第1回日米規制改革イニシアティブその1
- 2020/05/30
- 06:29
第1回日米規制改革イニシアティブ
・電気通信その1
経済成長の促進を目的としてブッシュ大統領と小泉総理大臣が設置した「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」(改革イニシアティブ)において、米国は、日本が意味ある経済改革を達成するため努力を継続していることを歓迎し、小泉総理大臣が国会で表明した「聖域なき構造改革」を断行するとの公約や、「あらゆる分野において規制改革を大胆に進める」との決意に勇気づけられているとしました。
米国はまた、日本政府が2002年3月29日に「規制改革推進3か年計画(改定)」を閣議決定したことを歓迎するとともに、日本政府の構造改革特区導入計画を関心をもって見守っているとしています。
本要望書に盛り込まれた提言は、主要分野や分野横断的課題にかかわる改革措置を重視しており、日本経済の持続的な成長路線への復帰と日本市場の開放を促すものとなっているとし、さらに、米国は、通信、情報技術(IT)、医療、エネルギー、競争政策など、小泉内閣が改革に重要であると位置付けた分野の問題に焦点を当てたとしました。
提言の概要と詳論に盛り込まれた要望事項は、改革イニシアティブの下に設置された上級会合および作業部会における今後の議論のたたき台となるべく日本政府に提出されました。
これを受けてこれらの会合は、第2次年次報告を大統領と総理大臣に提出するとし、この報告書には、イニシアティブの下で達成された進展が明記され、それには両国政府が講じる改革措置も含まれるとしています。
改革イニシアティブの1年目には、民間部門の代表が作業部会に参加し、広範な課題に関して貴重な専門知識を提供し、所見を述べ、提言を行いました。
米国は今後、イニシアティブで取り上げられている課題で、民間部門の意見が引き続き有益となるものを明らかにするため日本と協力していくとし、米国政府は、日本政府に対し要望書を提出できることを喜ばしく思うと同時に、日本からの米国に対する改革要望を歓迎するとしています。
電気通信について、米国政府は、規制改革を通じて、ここ数年の間に日本は、電気通信分野における競争促進に大きな成果をあげたとし、絶え間ない改革による恩恵は、外資系事業者に対する非差別的な取り扱いの保証や外資系部品供給者への機会を広げるという当面の目標を超えて拡大しているとしました。
ネットワーク化されたグローバル経済において、費用効率の高い電気通信サービスの存在は、国家全体の競争力と、グローバルな市場と技術トレンドに対応する経済能力に影響を与えるとし、米国は、日本が近年、電気通信分野の競争を促進するための重要な措置を取ってきたことを称賛するとしています。
また、米国は、日本がブロードバンドサービスの敷設等、先進電気通信技術の普及を進めてきたことを認識しているとし、日本と同様に、米国政府も、ブロードバンドを経済的・社会的利益の重要な源泉であるとみなしているとしました。
これらの目標を推進するために、米国は、現状に挑戦し、先進ネットワークやサービスへの移行を促進し、市場の力が競争的な環境の発展を阻害する古い規制に取って代わることを可能にするような改革を、日本が考慮するよう勧めるとしています。
このイニシアティブの下、日米の電気通信作業部会は、電気通信分野において両国が直面する問題に関して意見を交換するタイムリーな機会を提供しているとし、米国は、政府あるいは民間から専門家を招きその考えを聞くことにより、対話をより高めていくことを提案するとしました。
さらに米国は、2003 年に日本が競争的事業者への規制緩和として、市場力を持つ事業者への規制義務に重点を置き、市場力を持たない事業者に関する届け出要件を廃止または軽減することや、透明性の促進と独立した規制について規制機能を省庁の管轄から独立した機関へ移行し、NTTの経営意思決定への総務省の管理を廃止すること、支配的事業者規制および競争セーフガードでは、市場力を持つ事業者による弊害を避けるための支配的事業者セーフガードを強化することなどが提言されました。
また、固定系相互接続について競争的な地域市場にとって必要なコストに基づく透明で妥当な相互接続料金の実施を完了させ、相互接続が非差別的な形で競争的事業者に利用可能になることを保証することや、競争的な携帯着信料金としてNTTドコモのネットワークへの着信料金が、妥当で競争的な水準であるか否かを検証する手段を確立し、小売料金設定における差別を排除すること、線路敷設権では、競争的事業者のネットワーク設備の導入を促進するため、線路敷設権ガイドラインの年次見直しを通じて、線路敷設権体系を引き続き改善していくことが提言されています。
をもとに作成
- 関連記事
-
- 第1回日米規制改革イニシアティブその2
- 第1回日米規制改革イニシアティブその1
- 第4回日米規制緩和対話と日本側の対応その42(貿易摩擦シリーズ)
- ネット証券のチャートツールとの併用がおすすめな、便利なチャートツールをご紹介いたします。ぜひ次のリンクをクリックしてお試しください。 早速試してみたい方はこちらをクリック