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第4回日米規制緩和対話と日本側の対応その29(貿易摩擦シリーズ)

 第4回日米規制緩和対話と日本側の対応

・商法その2

 米国政府は、クロスボーダーの株式交換による企業の合併・買収や、株式交換を通じての企業再構築、日本企業と外国企 業のジョイント・ベンチャーなど、国際ビジネスにおける様々な企業取引を効果的にする上で、クロスボーダーによる株式交換は重要で有効な手段であるとしています。

 ジョイント・ベンチャーとは合弁、合弁事業のことで、複数の企業が出資して企業を設立し、共同事業を行うことです。

 参加企業が自社にはない専門的技術を互いに利用でき、また資金などのリスクを軽減できるため、建設工事の分野では広く行われ、アメリカにおいて1930年にフーバーダム工事に際して用いられたのが最初となっています。

 当時の日本の法律下でこれらの株式交換を活用できないことは、日本への外国からの投資、そしてそれに付随する必要な技術や経営のノウハウの流入をも妨げることになるとしました。

 2002年の春までに完了予定の商法の「抜本的な見直し」作業の一環として、米国は、日本国内の企業間の株式交換を認可し促進している日本の商法352条以降の条項を考慮し、クロスボーダーによる日本企業と外国企業間での株式交換を、日本が認可し促進することを提言しました。

 資本構成の柔軟性では資本を調達し、サービスを獲得し、経営者と従業員の双方にインセンティブを与えるための、企業が取る手段を拡大することは、経済を再構築し、再活性化しようとする日本の努力にとって極めて重要であるとしています。

 この点において、日本は、すでにいくつかの措置を取ってきてはいるが、起業会社や既存の企業が、変化する資本やその他の市場需要に対応し、最大限の力を発揮するためには、さらなる措置が必要であるとし、この目標を達成するために、米国は、日本が措置を講じることを提言しました。

 企業買収が成功した後に、「抵抗」している少数株主に彼らの保有する株式を強制的に提供させることにより、被買収企業を完全に私有化できるように、いかなる合併においても、現金が考慮の対象となるよう規定することや、現在の裁判所によって行なわれている資本の現物出資に関する価格査定手続きを、弁護士や会計士に査定を義務付けるのではなく、また、弁護士や会計士が誤った査定を行なった場合、彼らの法的責任を厳しく追及せずに、重役会議に査定の責任を課すよう、修正することが提言されました。

 また、ストックオプションがコンサルタントや、サービスプロバイダー、関連会社の従業員および、その他の人々にも付与できるよう、ストックオプションの発行額の制限と、ストックオプションの受取人への制限を撤廃することや、少なくとも、株主の許可を得た時は、議決権なき種類の株式の発行額の制限を撤廃すること、1種類以上の株式を発行することを通じて緊密な関係にある企業の各グループの株主に、特定数、あるいは特定の割合の取締役を任命することを許可すること、新たに付与されるストックオプションの譲渡の禁止を解除することなども提言されています。

 企業統治については日本企業が、経営面で特に改善を必要とするものの1つが、より柔軟な経営形態を提供し、株主への説明責任を拡大する企業統治のメカニズムの強化であるとし、この点について、米国は、日本に対し措置を講じるよう提言しました。

 株式公開企業に、従来の監査役制度を用い続ける代わりに、企業経営構造において経営執行役員制度と取締役委員会制度の選択肢を与えることや、取締役委員会制度は、少なくとも、会計監査委員会、管理職および取締役の任命委員会、そして報酬委員会を含み、各委員会は最低限、過半数の社外取締役で構成されるべきであるとしました。

 もし、日本が特定の企業に社外取締役の任命が義務であるなら、そのような義務は株式公開企業に のみ適用されることを確保することとし、もし、それが無理な場合は、その定款に取締役会が一般株の譲渡を承認することが義務付けられていない会社に限るとしています。

