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第4回日米規制緩和対話と日本側の対応その27(貿易摩擦シリーズ)

 第4回日米規制緩和対話と日本側の対応

・法制度及び法律サービスのインフラ改革その2

 米国政府は法律サービスについて弁護士と外弁間の提携の自由化として日本の国際法律サービス分野における最も重大な構造的欠陥は、日本弁護士(弁護士)と外国法事務弁護士(外弁)の提携関係に課せられた厳格な制限であるとしました。

 米国は、日本政府に対して、弁護士と外弁間の提携の自由化に対するすべての禁止事項を撤廃するために必要なすべての措置を取ること、また対等の法務専門職として、弁護士と外弁が提携の形態を彼ら自身が決定することを認めることを強く要望するとしています。

 改革の根幹をなす原則は、弁護士・外弁間および外弁相互による制限を設けない提携の自由化であるとし、これは、他の先進国ではすでに認められており、さらに、米国が日本政府に対して要望するのは、追加的な変更が施された特定共同事業(合弁企業)制度のもとで試行錯誤することではなく、上記の要望にある完全な規制の撤廃であるとし、特定共同事業制度は、創設されて以来6年が経過した現在においても、弁護士と外弁間の効果的なチーム・ワークに必要な枠組みを提供していないとしています。

 外弁に課せられている規制の撤廃について米国は日本政府に対して、外弁に課せられた差別的な規制を撤廃し、外弁と弁護士に対等の処遇を与えることを要望するとし、特に、米国が日本政府に対して検討を要望する規制条項を提示しました。

 日本の弁護士による外国弁護士の雇用が認められているように、外弁による弁護士の雇用も認め ることや、第三国法(日本あるいは当該外弁の登録国以外の国の法律)に関する法律的助言の提供に関して、 外弁に課せられている差別的取り扱いを撤廃すること、米国は日本政府に対して、外弁として登録するために必要な職務経験要件について、現行認めら れている1年のみではなく、外弁が日本で行った原資格国の法律に関する業務のすべての期間の算入を認めることを要望するとしました。

 また、米国は日本政府に対して、弁護士と同様に外弁についても、彼らがいわゆる外弁法の規則を順守している限りにおいて、専門職法人、有限責任パートナー・シップ(LLP)および有限責任法 人(LLC)を設立することを認めることや、外弁に係わる規制制度の改善について米国は日本政府に対して、外弁に影響を与えるすべての法律および規則の制定とその実施に関して、日本弁護士連合会(日弁連)および委任地方弁護士会が、その検討プロセスに外弁が参加できるように効果的な機会の提供確保を提案するとしています。

 さらに、米国は日本政府に対して、外弁資格に対する報告プロセスを迅速化、合理化することにより、外弁申請者が外弁として登録されるまでに要する時間を、不服申し立てに要する時間も含めて短縮することを提案しました。

 法制度改革については司法制度改革審議会による意見書の実施や法曹人口の拡大として、同審議会による最も重要な要望の1つは、日本における法曹人口の大幅な増加の必要性に関するものであるとしています。

 米国は日本政府に対して、早急に司法試験合格者を最低でも年に1500人に増加させることや、合格者を年に3000人に増加させるための計画を策定することを 強く要望するとしました。

 また、仲裁法の改革について米国は法務省に対して、司法制度改革審議会の意見書に基づき、日本の仲裁法である「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」の改革のための要望を策定する諮問委員会を設置することを強く要望するとしています。

 民事訴訟の迅速化と効率化の拡大では、米国は日本政府に対して、司法制度改革審議会の意見書を速やかに実施することを要望しました。

 内容は民事訴訟の審理期間を半減することや、裁判官、裁判所職員ならびに弁護士数を大幅に増加すること、訴訟のための公判および提訴前の証拠収集手続きを簡素化すること、東京・大阪両地方裁判所における知的財産権部の強化、そして、証人、代弁者、裁判所調査官のような専門家導入を通じて、知的財産権関係訴訟手続きを改善することとしています。

