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第3回日米規制緩和対話と日本側の対応その53(貿易摩擦シリーズ)

 第3回日米規制緩和対話と日本側の対応

 米国政府によってとられた規制緩和及びその他の措置

・規制緩和・競争政策およびその他措置その5

 調達に関する規則として、連邦バイ・アメリカン法と同趣旨の地方政府法令について、米国政府は、バイ・アメリカン規定の問題が日本政府にとって重要であることを認識し、この分野において引き続き日本政府と対話を行うとしました。

 連邦バイ・アメリカン法は、連邦バイ・アメリカンの基本法である1933 年バイ・アメリカン法において、原則として、連邦政府が物資の購入契約または公共建設の委託契約を締結する場合に、 米国製品の購入や米国製資材の使用を連邦政府に義務づけるものです。(「米国製品」、「米国資材」 とは、米国産品の比率が50%以上であるものをいいます。 

 また、米国製であるか否かは生産地によって判断され、生産者とその所有者の国籍は無関係となっています。ただし、公共の利益に反する場合、米国製品価格が外国製品より6%以上高く当該米国製品を調達することが「不合理」とされる場合、当該製品が米国内で入手不可能な場合等は、上記バイ・アメリカン法の適用除外となると規定しています。

 バイ・アメリカン法は、手続的な透明性は確保されているものの、明示的な内外差別の規定を設け ており、連邦政府の調達の基本政策として、国産品優先の原則を掲げるものであるとしています。

 バイ・アメリカン法は、1979年通商協定法により、旧政府調達協定加入国に対しては内国民待遇が供与されるよう修正されたほか、手続の透明性の確保等の面でも協定との整合性が確保され、更にウルグアイ・ラウンド実施法により、大統領は、政府調達協定参加国であり、米国産品、米国企業に適 切な相互主義的調達機会を付与している国に対しては、バイ・アメリカン法の適用を控えることができる旨の修正規定が設けられています。しかし、協定未加入国と協定非対象分野においては、基本的に変更されていません。

 2009年12 月には、1933年バイ・アメリカン法における米国産品の調達義務免除のための要件を厳格化する規定を含むバイ・アメリカン改善法案(H.R.4351)が上下院に提出されたが、成立しませんでした。

 成立されなかったバイ・アメリカン改善法案は、2013年度までに、連邦政府機関が特定の議会委員会に米国外の製品を製造する事業体からの買収額を報告する要件を延長することや、行政機関や立法機関、司法機関にそのような法律を適用することを求めました。

 また、国内の部品のコストが全ての部品の総コストの75%を超える場合、米国で採掘や生産、または製造された物品から実質的にすべて、米国で製造された物品を扱うよう要求することとしていました。

 さらに、連邦政府機関の決定に際する禁止事項として、バイ・アメリカンの要件の対象となる契約の締結は、そのような募集通知の公開後に公開されることは公益ではないことや、米国で製造された製品を取得する費用は、かかる取得により計画全体の費用が25%を超えない限り不合理であることとしました。

 米国政府は、鉄道車輌調達の問題に関して日本政府と日本の産業界代表と会合を持ち意見交換を行う用意があるとしました。

 自動車ラベリング法では、米国政府は、日本政府の要望に基づき、運用措置の改定を含む自動車ラベリング法プログラムに関する追加的な意見交換を行うとし、こうした意見交換において、米国政府は日本政府の意見を考慮に入れるとしています。

 また、要望に基づき、米国政府は、運用措置の改定を含む自動車ラベリング法プログラムに関して、利害関係者と会見し、意見交換を行うための意味のある機会を設ける。

 米国の自動車ラベリング法(American Automobile Labeling Act)は、1992年10月に成立した「自動車に関する情報及びコスト節減法第210条」によって定められたもので、米国で販売される乗用車・軽トラックの国産比率(米国及びカナダにおける付加価値率)表示のラベル貼付を義務づけるものです。

 具体的には、米国、カナダ製部品の調達率(車種別)や最終的に組み立てられた国、州、都市名、米国、カナダ以外に15%以上の部品を調達した国がある場合は、上位2か国の国名と調達率、エンジン及びトランスミッションの原産国(付加価値50%以上若しくは最大の付加価値を占める国)がラベルに表示されねばならないとしています。

 本法律は1994年10月1日から施行され、違反した場合には1台当たり1,000ドルの罰金が課されることとされています。

 国際ルール上の問題点として、本制度の目的は、自動車価額の何%が米国、カナダ内で生産されているかを消費者に知らせ、よりよい購入の決定に役立てることと説明されていますが、実際上は国産品愛好を暗に働きかける一種のバイ・アメリカン条項とみなすことができるとしています。

 本法は、米・加製部品以外の使用が多い外国系メーカーや輸入者ディーラーにとって部品比率計算に伴う膨大な記録事務負担を強いることからみても、貿易に不必要な障害となっており、TBT協定第 2.1 条及び第2.2 条違反の可能性があるとしました。

 TBT協定とはWTO協定の付属書に含まれる協定の一つで、各国が独自に定める規格や認証制度が、外国製品の流通を不必要に妨げないようにするために、国際規格に基づいて国内規格を策定することや、規格策定の透明性を確保することなどを定めています。

 2001年1月、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration, NHTSA)は、公表した同法の運用の効果を評価した報告書を発表しました。

 同報告書(2001年1月)によれば、75%以上の消費者が同法によるラベルの存在を知らず、米国・カナダ製部品の比率の情報を活用している消費者は一人もいなかったとしています。

 2004年3月にこれをうけ、米国に進出する外国自動車メーカーで組織する国際自動車製造連盟 (AIAM)は、2004年3月、ラベルのルールは、 消費者のよりよい購入の決定に役立っていないことや、消費者のラベルへの関心は低いとして、廃止が望ましい旨を主張するレポートを米国議会に提出しました。その後も、日本の自動車業界や他国のメーカーも含めた団体も同法の廃止を求めてきています。  

 日本側は、2011年の日米経済調和対話においても議題に取り上げると共に、同法の目的の達成状況・評価を確認し、消費者のニーズ・効果が明らかとなっていないのであれば同法が見直され、廃止されることを求めました。

 しかしながら米国は、2001年のNHTSAによる報告書以降、更なる分析・評価は行っていないと回答するに留まっています。
   デジタル大辞泉(小学館)
    をもとに作成
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