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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その33(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応

・独占禁止法及び競争政策その1

 公正取引委員会は、いわゆる「民民規制」に関し、実態調査を実施するとともに、独占禁止法違反に対して積極的に取り組みました。

 民民規制の定義は、「国の法令に基づく規制以外の、業界団体等による、あるいは民間事業者間における事業活動に対する規制であって、直接国民生活に、あるいは事業活動に与える影響を通じて間接的に国民生活に影響し、不利益を与えるもの」とされています。

 従って、業界団体等が、社会公共的な目的等に基づいて構成事業者の事業活動について自主的な基準・規約等を設定し、その利用・遵守を申し合わせるような活動が必ずしも民民規制ということではなく、こうした規制のうち、実態として、事業者間の競争を制限すること等を通じて、あるいは直接、国民生活に不利益をもたらしているものが「民民規制」であるとしています。

 例として、公的規制等が以前存在したか、現に存在する分野において、本来その規制が及んでいない分野にもかかわらず、規制があるとの誤解によるものとして、証券投資信託の団体が、販売証券会社と証券投資信託会社との間で締結された販売手数料の割引きを同団体会則により禁止し、末端価格を拘束することにより、消費者等の利益を損ねているという事例がありました。

 これは、同団体が、証券投資信託法により、投資者の保護を図るとともに、証券投資信託の健全な発展に資する唯一の自主規制団体とされていることもあり、こうした規制が正当であるとの誤解があるためと考えられます。なお、同団体は当該会則を改正し、販売手数料の割引禁止規定を廃止しました。

 このように、公的規制が及んでいないにもかかわらず、規制があるとの誤解による競争制限的行為と考えられる事例がみられました。

 民民規制を存在させる背景として、民民規制の存在には、個別事業法、独占禁止法の適用除外、行政指導等による公的規制等の存在、あるいはかつて存在したなど、公的部門が何らかの形で影響している場合が多くみられました。

 逆に、エッセンシャル・ファシリティの独占権を有する等により優越的な立場にある特定の企業等が存在する分野について、公正な競争を確保するための公的なルールがないために、民民規制が存在する場合もみられます。

 エッセンシャル・ファシリティとは、あるサービスを提供するために不可欠な施設等で、他の競争者が参入する際に容易に同等のものを用意できないものを指します。

 このような公的規制の存在等とともに、広く民民規制が行われてきたさらなる背景として、規制的行為に容易的な談合体質があることが指摘されていました。

 こうした談合体質は、従来の右肩上がりの経済成長を達成していた時代においては、「結果の平等」を実現する上で一定の役割を果たしていたものと考えられるが、一方では、コスト意識を希薄化させ、既得権者の保護や供給者の都合等を優先した競争制限的な行為が業界団体等によって行われやすい状況をつくってきたとみられます。

 情報開示が不徹底であった日本の経済社会のシステムもまた民民規制を温存するものとして寄与していました。本来、商品・サービスの供給サイドとこれを購入しようとする需要サイドとの間には、圧倒的な情報の非対称性が存在することから、両社が対等の取引を行うためには、こうした格差を是正する徹底した情報開示制度の整備が不可欠でした。

 しかしながら、当時の日本においては、情報開示制度等の整備は不十分な状況にあり、商品・サービスの情報を掌握している業界団体等が、結果的に国民生活に不利益となるような民民規制を行いやすい状況となっていました。

 また、業界団体等が、当初、消費者の安全、安心の確保を目的として実施してきた規制(いわゆる社会的規制)が、時代の変化とともにその必要性が希薄化したにもかかわらず、本来の目的から離れて不必要な民民規制として機能することも考えられました。

 こうした社会的規制を実施している業界団体等の中には、法律によって公認されている自主規制団体もあります。しかし、当該団体による規制についても、情報開示が不徹底な経済社会システムの下、団体の理事の全てまたは大多数が事実上当該業界から選出されること等により、自主規制機関としてのガバナンスの適正化が図られず、本来の目的である消費者保護等の社会公共性よりも業界の利益を優先した取り組みがなされ、結果として民民規制として機能しているものもありました。
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