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第3回日米規制緩和対話と日本側の対応その34(貿易摩擦シリーズ)

 第3回日米規制緩和対話と日本側の対応

・流通その1

 日本政府に対する米国政府要望書では、流通システムは、近代市場経済において生産者と消費者を結びつける極めて重要な役割を果たしているとし、過度に煩雑な規制やその他の流通に関わる非効率性が、資源配分の大きな歪みを生み、経済コストを上昇させるとしています。

 また、流通分野における効率性向上と競争拡大は、価格を引き下げ、消費者の選択の幅を広げ、全体として消費者の暮らし向きを向上させるとしています。

 当時の外国製品が到着してからエンドユーザーの手に届くまでの日本における流通過程は、他の主要国と比較して割高であり、より多くの時間がかかっていました。

 割高な流通コストは、日本の物価が他国に比べはるかに高いことの主因となっており、輸入製品が港に到着してから実際に配送が開始されるまでに長い時間を要することは、発注時に国産品にするか外国品にするかを企業が判断する際に極めて重要な要素となりえます。

 これは、「ジャスト・イン・タイム」在庫方式を採用する企業にとって特にそうなっていました。ジャスト・イン・タイムとは「必要なものを、必要な量だけ、必要なときに」生産または調達する方法です。

 在庫コストの節減効果をねらったもので、元来はアメリカの航空機製造工場で第二次世界大戦時に採用されました。

 トヨタの「かんばん方式」は工場での作業指示と現場管理を「かんばん」と呼ばれる指示板を使用して行うことによって在庫圧縮をねらうものです。

 しかしこれが過度に進められた結果、時間待ちの部品納入トラックが交通渋滞を引き起こしているとの批判もあります。 

 この方式はコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの流通業界にも広がり、鮮度の低下などによる無駄を削減しつつ、多様化する顧客ニーズに適切に対応するために活用されています。

 米国要望書ではまた、日本貿易振興会(JETRO)が発表した報告書によれば、輸入製品が日本に到着してから税関より引き渡しを受けるのに要する時間は、海上輸送の場合、他のすべての調査対象国(米国、英国、ドイツ、フランス、オランダ)より3倍長く、航空輸送の場合は、1国を除く他の4カ国よりも長いことが指摘されていました。

 通関手続きを近代化し迅速化しようとする当時の日本の努力にもかかわらず、この報告書には、日本政府の手続きが他の主要国に比べ、依然として見劣りする多数の具体的分野が列挙されているとしました。

 さらなる努力が事前承認手続きのい実質的な有用性を改善することや、保税地域原則に密接に関連する非効率な貨物取扱いをなくすこと、情報技術の導入を迅速化すること、省庁間の調整を改善すること、終日配送の時代に対応するよう、通常の通関取扱時間帯を延長することなどが要望されました。

 米国政府は、日本政府が通関に要する時間を他の主要国並みにすることを目標とし、通関手続きの近代化と迅速化を引き続き進めるべきであると考えており、そのために日本政府に対し措置を講ずるべきであるとしています。

 日本政府は、貨物の日本への輸入手続のコストを削減し、その手続を迅速化するために種々の措置を採用してきました。

 臨時開庁承認の標準申告件数を、1時間当たり20件から60件に引き上げ、これにより、より多くの輸入申告を行う者は臨時開庁手数料負担を著しく削減することを可能としました。

 1999年10月、海上保安庁と関連する地方港湾当局との間で船舶の入出港届のための共通化された電子様式を導入しました。

 また、海上貨物通関情報処理システム(Sea-NACCS)を更改し、海上コンテナ貨物について、貨物の保税地域への搬入確認と同時に輸入許可の取得を可能としました。

 Sea-NACCSは、船舶の入出港手続きや海上貨物の通関手続きとこれに関連する民間業務をオンラインで一元的に処理するシステムです。

 保税地域とは、外国貨物がそこにある間は一定期間関税の徴収が猶予される地域のことで、輸入貨物の積卸しや検査などの便宜をはかるほか、中継貿易や加工貿易を促進するために設けられています。
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