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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その13(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応

・医療用具・医薬品その1

 日本は、急速に高齢化する人口に質の高い医療を確保すると同時に、医療費全般を抑制するという極めて厳しい課題に直面していました。

 米国政府は、規制撤廃を通じた市場主導型の革新と構造改革が、日本の医療費全般を抑制しながら医療の質を高める最良の方法であるとの信念に基づいて、提案を行いました。

 日本側は、より効果的で費用効率的な治療を患者にもたらすような新製品の導入を阻害することのないよう医薬品と医療用具の開発の重要性を認識しており、薬価制度の見直しに際しては、日本の公的医療保険制度の状況の下で、市場の役割を認識しつつ、米国の製造業者を含めた関係者と、薬価制度について引き続き研究するとしています。

 日本の公的医療保険制度は、国民皆保険制度を通じて世界最高レベルの平均寿命と保険医療水準を実現しています。厚生労働省は今後も現行の社会保険方式による国民皆保険を堅持し、国民の安全・安心な暮らしを保障していくことが必要としています。

 日本の国民皆保険制度の特徴として、国民全員を公的医療保険で保障していることや、医療機関を自由に選べる(フリーアクセス)、安い医療費で高度な医療、社会保険方式を基本としつつ、皆保険を維持するため、公費を投入することなどが挙げられます。

 安い医療費で高度な医療を提供するため高額療養費制度があり、家計に対する医療費の自己負担が過重なものとならないよう、月ごとの自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額を支給されます。

 また、高齢者医療制度では、国保と被用者(雇用者)保険の2本立てで国民皆保険を実現しているが、所得が高く医療費の低い現役世代は被用者保険に多く加入する一方、退職して所得が下がり医療費が高い高齢期になると国保に加入するといった構造的な課題があります。

 このため、高齢者医療を社会全体で支える観点に立って、75歳以上について現役世代からの支援金と公費で約9割を賄うとともに、65歳〜74歳について保険者間の財政調整を行う仕組みを設けています。

 旧老人保健制度において「若人と高齢者の費用負担関係が不明確」といった批判があったことを踏まえ、75歳以上を対象とする制度(後期高齢者医療制度)を設け、世代間の負担の明確化等を図っています。

 厚生労働省によると生涯にかかる医療費は約2300万円でそのうち半分は70歳以上で必要になり、一般的に収入が下がり病気がちとなる時期となっています。

 そのため、国民全員が加入する医療保険制度は、若い人が高齢者を支えることや、所得が高い人が少ない人を支え、また健康な人が病気の人を支えるという助け合いの仕組みでできています。

 日米の保険制度の違いとして、米国では公的医療保険制度は高齢者や所得の少ない人だけを対象としており、約7割の国民は民間の医療保険に加入しています。また、医療保険に加入していない国民も約13%にのぼります。

 米国は約3億人の人口なので、公的医療保険が適用されるのは約0.8億人で民間保険は約2億人、無保険者は約0.4億人となっています。

 医療の価格決定の仕組みは、日本が保険診療の価格は国が決定(個室等の料金として差額ベット代は病院が決定)しますが、米国では原則として病院が決定します。ただし、請求できる金額は保険により異なります。

 提供される医療サービスでは日本は入院、外来、薬剤費とも公的保険の対象となっており、患者が病院を自由に選べるのに対して、米国では公的医療保険は給付範囲に制限があり、歯科が対象外で外来・薬剤は任意加入になっています。

 また、民間保険は受診できる病院が規定されていることが多く、保険会社が「必要」と認めない医療は保障されず全額自己負担となっています。

 日本と米国の医療費比較をすると、米国の医療費は、日本に比べて非常に高額となっており、例えばマンハッタン区の医療費は同区外の2倍から3倍ともいわれています。

 一般の初診料は150ドルから300ドル、専門医を受診すると200ドルから500ドル、入院した場合は室料だけで1日約2千ドルから3千ドル程度の請求を受けます。処置・手術では、急性虫垂炎で入院・手術(1日入院)を受けた場合には、1万ドル以上が請求されており、歯科治療では、歯1本の治療につき約千ドルと言われています。

 日本で急性虫垂炎で入院手術した場合は、入院日数7日間で自己負担3割の場合、医療費約9万円と差額ベット代(全額自己負担)とその他費用で済みます。

 このように日本の公的医療保険制度では手厚く医療を受けられる一方、高齢者の割合が増加しているため労働者世代への税負担が深刻になってきています。

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