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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応

・電気通信その2

 郵政省(現総務省)は、NTTドコモと他事業者との接続の円滑化を図る措置をとることが必要な場合には、2000年度に公平で透明な接続の導入の方法について検討するとしていました。

 2000年度における郵政省の接続制度の見直しにおいて、NTTドコモを「指定電気通信事業者」とするか否かの決定が検討されました。(その後NTTドコモは2002年に指定されています)

 指定電気通信事業者とは、指定電気通信設備精度によって円滑な接続を図るため、接続協議において強い交渉力を有する事業者に対する「非対称規制」として、接続応諾義務に加えて、接続料や接続条件の約款化等を義務付けられた事業者です。

 非対称規制では電気通信事業法によって市場支配力の濫用の防止のため、市場支配力を有する電気通信事業者(NTT東日本・NTT西日本・NTTドコモ)を対象として、他の電気通信事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれのある行為を類型化し、あらかじめ禁止しています。

 また、NTT東西に対しては、特定関係事業者に比した不利な取扱いの防止、子会社等における反競争的行為の防止、接続関連情報の適正な管理等の観点からの規律も課しています。


 また、固定系通信を対象とする第一種指定電気通信設備制度(設備の不可欠性が根拠)と移動系通信を対象とする第二種指定電気通信設備制度(端末シェアによる強い交渉力が根拠)とでは、規制の内容に差異を設けているとしています。


 第一種指定電気通信設備制度の指定要件は都道府県ごとに50%超のシェアを占める加入回線を有することとされ、NTT東西が1998年に指定されました。第一種指定電気通信制度に指定された業者は、接続約款(接続料・接続条件)の認可制となっています。

 第二種指定電気通信制度は電波の有限希少性により新規参入が困難な寡占的な市場において、相対的に多数のシェアを占める者が有する接続協議はにおける強い交渉力・優位性を根拠としており、指定要件は業務区分ごとに10%超のシェアを占める端末設備を有することとしています。(2012年6月に改正され、それ以前はシェア25%以上の事業者が対象でした。)

 第二種指定電気通信制度によって指定されている業者は、NTTドコモ(2002年)、沖縄セルラー(2002年)、KDDI(2005年)、ソフトバンクモバイル(2012年)となっています。今後、新規参入した楽天モバイルが市場シェアを10%超となった際に指定される可能性があります。第二種指定電気通信制度に指定された業者は接続約款(接続料・接続条件)の届出制となっており第一種指定電気通信設備制度よりも規制は緩和された内容となっています。

 接続協定の簡素化として、「多数事業者間接続協定に関する検討会」の結果報告が1999年3月に公表されました。事業者は、本報告書で提示された方策を参照することによって、2者以上の事業者間での接続協定を簡素化でき、郵政省は無差別でコストベースなサービスを提供するクリアリングハウスの利用を妨げないとしています。

 クリアリングハウスとは、複数の情報システムを中継し、様々な形式のデータを相互に利用できるようにするための仕組みのことで、クリアリングハウスを中継することによって、異なる形式のデータを一括して検索することが可能となります。また、データの重複を防ぐこともできます。

 多数事業者間接続協定に関する検討会において、昭和60年の電気通信分野における競争原理の導入以来、事業者間の相互接続の問題は常に課題とされてきました。一方で公正な競争を実現するための条件としてその条件やルールの在り方が、議論されることが多くありました。

 従来は1対1の2者間の問題として扱われることが多かった相互接続は新規参入の進展による電気通信事業者数の増加に伴い、多数者間の問題として複雑化が進んでいました。一般に接続問題は事業者間の利害相反に起因する者が多いが、接続協定の簡素化の問題は各事業者共通の要請として浮上してきました。

 当時接続協定は全ての事業者間で2社毎にメッシュ状に締結されていることが多く、事業者間の接続に関する契約内容である接続協定が当事者間で直接締結されなければ、事業者間の関係が不安定になるおそれがあると考えられたことが原因でした。

 その後1997年の電気通信事業法改正により、接続事業者に対して標準化された接続条件のメニューを提示する形の接続約款の枠組みからも提示されているが、実際に接続約款を設定していたのはNTT1社のみとなっていました。  

 これらのことから、接続形態の簡便さが一層の円滑化に資するとの観点から、接続協定数の削減から協定本数を減らす新しい協定締結形態の実現や、事業者ごとの記述の違いから生じる混乱を排除するために協定規定の整理・簡素化を進めることが議論されていました。 
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