 「社外取締役」が完全に独立しているということを確保するため、その会社と株式持合いの関係にあるか、または同じ系列にある会社の社員または元社員を除外することをも含めて、「社外取締役」の定義を変更することや、電話会議や書面による全員の同意表明等による取締会の決議を認めること、誠意ある職務の不履行、作為的違法行為、違法行為の黙認、私利益の受領などに対する株主代表訴訟における取締役の現行の無制限な責任を維持し、株主代表訴訟制度のいかなる変更も株主に対する取締役会の説明責任の原則を損なうものでないということ確保することが提言されました。

 また、現在書面による実施が義務付けられている株主総会開催の通知や、株主総会に関する資料の適時の配布について株主議決権の行使やその他の手続きにおいて、インターネットや他の電子的手段(例えば、ファックス、電話)の使用を許可すること、年金資金を運営する信託受託者の管理下での分配の票決において、信託受益者の利益に関して理性的判断を下すよう受託者の義務を強化すること、国際的に認められている会計基準の採用における最近の進展を、国際的に認められた監査基準に即した外部監査により、そのような基準を厳密に実施することで補完する。それによって、財務報告書が企業の財務状況を正確に反映することを確保するとしています。

 法的代理人については外国企業に課せられている法的代理人の共同および複数義務は外国企業にとって、法的代理人となる意志のある人物を探すことを大変困難にしているとし、そのため、日本で企業活動をする外国企業の経営に深刻な障害となるとしました。

 従って、米国は日本に外国企業に企業における共同および複数義務を課すような法的代理人の任命を義務付けるいかなる提言も却下することを要請するとしています。

 商法改正プロセスに対する一般の参加として、日本の企業と法律関係者と同様、外国企業や外国の法律関係者にとっても、日本の商法ならびに他の商業活動に関する法律の変更は直接影響を受けるものであるから、改正の過程で外国企業ならびに法律関係者が参加する機会を与えられるということは公正かつ正当なことであるとし、そのために、米国は、日本に対し措置を講じるよう要請しました。

 提言されている日本の商法改正の策定において、例えば、法制審議会商法作業部会の会社法部会において、外国人代表者にオブザーバー(立会人)としての資格を与えるなど、国際企業ならびに法律関係者が意見を表明する有意義な機会を、国内の企業ならびに法律関係者に与えられている方法と同様に与えることや、法制審議会ならびに商法改正に対する答申を作成するいかなる他の諮問機関も提言をまとめる前にパブリック・コメントを募集することを確保することなどが要請されました。

 日本政府は、2001年後半に臨時国会が召集されれば、当該臨時国会に商法の一部を改正する法案を提出する予定であるとし、当該法案においては、ストックオプションの付与対象者や発行限度枠に関する規制を見直すことや株主総会の招集通知、議決権行使等、従来書面等で行うこととされてきたものについて、インターネット等電子的手段を通じて行うことを可能とするよう措置することとしました。

 また、日本政府は、2002年の通常国会に、審議会の答申に基づいて策定された広範な内容からなる商法の改正案を提出するとし、当該改正案には、会社に対して、監査委員会等の委員会を設けるとともに会社の業務を執行する者を執行役として位置付け、そのような場合には監査役を置かなくてよいこととする選択肢を認めることが含まれるとしています。 

 日本政府は、上記の新しい制度の導入に加えて、特定の会社に一人又は数人の社外取締役を置くことを義務づけるなど取締役会の監督機能の強化のための所要の措置を導入の可否を含めて検討するものとするとし、審議会は、国際的な企業実務家から表明された懸念を踏まえ、外国会社は、当該会社と連帯して厳格な責任を負う代表者を選任して登記しなければならないとする中間試案における提言を見直すものとするとしました。

 中間試案について提出されたパブリック・コメントについて、法務省は、意見の提出者が反対しない限り、当該コメントを公表するか又は何らかの形で公の場でのレビューに付すものとするとしています。
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