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第2回日米規制緩和対話と日本側の対応その47(貿易摩擦シリーズ)

 第2回日米規制緩和対話と日本側の対応

 米国に対する日本政府の関心事項

・電気通信その2

 インテルサットへのアクセスとして、連邦通信委員会(FCC)は、米国におけるインテルサットへのダイレクトアクセスを認める適切な条件を考慮した規則制定案を発表しました。

 インテルサットは国際電気通信衛星機構のことで、通信衛星の開発や打ち上げ、運営を世界各国の共同事業として行う国際機関です。オリンピックや世界のニュースの配信などを行なっています。

 商務省電気通信情報庁(NTIA)は、州レベルの規制の問題に関する懸念を取り上げるための機会を日本に提供するためのプロセスを開始しました。

 日本側の要望では、州レベルの規制について、米国では、各州ごとの事業免許申請の手続やフォーマット、報告様式・内容等が統一されておらず、新たに参入する事業者にとっては過度の負担となっており、米国政府は、州ごとに異なる免許申請手続等による申請者の過度の負担を解消するために適切な措置を講ずるべきであるとしていました。

 また、ドメインネーム登録・管理の公正な競争環境として、".com""、".org"、".net"といった一般トップレベル・ドメインを持つドメインネームは国際的な共有財産であり、非営利の国際的な民間団体であるICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)による新たな管理体制により、公正な競争環境の下で登録・管理が行われるべきであるとしました。

 しかしながら米国のNSI(Network Solution Inc.)社は、ICANN管理体制下になく、実質的に支配的立場にありました、また、新たに登録業務を行う全ての登録事業者がNSI社のデータベースを共有して登録業務を行うためのシステムを利用する際、NSI社とのライセンス合意が必要でした。

 このことは、差別的行為に対するセーフガードが無い状況では、NSI社の支配的地位の濫用につながる恐れがあり、民間主導で設立された新たなICANN管理体制の下で、gTLDの登録・管理業務への公正な競争導入に向けて、米国政府は、NSI社の支配的地位の濫用を防止するセーフガードを設ける等、必要な措置を講ずるべきであるとしています。

 ICANNは1998年10月、ドメイン名、IPアドレスなどのインターネット基盤資源を、世界規模で管理・調整するために設立された、非営利公益法人で、本拠地は米国カリフォルニア州マリナ・デル・レイにあり、「カリフォルニア州非営利公益法人法」に基づいています。

 主な業務は、ドメイン名、IPアドレス、プロトコル・ポート番号、ルートサーバなどインターネットの基盤資源の世界規模での調整と、これらの技術的業務に関連する方針策定の調整です。

 ICANN設立以前は、米国政府の援助を受けつつも、基本的に技術者や研究者のボランティアから構成される、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)が、米国政府(国防総省)との契約に基づきインターネット資源を管理していました。

 1993年以降は、米国の民間企業であるNSI社が米国の政府機関である全米科学財団からの委託契約によって、「.com」、「.org」、「.net」のような分野別トップレベルドメイン(gTLD)の登録業務等を行っていました。

 また、「.jp」のような国別ドメイン名(ccTLD)はIANAから委任された各国・地域の運用者が、IPアドレスはIANA機能・権限を代理していたInterNICが、それぞれ管理を行っていました。

 1990年代後半、.comドメイン名の登録数の爆発的増加に見られるようにインターネットの社会的影響力が大きくなり、.comドメイン等の管理を行っていたNSI社に独占的という批判が高まり、また、gTLDをもっと増やすべきとの意見が強まるなど、インターネット資源の世界規模での調整をどのように行うかが問題となりました。

 これを受けて、複数関係者による活発な議論が行われ、新組織の設立へ向けた具体的な動きが始まりましたが、1998年1月に、米国政府が発表した「インターネットの名前及びアドレスの技術的管理の改善についての提案」(通称:グリーンペーパー)により、新組織設立に関する動きは中断しました。

 1998年6月、グリーンペーパーに対するコメントを反映させて、米国政府が「インターネットの名前及びアドレスの管理」(通称:ホワイトペーパー)を発表しました。

 ホワイトペーパーは、インターネットが米国政府による投資の下で成立したという主張は維持したものの、インターネットの伝統である民間主導・ボトムアップのプロセスを評価・尊重する内容となっていたため、新しい非営利法人を設立する方針へと議論が収束しました。

 1998年10月、ICANNが設立され、2000年2月、ICANN、南カルフォルニア大学、米国政府の三者が、IANAが行っていた各種資源のグローバルな管理の役割をICANNが引き継ぐことで合意しました。
その後、IANAは、ICANNにおける資源管理・調整機能の名称として使われています。

 ICANNは、設立時に、米国政府(商務省国家電気通信情報庁(NTIA))との間で締結した覚書に従って業務を実施しています。覚書には、一定の条件が整えばICANNにすべての管理権限が移譲されることが規定されています。

 2013年10月、ウルグアイで開かれた会議に出席したICANN、インターネット・エンジニアリング・タスクフォース(IETF)、インターネットアーキテクチャ委員会(IAB)、ワールドワイドウェブ・コンソーシアム(W3C)、インターネット・ソサエティのトップは、トップレベルドメインの地域登録機関のトップとともに、ICANN/IANAが担当している機能の国際化を加速していくことを目指す声明を発表しました。そこでは、米国商務省の監督を伴う米国主導の現行制度の変更を主張しています。

 2014年3月、NTIAはIANAの監督権を放棄し、現体制をICANNが創設する国際的なステークホルダーによる管理体制に移す方針を決定しました。

 この決定に対し、下院共和党は、抑圧的国家によるインターネットの締め付けを許すとの懸念を表明し、米国のインターネット監督権放棄の影響調査を義務付け、放棄を遅らせる法案を提出しました。

 同法案は、商務省予算案の修正条項として共和党が多数を占める下院で可決されましたが、上院の予算案審議で削除されました。共和党は依然として、IANA移譲に強く反対しています。
 
 米国政府とICANNの間で結ばれたIANAの運用委託契約は2015年9月30日の期限を前に、8月にNTIAによって1年延長されました。

 2016年に入っても共和党のテッド・クルーズ上院議員らは「言論の自由の保護」を理由として移譲に反対し続けたが、2016年9月末をもってICANNへの権限移譲が行われました。

 ただし、選挙機関中から移譲に反対していたドナルド・トランプ大統領が大統領選挙に勝利したことから、今後の見通しについては不透明となっています。
   ASCII.jpデジタル用語辞典
    をもとに作成
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