記事一覧

第4回日米規制緩和対話と日本側の対応その2(貿易摩擦シリーズ)

 第4回日米規制緩和対話と日本側の対応

・電気通信その2

 2001年に、総務省は、情報通信審議会に諮ることにより、改正されたNTT法第2条第5項に基づきNTT東日本/西日本が業務範囲拡大の認可を受けるための競争条件を明らかにしたガイドラインを作成するとしました。

 また、新たな、競争中立的なユニバーサルサービス基金の仕組みの下で、適格電気通信事業者は、ユニバーサルサービス(加入電話、公衆電話と緊急通報)の提供コストの一部を補てんするためユニバーサルサービス交付金の交付を受けることが可能になりました。

 ユニバーサルサービスの提供コストは、長期増分費用(LRIC)方式に基づくコスト算定方式により決定されます。

 長期増分費用方式とは、実際の費用発生額によらず、地域通信網を現時点で利用可能な最も低廉で効率的な設備と技術で再構築した場合の費用に基づいて接続料原価を算定する方式です。

 全ての第一種と特別第二種事業者は、協定や約款の届出によりより柔軟に卸電気通信役務を提供できるようになり、届出事項は関連省令に規定されています。

 特別第二種事業者とは、通信事業者のうち、電気通信事業法によって定められた一定の規模を超えて不特定多数のユーザーに通信サービスを提供するもので、大手のインターネットサービスプロバイダ―などがこれに当たり、営業には総務大臣による認可が必要であり、管理責任などの厳しい条件が求められます。

 相互接続として、総務省は、NTT東日本・西日本から認可申請のあった、電話・ISDNの提供等に用いる機能についての2000年度から2002年度までのLRIC方式による接続料の改定について、2001年2月に認可しました。

 この結果、例として、2000年度に比較して、2001年度の公衆網の接続料は、7.1パーセ ント(GC接続、180秒)-23.1パーセント(ZC接続、180秒)低下しました。

 また、当時のISM交換機能(より小規模な128kb/s回線利用型)の接続料について、総務省は、NTT東日本・西日本からの2000年度から2002年度の3年間で段階的に廃止するとの認可申請を、2001年2月に認可し、これにより、ISDNと公衆網の接続料の間の格差が消滅するとしました。

 総務省は、1997年3月から1999年9月まで開催された長期増分費用モデル研究会の報告書と2000年2月の電気通信審議会答申「接続料算定の在り方について」において指摘されている見直し事項等について、2000年9月に 長期増分費用モデル研究会を再設置し、長期増分費用モデルの見直しについて検討を開始しました。

 検討される事項には、減価償却率や、入力値の選択と価格、ローカルループの原価算定、NTSコストの範囲が含まれるとしています。

 ローカルループとは、通信事業者の最寄りの電話局から利用者の建物までを結ぶ、電話回線の最後の部分で、現在は電話回線だけでなく光ケーブルや無線LANなどの通信回線全般を指し、ラストワンマイルともいいます。

 長期増分費用とは、字義のとおり、「長期」の「増分費用」を意味します。「増分費用」とは、財・サービスの追加的な生産・提供によって直接に生じる費用をいいます。

 また、「長期」とは、特定の年数を指すものではなく、「設備(資本ストック)の量を完全に調整可能な期間」を意味します。長期増分費用とは、増分費用の計算を、現在利用中の設備や技術を与件とせず、「現時点で利用可能な最も効率的な設備や技術を利用する」(forward looking)と想定して行った値であるとしています。

 「長期増分費用方式」を「事業者のネットワークの費用を、実際の費用発生額(ヒストリカル・コスト)ではなく、 現在と同じ加入者数規模とトラヒックに対する処理能力を備えたネットワークを現時点で利用可能な最も低廉で最も効率的な設備と技術で新たに構築した場合の費用額(フォワード・ルッキング・コスト)に基づいて計算する方式」と定義することとされました。

 また、この定義を踏まえて、現実のネットワーク設備の使用年数や運営の効率性に左右されない費用算定を行うための標準的な技術モデルの見直しを行うこととし、この際、英米モデルと同様に本モデルでは増分費用に合わせて合理的な共通費用の算定も行うものとするとしています。

 設備・技術に関する想定外国モデルの考え方を踏まえ、モデルで提示されるネットワークは、現時点で利用可能な最も低廉で最も効率的な設備や技術を採用するものとされ、これら設備・技術は実際の指定電気通信設備に使用されているものに限定せず、信頼性のあるコスト把握が可能な範囲で、少なくとも内外有力事業者で現に採用されている例が稀ではない設備・技術が検討対象となるとしました。

 また、客観的データの活用として基本的には国勢調査や、事業所・企業統計調査等の公的、客観的なデータを可能な限り採用するとし、事業者等の実績データに基づく検討が必要な場合においても、特定の事業者やメーカのデータのみに立脚することを可能な限り避け、複数のデータを総合的に勘案するとしています。

 一方、投資額に関するモデルの入力値については、信頼性のある入手可能な直近の再調達価額データを基に決定されます。

 関係法令との整合モデルは、技術関係法令、接続関連法令等の現状の日本の規制・政策と整合性のとれたものとされ、例えば、モデルで想定するネットワーク構成は、事業用電気通信設備規則の伝送路や予備機器の設置等に関する規定を踏まえたものとし、当時の指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則(現在の接続料規則)で規定されているアンバンドル要素単位の接続料原価をモデルとして算定可能とするとしました。

 アンバンドルは発送電分離のことで、電力会社の発電部門と送配電部門の事業を分離し、送配電事業の中立・公平性を高め、新規事業者の参入を促すのが目的で、会計分離や、機能分離、法的分離、所有権分離などの形態があります。日本では、2020年4月から、大手電力会社の発電部門と送配電部門が別会社化されます。

 外国モデルとの整合性・独自性について英国、米国等の諸外国モデルとの整合性を可能な限り確保すると同時に、地理的条件等における日本の独自性を適切に考慮するとしました。

 例えば、前述した利用可能な設備・技術等の基本概念や、モデルの基本的な構成等は外国モデルの考え方と整合性のとれたものとするとし、その一方では、地形、需要分布、災害対策の必要性等日本の独自性を考慮するとしています。
    デジタル大辞泉(小学館)
   ASCII.jpデジタル用語辞典
   デジタル大辞泉
   をもとに作成
関連記事


コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Air130

Author:Air130

おすすめチャートツールのご紹介

 

業界最多レベル、 84通貨ペアでグローバルFX!

 

楽天西友ネットスーパー

お勧めワインショップ

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

食事での糖質が気になる方へ

免責事項

※投資は自己責任です。          当ブログは個人的見解を掲載してるものであり、売買を推奨するものではありません。

来場者