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第3回日米規制緩和対話と日本側の対応その21(貿易摩擦シリーズ)

 第3回日米規制緩和対話と日本側の対応

・金融サービスその3

 金融会社(ノンバンク)の社債、CPの発行による調達資金の使途制限の撤廃を1999年5月20日に行いました。

 CP(コマーシャルペーパー)とは割引方式で発行される自由金利の無担保の約束手形のことです。企業や金融機関の短期資金調達手段の一つで、コマーシャル・ペーパー市場は日本銀行による市場操作手段の一つにもなっています。

 発行できるのは一定の信用力を有する企業であり、額面は1億円以上で発行期間は1年未満となっています。

 日本では1987年に発行が解禁され、1992年の証券取引法改正に伴う省令によって、新たに証券取引法上の有価証券に加えられました。

 販売相手は機関投資家にかぎられており、解禁以降、発行に際しては、銀行と証券会社を販売人(ディーラー)とする形態がとられていたが、1998年にディーラーを通さず、発行企業が機関投資家に直接発行するダイレクト発行も認められました。

 2002年に施行された、短期社債等の振替に関する法律により、コマーシャルペーパーのペーパーレス化が導入されて以降、急速に発展しました。

 預金等受入金融機関とノンバンクとは、与信制度上の基本的な相違点はないものの、ノンバンクは預金受け入れ業務を行っておらず、事実上借入金に限定されていることから、金融機関に比べ相対的に資金調達コストが高い状態にあります。

 ノンバンクを貸出分野別でみると、消費者金融分野では、即日融資や長い営業時間といった高い利便性を提供しており、それを重視する顧客層をつかんでいました。

 無担保の事業性金融では、業種別構成比に差があり金融機関との棲み分けは続いている一方、有担保では銀行が参入しにくい周辺分野が中心で、金融機関との競合がありました。

 公共性の観点から、効率性等に留意しつつ健全性維持のための最低限のルールを設け、当時の証券取引法の社債制度について社債・CPの資金使途制限を撤廃することが望まれていました。

 銀行・信託銀行の子会社や銀行・証券会社の業務範囲制限の完全撤廃や株式売買委託手数料の完全自由化、保険会社による銀行分野参入制限の撤廃が1999年10月1日に行われました。

 背景として、銀行や保険会社の「他業禁止」に係る規制については、本業以外の業務を営むことによる異種のリスクの混入を阻止することや、銀行業務または保険業務に専念することにより効率性を発揮すること、利益相反取引を防止することなどにその趣旨があるとされていました。

 こうした趣旨を踏まえて、金融システム改革法では、資産運用手段の充実や企業の資金調達の円滑化・多様化、多様なサービスの提供などとともに、本体業務の範囲と子会社・関連会社等の業務範囲が整理されました。

 免許制の下において銀行等の業務範囲に一定の制限が課されることについては理解できるものの、「他業禁止」に係る規制については、金融・情報通信技術の発展や金融業界の再編の流れに対応できないものとなっていないかという見地からの検討が必要であり、そうした見地から見直しを行うべきであるとしていました。

 株式売買委託手数料の完全自由化は、証券取引所が決めていた固定手数料制を廃止し、手数料の設定が自由化されました。インターネットを通じた売買では手数料が安くなるなど、証券会社が独自の方式で手数料を設定しています。そのため、ネット証券では売買手数料が安いため、個人投資家が増えるきっかけとなりました。

 銀行・証券・信託の業態別子会社の業務分野規制の撤廃への流れとして、1993年4月施行の金融制度改革関連法により、銀行、証券会社、信託銀行はそれぞれの業務に特化した子会社の設立を通じて、それぞれの業務に相互に参入することが認められました。

 しかしながら、新たに設立する子会社の業務範囲については、「激変緩和」を理由にいくつかの制限が課せられており、例えば、証券子会社の当初の業務範囲については、株式の発行と流通業務や転換社債券、新株引受権付社債券、新株引受権証券の流通業務、株価指数先物取引、株価指数オプション取引は除外されていました。

 また、信託銀行子会社の当初の業務範囲については、貸付信託や年金信託、合同金銭信託、特定金銭信託等が除外されていました。

 そうした背景があり、既存業者の既得権益を排除し、多様な参加者間の競争を促進する観点から、これらの業態別子会社の業務分野別規制については、完全に撤廃することが望まれていました。

 生・損保や保険業とその他金融業との相互参入については、1996年4月施行の新保険業法では、生命保険業と損害保険業の本体での兼営については従来どおり禁止されていましたが、子会社方式による生・損保相互参入が初めて認められました。

 しかしながら、第三分野への依存度の高い中小保険会社や外国保険会社の事業の健全性に配慮し、当分の間相互参入に際しては「必要な条件を付することができる。」とされていました。

 また、保険業務と銀行・証券等のその他金融業との相互参入については、1994年6月の保険審議会報告において「まず、子会社方式による生・損保の相互乗入れを含む保険制度の自由化を進めるとともに、その定着を見極めた後に子会社方式による他業態への進出も含めた制度改革が完了するよう、段階的に行うことが適当である」とされています。

 これらについても、既存業者の既得権益を排除し、多様な参加者間の競争を促進する観点から、改革を行い、まず、生・損保子会社の取扱保険商品については、第三分野も含めた生・損保それぞれに認められる全て(フルライン)を認め、保険商品販売の規制緩和や保険会社の資産運用と保険商品の設計規制の緩和が求められていました。
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