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第3回日米規制緩和対話と日本側の対応その4(貿易摩擦シリーズ)

 第3回日米規制緩和対話と日本側の対応

・電気通信その4

 郵政省は、減価償却率、入力値の選択及び価格や、ローカルループの原価算定の研究を含む「モデルケースA」の見直しに関する検討をしました。

 2001年度のトラフィックデータを用い、改訂されたLRICモデル(長期増分費用モデル)をアンバンドル(一つにまとめられた商品やサービスを細分化して個別の価格を付けて提供・販売すること)されたローカルループの料金設定の基礎として適用することや、更なる接続料引き下げを実施することについて検討していました。

 ローカルループとは、通信事業者の最寄りの電話局から利用者の建物までを結ぶ、電話回線の最後の部分のことで、電話回線だけでなく光ケーブルや無線LANなどの通信回線全般を指し、ラストワンマイルともいいます。

 ラストワンマイルの名称は、最寄りの基地局から利用者宅までの平均距離が1マイル(約1.6キロメートル)であることに由来しています。

 郵政省は、ノントラフィックセンシティブ(NTS)コストをどのように回収するかに関する研究を2000年中に開始し、NTSコストを当時の従量制接続料で回収すべきか否かについて検討をしていました。

 NTSコストは「集線機能の有無」に着目することと整理され、当時通話料で回収されていた設備のうちSLIC、き線点RT、き線点RT-GC間伝送路(モデル)がNTSコストと分類されました。

き線点遠隔収容装置(き線点RT)は、遠隔収容装置(RT: Remote Terminal)となる複数の銅線(電話、ISDN等)を光ファイバに多重化し、交換機に接続する装置を含んだもので、住宅、ビルの新規開発等、新たな需要に対応するためNTTビルから銅線を敷設する方法とコスト等を比較し導入されています。

 RT-GC間伝送路は光ファイバで通信を伝送する機能を持ったもので、SLIC(加入者ポート)は加入電話のメタル回線(0.35~0.9mm程度の銅線を使った通信ケーブル)をGC交換機に収容する機能や呼出信号の送出等の機能を持っています。

 NTSコストは通信量に依存しないコストで、本来的には、加入電話の基本料でまかなわれるべきコストですが、歴史的な経緯により、通話料(接続料)のコストに含められていました。

 2004年10月の情報通信審議会答申に基づき、固定電話の需要減による接続料の上昇が通話料の値上げにつながる事態を回避するため、2005年度以降、NTSコストを段階的に、通話料のコストから基本料のコストに付け替えることとなりました。

 地域通信市場における競争の一層の進展に加え、2005年度からNTSコストの基本料への付替えが開始されたことに伴い、2005年度のNTT東西のユニバーサルサービス収支は赤字(NTT東西合計で518億円)に転落し、2006年度からユニバーサルサービス制度が発動することとなりました。

 ユニバーサルサービス制度の創設の背景として、1985年に日本電信電話公社が民営化され、電気通信市場への参入が自由化され、民営化により誕生したNTTには、国民生活に不可欠な電話の役務をあまねく日本全国に安定的な供給を確保する責務が課されました。

 その後、地域通信市場における競争の進展により、NTTの経営努力のみでは電話役務の「あまねく」提供が確保できなくなるおそれがあるとされ、1996年2月の電気通信審議会答申では、「ユニバーサルサービス確保のための基金を設立するといった新たな制度」の検討の必要性が言及されました。

 2000年7月の電気通信審議会答申では、「ユニバーサルサービスの提供を確保するための新たな枠組みを早急に整備する必要がある」とされたことから、電気通信事業法等の関係法令の改正等が行われ、基金方式によるユニバーサルサービスの提供を確保するための新たな枠組みとして、ユニバーサルサービス制度が2002年6月から導入されました。

 しかし、ユニバーサルサービスのコストが収益を上回り、赤字となることが補填の前提でしたが、2004年度までは、赤字とはならなかったことから、制度は実際に稼働せず、補填はなされませんでした。

 その後補填額の算定方法が改正され、制度創設時は、「相殺型の収入費用方式」(不採算地域の赤字を採算地域の黒字で相殺し、相殺できない部分を補填額とする方式)でしたが、見直しにより、「ベンチマーク方式」(ある地域の回線あたりのコストが、全国平均費用の一定割合(ベンチマーク)を上回る場合に、そのコストを補填する方式)に変更されました。なお、ベンチマークは「全国平均費用+標準偏差の2倍」となっています。
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