少なかったことを評価しており、今後とも一層、重複を減らす方向で検討が進むことが望まれていました。

 背景として、1996年、全米証券市場改革法が成立し、米国側の説明によると、連邦・州レベルでの証券登録要件の重複は可能な限り減らされました。

 金融機関の取締役に関する市民権要件として、日本では取締役の市民権要件を全く設けておらず、米国における市民権要件の撤廃を求めるとしています。

 背景として、国法銀行の取締役は全員が米国市民であるべきであるとされています。ただし、外国銀行の支店や関連会社については、OCC長官の裁量により、「原則全員」から、「全体の取締役の半数以上」に軽減されうることとなっています。なお、州レベルではより厳しい規制をおいている州が多い状態です。

 金融近代化法案(H.R.10)の成立によって、外銀に不利益とならないよう求めるとしています。背景として、H.R.10では、外国銀行法におけるグランドファーザー条項を廃止する一方、現行持株会社法において内国銀行持株会社に認められている業務については、外国銀行にも内国銀行持株会社と同等の立場で認めるとしているが、実際上、外国銀行に不利益とならないかとの懸念があります。

 金融近代化法案はグラム・リーチ・ブライリー法とよばれ、銀証分離規定の事実上の撤廃を含む、1980年代からの一連の規制緩和により、金融機関の業務は相互乗り入れと多様化が進展し、また、デリバティブや証券化手法を始めとする新たな金融商品やイノベーションが次々と生み出されました。

 しかしながら、金融規制・監督体制は、南北戦争期から1930年代に出来上がった仕組みが基本的に維持され、新たな状況に達していませんでした。

 例えば、住宅ローンの販売業者・貸手は、基本的に州法の元にあり、その規制・監督は州によって異なり、統一的な免許の基準や規制等は存在せず、国法銀行の子会社が営んでいる場合は、それぞれの監督機関が関わるが、そうでない業者が相当部分を占め、サブプライム・ローンの半分以上は、連邦の監督下にない業者によるものでした。

 州によっては、十分な監督がなされていないことなどから、こうした業者によって貸し出された住宅ローンが証券化商品に組成され、遠く海外にまで販売されるような事態を全く想定していなかった規制・監督体制であったといえます。

 また、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を始めとするOTCデリバティブ市場についても、市場全体を監督する機関はありませんでした。このようにサブプライム・ローン問題で露見した様々な構造的問題が金融規制・監督体制にありました。

 米国では、南北戦争期あるいは1930年代からの歴史的経緯の積み重ねから、金融分野の規制・監督は多数の機関によって担われており、非常に複雑なものとなっていました。

 現在の姿は、1930年代におおむね形成されたもので、全体的な構造は変わらず残っています。まず、預金取扱機関については、商業銀行(Commercial Banks)や貯蓄金融機関(Thrifts、または Savings and Loans)、信用組合(Credit Unions)があります。

 いずれも、連邦政府から免許を付与されるものと、州政府から免許を付与されるものの二通りがあります。例えば、商業銀行については、連邦政府から免許を付与される「国法銀行」(National Banks)と、州政府から免許を付与される「州法銀行」(State Banks)が並存する「二元銀行制度」(dual banking system)となっており、銀行はどちらかを選ぶことが出来ます。

 これに対応して、監督も、連邦政府当局と州政府当局、FRS(連邦準備制度)、FDIC(連邦預金保険公社)等から成る、多元的な仕組みになっています。

 この二元銀行制度は、南北戦争の戦費調達と金融システム安定化のために国法銀行を設立できるようにした1863年の国法銀行法によって成立したもので、州法銀行は廃止されないまま存続しました。

 大恐慌後の1933年には、銀行法が成立し、この銀行法により預金保険制度がつくられ、FDICが創設されました。FDICが、免許付与機関とは別に、加盟する預金取扱機関の健全性を監督し、重要な役割を果たす現在の体制のもとがつくられました。

 また、銀行法の中にある、グラス・スティーガル法によって銀証分離の原則が打ち立てられ、銀行業務と証券業務の兼業が禁止されました。この原則は、1999年のグラム・リーチ・ブライリー法によって事実上撤廃されるまで存続しました。

 証券分野については、連邦レベルにおける証券取引委員会(SEC)のほか、州政府による証券会社の監督があります。商品先物取引については、商品先物取引委員会(CFTC)があり、保険分野では、基本的に州政府の規制・監督下にあります。 
   をもとに作成
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