第4回日米規制緩和対話と日本側の対応その12(貿易摩擦シリーズ)
- 2020/02/25
- 06:44
第4回日米規制緩和対話と日本側の対応
・エネルギーその1
米国政府は、電力とガス市場の自由化に向けて日本政府がすでに取ってきた措置を歓迎するとし、エネルギー分野において真の競争が確立されれば、電力コストを削減し革新を奨励することで、経済の成長と効率の向上を図るという日本の目標達成が可能となるとしています。
また、競争的環境を整備することは、日本政府が計画している天然ガスの使用増加を促し、エネルギー源の多様化にも資するため、エネルギーの安定的供給という日本の目標を推進することになるとしました。
しかしながら、日本がこれまで取ってきた措置が、こうした目標達成には不十分であることは明らかであるとし、米国は、エネルギー分野の卸売り・小売り両部門における競争的環境を促進するため、
日本政府が、より大胆な措置を取るよう求めました。
こうした措置には電力託送や配電およびガス・ターミナルとパイプラインに対する公正で透明性のある非差別的なアクセスを確保することが含まれるとしています。
米国政府が日本政府に求める電力・ガス両分野における改革は、日本がすでに進めている広範な改革を補完するものであり、日本のエネルギー分野の自由化は、電力コストを国際的に競争力があるレベルまで削減し、
一般消費者用・業務用のコスト削減を可能にすることによって、小泉首相が目指す改革の中心分野の1つである「都市再生」に貢献するとしました。
電力コストの削減はまた、日本の産業が競争力を高めるためにも有効であり、世界が不透明な状況にある中で、経済の成長と安定的なエネルギーの供給を確保するため、米国政府は日本に対し、電力・ガス両分野ですでに進んでいる改革を完全に実施し、さらなる自由化を促進することを求めるとしています。
また、独立した規制機関の設置として米政府はこれまで、日本の電気・ガス業界に関する経済産業省の独立した規制権限を強化するための明確な規定を持つことを提言してきたとし、日本政府は、「関連する重要条項」を設定して、経済産業省の電気市場整備課とガス市場整備課がエネルギー分野の規制に関して(十分な職員を配置することなどを含み)独立した規制権限を持つことを確実にしようと決意をしているとしました。
これを支持するため、米国政府は、独立性を確保し高めるために現行および経済産業省が将来策定する規定を、経済産業省が明確にし、公表することを奨励しています。
エネルギー分野の自由化について日米両政府は、日本のエネルギー分野の一層の規制改革についての進展と計画について、また、米国において現在進行中の同分野の再編について意見交換を行いました。
両政府は、日本の目指す効率的、合理的でより低廉なエネルギー供給の実現をもたらすことにより競争的なエネルギー市場の実現のための措置について議論し、これらの措置は、公共の福祉やエネルギー安全保障、環境について与える影響を考慮するものであるとしています。
日米政府は、規制改革によって得られる便益や安定供給へのリスクを含め諸外国の事例から得られる教訓を注意深く考察する必要を認識し、上記措置が思慮深く推進される必要があるという点で認識が一致しました。
これらの共通の見解に基づき、日本政府はエネルギー分野における規制改革を実行しており、また今後も実行し続けるとしています。
規制主体について2001年1月より、資源エネルギー庁の中に新しく電力市場整備課が設けられ、日本の電力市場の規制に対し責任を有することとなりました。
日本政府はこの新しい部署が電力規制に関し効果的で独立した権限を有するよう、引き続き措置を講ずるとしています。
具体的な措置については、送電線網への公正で開かれたアクセスを促進すべく、電力市場整備課と公正取引委員会が協力することを確保することや、従前の組織よりも多くの人員を配置された電力市場整備課において、適切な専門性をもった人材や資源を確保すること、電力市場整備課の独立性を適切な規定により維持するとしました。
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