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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その10(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応

・住宅その2

 国際的及び北米の慣行に基づいた2×4(ツーバイフォー)建築の評価試験方法が1998年12月に確立され公表されました。ツーバイフォー工法とは枠組壁工法の通称で、北アメリカの在来木造工法の一つであるプラットホーム方式を手本とし、これを日本向きに若干改良したものです。

 使用される基本材の断面が2インチ×4インチであることからツーバイフォーと呼ばれています。国土交通省の告示によれば「木材で組まれた枠組に構造用合板その他これに類するものを打ちつけた床及び壁により建築物を建築する工法」と定義されています。

 この工法では、従来の日本木造工法とは異なり、枠組面材の接合はほとんど釘打ちによって行うほか、耐風、耐震を考慮して多くの接合金物を用います。

 背景として1996年3月の日本の「輸入住宅計画」は、日本の住宅の品質改善とコスト削減を目指すものでした。その主な目標は、米国式ツーバイフォー工法の建築規制を迅速に改正し、この種の工法で使用される製品の市場アクセスを改善することにありました。

 また、「同等評価」といった手続きも含めて、外国の等級の認証を迅速化し拡大することや、性能に基づく建築規制を可能にするために、建築基準法を改正することが米国政府から求められていました。

 日本の「輸入住宅計画」に関して米国は、日本が1997年11月にバンクーバーで開催されたAPEC首脳会議で承認された木製建築資材の関税撤廃を実施すれば、この分野での競争をさらに刺激し、日本の消費者に利益をもたらすであろうと強調しました。

 米国はまた、日本が住宅建設や需要を刺激するための措置を取ることを奨励しました。住宅着工数の増加は、建築資材の需要を伸ばすだけでなく、家電製品や家具といった他の耐久財の需要にも好ましい影響を及ぼすことが多いことが挙げられます。

 二国間交渉の結果、数々の具体的な課題に関して進展が見られましたが(特に米国産木材の等級の認証について)、米国は、改革のペースが落ちていることを懸念しており、中でも日本が「共同現状報告」に述べられている新たなツーバイフォー工法に関する規制を発効させていないことを懸念されていました。

 そこで米国側からは、1998年12月1日までに、国際的および北米の慣行に基づいたツーバイフォー工法の試験方法や手続きを公表することや、これらの規制の現行の草案に含まれている試験基準、特に、日本独特の時おり見られる湿気に関する試験基準を改定し、既存の国際慣行に沿ったものとすることが求められていました。

 米国製材規格委員会(ALSC)及び米国西部木製品協会(WWPA)の認定マークは、機械応力等級格付材(MRS)については1998年2月に、構造用たてつぎ材(FJ)については1998年6月に、2×4建築に用いることができる資材として認定を受けました。

 アンダーライターズラボラトリー(UL)を各種防火材料の試験を行う試験機関として認定するために要求される技術者の訓練が1998年に完了しました。

 アンダーライターズラボラトリーは、「公共の安全」を基とした非営利機関として1894年に米国イリノイ州シカゴで設立されました。ULは製品安全規格を作成し、その規格に従い試験を行い、UL安全マークの使用を認める認証機関です。

 ULの設立は「科学的調査、研究、試験、検査により種々の製品・部品・材料・システムの使用が生命と財産に与える危険性を調査し認証を行い、これらの情報を公表すること。」を目的とされています。

 ULの設立は1893年にシカゴで行われた「コロンビア博覧会」での多量の電気使用の調査を依頼されたことに発しています。この調査のために保険業界は当時25歳の電気調査員ウィリアム・ヘンリー・メリルをボストンから呼び寄せ調査を依頼しました。

 この調査をきっかけにメリル氏は1894年に火災保険業者電気局をシカゴに設立しました。世の中に電気製品が普及するにつれ電気製品等からの火災や感電事故が増加してきました。

 ULはその都度各製品ごとにUL安全規格を作成し、提出された製品サンプルに対して試験を行い、最低年4回の工場検査を行うことによりULマークの使用を許可しています。

 ULは非営利の民間企業です。ULの運営はULに製品評価を依頼する申請費用、製造工場での工場検査費用、及びUL安全規格の書籍販売収入によります。ULの経営方針は14名の理事によって決定されます。

 この理事会は安全の専門家、消費者代表、保険業界代表、学識経験者、標準化専門から構成され、ULからは唯一社長のみが参加しています。この理事会には利害関係となるメーカー等の代表は含まれていません。

 ULの業務として、製品試験認証サービスがあります。UL安全規格またはその他の安全規格に従い製品・部品・材料・システムの試験および構造評価を行い規格に適合していることを確認し、更にULのフォローアップ工場検査での適合が確認された後にULマークの使用が許可されます。

 フォローアップ工場検査は最低年4回で、予告無しに行われます。ULマークには、主に最終製品に対するULリスティングマーク、部品材料に対するULレコグニションマーク、そして国際規格・海外規格適合を示すULクラシフィケーションマークがあります。
   ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典
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