 また、司法の行政機関に対する監視機能の強化について、行政の法的説明責任義務の拡大は、行政活動における公平性や行政に対する信頼度を高めるとし、米国は日本政府に対し、司法制度改革審議会の意見書に従い、行政事件訴訟法の見直しを含む、裁判所を通した行政機関の説明責任の促進のための方策に関する完全な見直しに着手することを要望するとしました。

 さらに、民事訴訟における裁判費用の軽減として米国は日本政府に対して、裁判を行う価値のある事件の提訴が回避されることがないように、固定訴訟費用制度、あるいは大幅に軽減されたスライド費用制度を創設することを要望しました。

 米国政府は日本における司法制度の改善について証拠収集手続きの改善として証拠収集手続きを改善するため、米国は日本に対しての措置を取ることを要望しました。

 措置の内容は民事訴訟法第163条に基づく照会に対する不適切な対応に対しては制裁を科すことや、民事訴訟法第220条に規定されるいわゆる「自己使用」の例外を制限すること、訴訟当事者による施設調査権を整備すること、裁判審理における企業秘密保護の拡大として米国は日本政府に対して、公開審理の過程で企業秘密が公開される問題に対処するために包括的な解決策を講じることを要望するとし、企業秘密を含む証拠の「インカメラ」審理(非公開審理)を導入することも適切な方策となり得るとしています。

 インカメラ審理(cameraは裁判官の私室、in cameraは非公開で、の意)とは米国の裁判制度で、裁判官が法廷ではなく裁判官室で審理を行うことで、日本では、裁判所が文書提出義務の有無を判断するために、所持者に文書を提示させ、裁判官が見分する非公開の手続きをいい、民事訴訟法や特許法などに規定されています。

 文書の所持者は、正当な理由があれば文書の提出を拒むことができますが、裁判所は、正当な理由の存否を判断するために、所持者に文書を提示させることができます。

 提示された文書は裁判官が見分し、何人も開示を求めることはできません。ただし、特許法や著作権法などでは、裁判所が必要と認める場合、当事者や訴訟代理人などに文書を開示して意見を聞くことができるとしています。

 代理人・依頼人間の基本的権利の明確化について米国は日本に対して、明確かつ法的根拠に基づく代理人・依頼人間の基本的権利を制定し、このような原則を完全に尊重することを確保することを要 望しました。

 また、司法による救済の実効性の強化として米国は日本に対して、迅速かつ効果的な命令を発し、執行できる裁判所の権限を強化することを提案するとし、それは、行為差し止めによる救済を得ることができる民事訴訟の範囲を拡大することや、効果的と考えられる差し止め命令を策定する裁判所の 権限を強化することなどの方策によるとしています。

 司法手続きにおける透明性の拡大では、米国は日本政府に対して、すべての人々に対して裁判記録および判決についてのより容易かつ時宜を得たアクセスを提供することにより、一般市民およびビ ジネス・コミュニティーにとって司法制度をより身近なものにすることを要望しました。

 日本政府は、民事裁判の充実・迅速化について第一審における審理期間を半減することや訴訟当事者が早期に証拠を収集するための手段の拡充、計画審理の推進、裁判官の増員、法的サービス供給のための弁護士の体制の改善など、これらの提言を実現するための施策を早期に行うこととしました

 また、東京・大阪両地方裁判所の知的財産権を扱う専門部を実質的に「特許裁判所」として機能させることや民事訴訟の提訴手数料の低額化、仲裁法制の整備、行政事件訴訟法の見直しを含めた行政に対する司法審査の在り方に関する総合的多角的な検討の開始、訴訟における行政文書の利用なども早期に行うとしました。

  2001年3月、日本政府は、公務員又は公務員であった者が所持する文書について、民事訴訟法第220条において設けられている文書提出義務の範囲を拡大する法案を国会に提出しました。

 意見交換については、日本弁護士と外国法事務弁護士との提携・協働をさらに促進し、円滑化するため、日本政府は日本弁護士連合会、外国法事務弁護士協会及び在日米国商工会議所(ACCJ)と引き続き意見交換を行うとしています。
   デジタル大辞泉(小学館)
   をもとに作成
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