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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その27(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応

・エネルギーその3

 2003年の第三次電気事業制度改革では、供給システム改革による安定供給の確保、環境への適合やこれらの下での需要家選択肢の拡大という観点から、電気事業法が改正されました。

 改正電気事業法は2004年4月より一部施行され、小売自由化範囲が電気の契約容量が原則500kW以上の高圧需要家に拡大され、日本の販売電力量の約4割が自由化対象となりました。

 さらに、2005年4月からの全面施行により、小売自由化範囲は電気の契約容量が50kW以上の全ての高圧需要家にまで拡大され、日本の販売電力量の約6割が自由化対象となりました。

 また、送配電等業務支援機関として電力系統利用協議会が、私設・任意の卸電力取引市場として日本卸電力取引所が本格運用を開始しました。  

 電力系統利用協議会はその後2015年3月31日に解散しました。2015年4月1日以降は新設の電力広域的運営推進機関に引き継がれました。

 電力広域的運営推進機関は東日本大震災を契機に、電源の広域的な活用に必要な送配電網の整備を進めるとともに、全国規模で平常時・緊急時の需給調整機能を強化するため、第1弾の改正電気事業法に基づき、2015年4月、「電力広域的運営推進機関(広域機関)」が全ての電気事業者に加入義務のある認可法人として創設されました。

 さらに、第2弾の改正電気事業法に基づき、2016年4月、将来的な供給力不足が見込まれる場合に備えたセーフティネットとして、広域機関による電源入札制度を導入しました。

 広域機関は毎年度、需給バランス評価や需給変動リスク分析を行い、供給力不足が見込まれる場合等には、電源入札等の手段により電源を確保し、安定供給を維持するとしています。

 電力広域的運営推進機関の主な業務は、全国規模での短期的、中長期的な電力の安定供給の確保や、平常時・緊急時の需給調整機能の強化、電力系統の公平・公正かつ効率的利用の推進となっています。

 第四次電気事業制度改革は2008年に行われ、「安定供給」「環境適合」「競争・効率性」という三つの課題の同時達成、需要家の視点の重要性、日本型モデルの発展の追求という観点から、小売自由化範囲の拡大の是非、発電卸電力市場の競争環境の整備、などについて検討が行われました。

 競争環境整備については、卸電力取引所における時間前市場の具体的な設計が行われ、変動範囲内・外のインバランス料金について見直しを行い、全ての特定規模電気事業者でインバランス料金の負担が軽減されることとなりました。

 インバランス料金は電力の需要量と供給量を、30分間を1コマとしてリアルタイムに調整を行うことを目的としたもので、小売電気事業者には需要量と供給量がバランスしない場合にはインバランス料金として送配電事業者に支払う義務があります。

 託送供給料金制度における変更命令の発動基準に係る超過利潤累積額の上限の設定や、超過利潤の使途の明確化、連系線・FC(周波数変換装置)の投資インセンティブに係る事業報酬率の設定などが行われました。

 これは、会社間連系線等を建設・増強するには、その連系線の設置に伴い周辺の関連設備も建設・増設する必要があり、会社間連系線等に対する投資を実質的に促すためには、それら関連する設備についても報酬率の上乗せを行うことが適当とされた背景がありました。

 これら電気事業制度改革の成果として、2000年に特別高圧需要家への小売自由化が始まったことを受けて、電力小売に新規参入する企業(PPS)が現われました。

 また、電気料金の推移は、1995年の電気事業制度改革の開始以降、電気料金は低下し電灯・電力合計の料金単価は、1994年度から2008年度の間において、約2割の低下となりましたが、2008年度は燃料価格の大幅な高騰を背景に電気料金の上昇が見られました。

 その後2011年の東日本大震災以降、原子力発電の停止影響を補うための石油火力やLNG火力の発電量増加に伴い、値上げが相次ぎました。加えて、同時期における原油価格や連動するガス価格が高水準であったため、震災前の2010年度と2014年度を比較すると、電気料金は家庭向け・産業向けでそれぞれ25%増・38%増と大きく上昇しました。

 その後、米国でのシェール革命によって原油価格は下がり、電気料金も下降に転じましたが、IEA(国際エネルギー機関)の長期見通しでは、新興国のエネルギー需要が当面は当面は旺盛なことから、1バレルあたりの原油価格が2030~2040年に100ドルを超えると予想しています。

 日本政府は、自給率を高めて国際原油価格の動向に左右されにくい電源構成としていくとともに、2016年度に始まった電力小売りの全面自由化による事業者間の競争や、安全性最優先での原発の再稼働、再生エネルギーコストの低減などにより電気料金の抑制に取り組むとしています。
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