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第4回日米規制緩和対話と日本側の対応その28(貿易摩擦シリーズ)

 第4回日米規制緩和対話と日本側の対応

・商法その1

 米国は、日本が商法と関連する法律等の改正をするという重要な取り組みを開始したことを評価するとし、商法の包括的な改正は、日本企業と外国企業に対して大きな影響を与えるとしています。

 エクイティ証券に関する規制緩和は、事業の再構築や新規投資に必要な資本の取得を容易にするとし、特に、企業統治の改善によって、企業の組織や、経営、資本構成により柔軟性がもたらされれば、企業経営に関する説明責任が明確になり効率も向上し、その結果として、生産性や競争力も向上するとしました。

 エクイティ証券とは、直接、間接を問わず株式発行を伴う資金調達の総称で、具体的には、公募増資や中間発行増資、転換社債、ワラント債など新株発行を伴う資金調達をいいます。

 発行会社にとっては、原則として返済期限を定めない資金調達となるため、自己資本の充実や財務体質を強固にするプラス効果をもたらします。

 半面、株式数の増加で1株当たり利益が希薄化したり、調達した資金が適切な投資に当てられなかった場合、配当政策や会社の支配関係などに影響が出るなどリスクも伴います。

 米国政府は、商法改正は外国企業が日本市場に投資し効率的に業務を行う上でも大きな影響を及ぼすほか、日本経済にとって極めて重要な技術やノウハウをもたらし、雇用を創出するとしています。 

 また、日本への外国投資を増やすに当たっての大きな障害の1つは、日本企業間では認められているクロスボーダーによる株式交換が、国内企業と外国企業の間では行えないことであるとしました。 

 クロスボーダーによる株式交換を国内企業と外国企業の間で行うことを三角合併といい、外国企業が、日本に子会社を作って、その子会社を媒介として日本企業を買収する方法となっています。

 具体的にはまず外国企業が日本に100%出資の子会社を作り、子会社はターゲットの日本企業を買収します。買収する際、買収される企業に対して合併対価として子会社の株ではなく自社の株を譲渡します。

 そのため三角買収は実質的には外国企業による日本企業の買収と同じであるため、従来、日本では外資による日本企業の買収に対して閉鎖的で、三角合併は認められていませんでした。しかし、新会社法で認められ、2007年から解禁されています。

 米国は、日本が措置を講じることによって、法制審議会の提言をさらに発展させることを奨励するとし、クロスボーダーによる株式交換を認め、促進することや、資本構成の柔軟性についてキャッシュマージャーを認めること、現物出資に関する裁判所の監督手続きを改正すること、ストックオプションの限度枠や、付与対象者に関する規制を撤廃すること等を提言しました。

 キャッシュ・アウト・マージャ―とは現金合併のことで、会社の合併に際し、消滅する会社の株主に対して、存続・新設される会社の株式に代えて相当額の現金を支払う方式です。

 ストックオプションとはあらかじめ決められた価格(権利行使価格)で自社株を購入できる権利のことで、会社の役員や従業員に対する報酬形態の1つとなっています。

 株価が上昇したときに売却すれば、株価と権利行使価格の差額が利益となります。会社のために働くことが自社株の上昇、さらには自分の利益にもなるため、社員のモチベーション向上にも有効とされています。

 日本では1997年の商法改正以降、高い報酬を支払えないベンチャー企業などを中心に、導入する企業が増えました。

 米国政府は、新たに付与されたストックオプション、および議決権なき種類の株式の譲渡に関する規制を撤廃することや、各クラスの株主に決められた一定数の取締役の選任を認めること、企業統治として、株式公開企業に、監査役制度の代わりに執行委員会および社外取締役制度を採用する選択肢を与えること、株式公開企業のみに義務的社外取締役制度を適用すること、社外取締役の独立性を確 保すること等を要望しました。

 また、株主に対する経営者の説明責任を損なうことになる株主代表訴訟制度の変更に反対することや、電子的手段を使って株主総会手続きを行うことを認めること、年金資金を運用する信託受託者の義務を強化すること、財務諸表が企業の財政状況を正確に反映することを確保することとしています。

 さらに、法定代理人について企業のすべてに責任を負う法定代理人の任命を外国企業に義務づける提案に反対することや、商法改正プロセスへの一般の参加として商法改正案の策定に際し、国際ビジネスおよび法曹関係者等に、意見を表明する意味ある機会を与えるとしました。

 法制審議会会社法部会の「商法等の一部を改正する法律案要綱中間試案」として2000年に日本政府は商法改正へ向けた主要な作業を開始しました。

 法務省の法制審議会(以下「審議会」という。)会社法部会は、2001年4月18日に、会社法の抜本改正を提案する「商法等の一部を改正する法律案要綱 中間試案」(以下「中間試案」という。)を公表し、パブリック・コメントの手続きを行っています。

 中間試案においては、ストック・オプションの付与対象者や会社が発行できるストックオプション の限度枠に対する規制を撤廃することや譲渡制限会社における授権株式数に係る制限を撤廃すること、譲渡制限会社が数種の株式を発行している場合において、ある種類の株主に一人又は数人の取締役を選任することができるようにすること、議決権なき種類の株式の総数に係る制限を、発行済株式総数の二分の一まで引き上げること(当時は発行済株式総数の三分の一とされている)、監査役を置かなくてよいこととし、代わりに、会社の業務を執行する者を執行役として位置付け、過半数の社外取締役からなる監査委員会、指名委員会及び報酬委員会を設ける会社システムを採用するという選択肢を認めることが盛り込まれました。

 また、中間試案について提出されたパブリック・コメントに十分な配慮を行った上で、 審議会は、2001年9月に、株式とITに関連する事項についての法律案要綱を答申するとともに、2002年2月にその他の事項についての法律案要綱を答申することが予定されているとしました。
   ASCII.jpデジタル用語辞典
    大辞林 第三版(三省堂)
   をもとに作成
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