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第4回日米規制緩和対話と日本側の対応その26(貿易摩擦シリーズ)

 第4回日米規制緩和対話と日本側の対応

・法制度及び法律サービスのインフラ改革その1

 米国政府は日本の経済回復と経済構造の再編を促進するには、日本が、国際ビジネスと国際投資に資する、また規制改革や構造改革を支援する法的環境を整備することが極めて重要であるとしています。

 日本の法制度は、商取引を促進し紛争を迅速に解決し、日本における国際的法律サービスの需要に応えられるものでなければならないとし、こうした課題に対処するため、日本は、法制度が容易に利用でき、また迅速かつ効率的に機能するよう、抜本的な改革を行う必要があるとしました。

 米国政府は、日本がすでに多くの重要な法制度の改革に着手していることを認識しており、司法制度改革審議会は、「司法制度改革審議会意見書‐21世紀の日本を支える司法制度」と題する意見書の中で、司法制度の改善に向けて多くの重要な提言を行っているとしています。

 日本政府にとって重要なことは、効果的な法律案を迅速に準備し成立させることで、こうした提言内容を実行するための断固たる措置を取ることであるとし、米国政府は、日本政府が、この目的のために司法制度改革本部を設置し、司法制度の見直しを規制改革の優先課題の1つとして 取り上げることで、そうしたプロセスを開始したことを認識するとしました。

 提携の自由化について日本弁護士と外国弁護士間の提携の自由に関するすべての制限を撤廃し、弁護士自身が提携の形態を決定することを可能にすることや、外国弁護士に課せられている規制について外国弁護士による日本弁護士の雇用を認めること、第三国の法律に関する助言の提供に関して、外国弁護士の処遇を日本弁護士と同様にすることなどが提言されました。

 また、外国弁護士に よる専門職法人、有限責任パートナーシップ(LLP)、有限責任法人などの設立を許可することや、外国弁護士に係わる規制制度の改善として外国弁護士に影響を与える規則の制定および実施に関して、外国弁護士がその検討プロセスに参加できる機会を確保すること、外国弁護士の登録までの時間を短縮することを要望しました。

 さらに、司法制度改革審議会の意見書の実施として法曹人口の増加や、仲裁法の改正、民事訴訟の審理の迅速化と効率化、司法による行政機関の監視、そして、民事訴訟費用の引き下げといった司法制度改革審議会の意見書を迅速に実施すること、日本の司法制度の改善として司法制度の改善に向けて、証拠収集方法の改善、裁判の審理過程での企業秘密の保護強化、代理人と依頼人の基本的権利の明確化、司法による救済の更なる効率化、司法手続に係る透明性の改善などの追加的措置を講じることとしています。

 仲裁とは紛争当事者が合意により、紛争についての判断を正規の裁判所にではなく、第三者である私人または機関にゆだね、その判断に服することによって紛争を解決する方法をいいます。

 民事訴訟上の仲裁では民事訴訟法第8編に規定されていたが1996年の改正で「公示催告手続及び仲裁手続に関する法律」に移管されました。

 当事者の合意がなければ成立しないが、正規の裁判では裁判機関が定まっているのに対し、仲裁では当事者が仲裁人を選定するので、双方に妥当な解決を期待できるという利点があります。

 労働法上の仲裁では、一般私企業における仲裁は、関係当事者の双方から労働委員会に申請されたとき、または労働契約に基づいて当事者の双方または一方から申請があったとき、労働委員会の中に設けられている仲裁委員会が行ないます(労働関係調整法)。

 いずれの場合も両当事者の合意を基礎にしており、公共部門を除けば強制仲裁は行われません。なお、仲裁裁定は労働協約と同等の効力を持っています。

 国際法上の仲裁では、当事国間の紛争をその選任した第三者の判断によって解決することで、第三者を当事国で選ぶ点で国際司法裁判と異なり、その判断が拘束力をもつ点で国際調停と異なります。

 法制度及び法律サービスのインフラ改革として、司法制度改革審議会について日本政府は、21世紀の日本社会において司法が果たすべき役割を明らかにし、司法制度の改革と基盤の整備に関し必要な基本的施策について調査審議するため、1999年7月、内閣に司法制度改革審議会を設置しました。

 同審議会は、2000年11月の中間報告の公表を経て、2001年6月12日、その意見を取りまとめ、内閣に提出しました。

 この意見においては、国民の期待に応える司法制度の構築や司法制度を支える法曹の在り方、国民的基盤の確立を三つの柱として掲げ、司法制度改革に関する広汎な提言を行っているとしました。

 また、法律サービスについては日本弁護士と外国法事務弁護士との提携・協働に関し日本政府は、国際的な法律サービスに対する需要が日本国内において著しく増加していることや、国際ビジネスのニーズを満たすことができるだけの法律サ ービスの十分な基盤について懸念が表明されてきたことを認めるとしています。

 日本政府は、弁護士と外国法事務弁護士の提携・協働を更に推進することの重要性を認めるとし、弁護士と外国法事務弁護士の提携に関して、司法制度改革審議会はその最終意見の中で勧告を行いました。

 勧告の内容は、日本政府は弁護士と外国法事務弁護士との提携・協働を更に推進する見地から特定共同事業に関する要件を緩和すべきであることや、外国法事務弁護士による日本弁護士の雇用を禁止する規制の見直しに関しては、日本政府は国際的議論の動向を考慮しつつ、将来の課題として引き続き検討すべきであるとしました。

 また、司法制度改革の推進体制については司法制度改革実現のための方策の具体化を検討し、3年以内を目途に関連法案の成立を目指すなど所要の措置を講ずるため、日本政府は内閣の下への司法制度改革の推進体制の設置を準備しているとし、司法制度改革審議会意見書では司法制度改革審議会はその最終意見において、日本政府に対し、21世紀の日本社会における司法のニーズに応えるための必要な措置を取るべきとしており、日本政府はこれらの提言を実現するための施策を早期に行うこととしています。

  さらに提言の中には法曹人口の増加について現行司法試験合格者数の増加に直ちに着手し、2004年には合格者数の年間1500人達成を目指すことや、法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況を見定めながら、2010年頃までには新司法試験の合格者数の年間3000人達成を目指すべきであるといった内容が含まれました。
   ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
   をもとに作成
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