記事一覧

第3回日米規制緩和対話と日本側の対応その43(貿易摩擦シリーズ)

 第3回日米規制緩和対話と日本側の対応

・法律サービスその1

 米国政府要望書では、日本における法律業務のインフラが、市場の自由化や規制撤廃によって創り出された機会を活用しようとする国内外の個人および企業のニーズに応え得るものであることが肝要であるとしています。

 もし日本が、日本における世界的に競争力のある法律業務分野の発展を引き続き阻害し、国内外の弁護士が依頼者に対し包括的なサービスを提供することを妨げ続けるならば、金融サービス分野をはじめとする日本の構造改革のプロセスは著しく阻害されることになるとしました。

 日本、外国双方の個人および企業は、国内および国際取り引きに対して完全に統合された国際的法律業務サービスを受けることができるようにする必要があるとしていました。 

 法律サービスに関する認識について日本政府は、国際金融センターにおいて適切な法律サービスが重要であることと、国際取引におけるニーズに応え得る法律サービスのインフラが十分かとの指摘があることを認識しているとしました。

 現行制度に関する意見交換では、日本政府は、更に改善すべき制度上の問題点の有無について検討するため、このセクションの第1項に記載された指摘にも適切に配慮しつつ、日弁連と外国法事務弁護士協会との意見交換を開始しました。

 日弁連とは日本弁護士連合会のことで、弁護士および弁護士会の指導や連絡、監督に関する事務を行うことを目的とする法人です。

 弁護士および弁護士会を会員とし、職務の一つとして、各弁護士会の行なった弁護士の登録の拒絶や取消しに対する不服申立てについての審査があります。

 外国法事務弁護士とは、外国における弁護士資格を持ち、日本国内で外国法に関する法律事務を扱うことを認められ、日本弁護士連合会の名簿に登録された者です。

 1986年の「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法」によって規律され、外国法に関する法的サービスの質量を向上させ、市民および企業の渉外(ある法律事項が、国内だけでなく外国にも関係すること)的法律関係の円滑化を測ることを任務としています。

 また、日本の弁護士が外国において法律事務を扱えるようにするための前提条件としても不可欠の制度となっています。

 1994年の法改正により、相互主義関係や共同事業関係の規制緩和がなされ、さらに1998年の改正で職務経験要件が緩和され、職務範囲の拡充等がなされました。

 2003年の改正では、司法制度改革の一環として、弁護士と外国法事務弁護士との提携や協働が勧められ、外国法事務弁護士による弁護士の雇用禁止規定の削除等が行われました。  

 法曹人口の増加として、日本政府は、司法試験の合格者を増やすのに必要な措置を講じ、その結果、合格者数が1999年度から1,000人程度へ増加しました。

 さらに、日本政府は、「規制緩和推進3か年計画(改定)」(1999年3月30日閣議決定)において取り上げられているとおり、司法試験合格者の1,500人程度への増加につき、現在調査・検討を進めているところであるとしました。

 また、司法制度改革審議会においても、司法試験合格者の適正な増加の必要性を認識しているとしています。

 司法制度改革審議会とは、司法制度の改革・基盤整備に関する基本的施策について調査・審議する目的で、1999年7月から2001年7月まで内閣に設置された審議会のことです。

 裁判員制度の導入や法科大学院・知的財産高等裁判所の設置や、行政事件訴訟法などの改正、裁判外紛争解決手続の拡充、司法試験改革など幅広く提言を行いました。

 また、同審議会の提言に基づいて総合法律支援法が成立し、日本司法支援センター(法テラス)が設置されました。

 知的財産高等裁判所は知的財産についての訴訟を専門的に扱う裁判所のことで、特許庁の下した審決に対する不服申し立ての第一審や特許権、実用新案権、著作権などの民事訴訟の控訴などを担当しています。

 1950年設置の東京高等裁判所第五特別部に始まり、2005年に知的財産高等裁判所通常部、特別部として新発足し、通称知財高裁と呼ばれています。

 行政事件訴訟法とは、行政事件訴訟特例法に代わって制定されました。現在の日本では、司法裁判所が行政訴訟を裁判しますが、特定の個人の権利利益のみならず広く公益にも関係するという行政訴訟の特質を考慮して、行政訴訟に関する基本的事項を定めています。

 そして、この法律に定めがない事項については民事訴訟の例によるとして、民事訴訟法が準用されることとしています。

 行政訴訟として、公告訴訟や当事者訴訟、民衆訴訟、機関訴訟の四つをあげ、特に抗告訴訟のうちの取消し訴訟を中心に手続を定めています。

 抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟のことで、行政事件訴訟法は、処分の取り消しの訴えや、裁決の取消しの訴え、無効等確認の訴えおよび不作為の違法確認の4つを規制し(これを法廷抗告訴訟という)、特に前2者(これを取消し訴訟という)を基本的なものとしました。

 抗告訴訟の種類がこれだけに限られるかどうかについては、具体的にどのような訴訟形態になるかは別として、なおこれ以外にも認められるとするのが一般であるとしています(これを無名抗告訴訟という)。

 裁判外紛争解決手続とは調停・仲裁・斡旋など、訴訟を起こさずに中立的な第三者が介入して紛争を解決する方法のことで、裁判所による民事調停や弁護士会・業界団体による解決策の提案などを行なっており、通称裁判外紛争処理や代替的紛争解決、ADR(alternative dispute resolution)。

 日本司法支援センターとは、総合法律支援業務を迅速かつ適切に行う法人のことで、全国どこでも法的紛争解決に必要な情報やサービスを受けることができる社会の実現を目指し、総合法律支援法に基づいて2006年に設立されました。

 愛称は法テラスと呼ばれ、独立行政法人に準じる枠組で組織・運営され、東京に本部を置き、全国の地方裁判所本庁の所在地50カ所のほか大都市や弁護士過疎地などにも地方事務所を置いています。

 弁護士会や地方公共団体の相談窓口などの関係機関と連携協力しながら、法的紛争解決のための制度利用や法的サービスを提供する機関に関する情報・資料の提供、裁判費用の立て替えや無料法律相談などの民事法律扶助、被疑者段階からの国選弁護人選任などの公的刑事弁護の態勢整備、司法過疎地域における法的サービスの提供、犯罪被害者の支援業務、少年保護事件添付援助、難民認定法律援助の委託援助業務などを行なっています。

 こられのうち一部の業務は、各類型に応じて日本司法支援センターの雇用する弁護士または契約している開業弁護士あるいは両者によって行われています。

 ただし、弁護士の職務の特性に配慮しその独立性を確保するため、法曹三者と有識者からなる審査委員会を設置し、契約弁護士に対して契約上の措置をとる場合などにはその議決を得なければならないとしています。
   ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
    百科事典マイペディア(平凡社)
    デジタル大辞泉(小学館)
    をもとに作成
関連記事


コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Air130

Author:Air130

おすすめチャートツールのご紹介

 

業界最多レベル、 84通貨ペアでグローバルFX!

 

楽天西友ネットスーパー

お勧めワインショップ

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

食事での糖質が気になる方へ

免責事項

※投資は自己責任です。          当ブログは個人的見解を掲載してるものであり、売買を推奨するものではありません。

来場者