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第1回日米規制改革イニシアティブその11

 第1回日米規制改革イニシアティブ

・エネルギーその2

 米国政府は電力分野について、すべての市場参加者に対して、送電の空容量に関する正確な情報をタイミング良く提供する制度を開発し、導入することや、送電容量に関して透明で偏見のない算定を行い、すべての市場参加者に非差別的な送配電サービスを提供することを確保するよう、発電事業と小売りサービス事業を、送配電やその他の事業から運営上分離することが提言されました。

 米国政府としては、構造的分離又は運営上の分離が、これらの目的達成のための唯一の効果的な方法であると考えるとし、もし日本政府が運営上の分離の導入すら行わないこと選択をした場合、米国政府は、経産省に対して、その選択をした代替手段が同等に効果的であることを明らかにするよう求めるとしました。

 また、電気事業分科会の目的に沿って、経済的に効率性の高い広域電力取引制度を設立し、そのような取引をサポートするために必要な場合は、送電網関連施設をタイムリーに建設することが要望されました。

 これについて米国政府は、適切な送配電制度の提供と維持は、長期的に見て、市場の公平な競争を維持するために不可欠であると考えるとしています。

 米国政府は託送料金のパンケーキ化の廃止を含め、コスト配分の公平性を確保するため、電力供給者に会計の透明性を高める義務を課す措置を取ることや、産業需要家向けに、タイム・オブ・ユース計量とリアルタイム価格情報を通して、価格シグナルに対応できる措置を開発すること、全国規模の競争力のある卸電力取引市場を整備するにあたり、小売価格対応を可能にするよう具体的措置を図ることを提言しました。

 2003年2月に取りまとめられた「総合資源エネルギー調査会電気事業分科会報告」においては、「小売自由化範囲の拡大を実質的に需要家の選択肢の拡大につなげるとともに、事業者の投資環境を整備し、効率的な電源の有効活用をはかるためには、広域的な電力流通を現行以上に活性化する方策を講ずることが重要」として、供給区域をまたぐごとに託送料金が課金されていた仕組み(いわゆるパンケーキ制度)を廃止することが適当とされました。

 米国政府は、運営上の分離や送電の空容量の算定を管理する中立機関の創設がない状態での全国規模の電力取引市場の設立には、多少の経済的メリットがあるかもしれないが、その効果を事前に推定することは難しいと考えており、なぜならば、送配電サービスの提供における差別的取扱が恐らく相当規模で存続すると考えられる上、潜在的な買い手には、電力を取引所で安く購入するより自らの発電に頼る何らかの理由が存続する可能性があるためであるとしています。

 また、送電制約が経済的に望ましい取引を妨げる可能性もあり、米国政府は、更に、送電部門における差別的取り扱いの「行為」救済 〔例えば、禁止されている弊害行為の監視〕が米国や他の国において不十分であったことが証明されており、その結果、分離のような「構造的」措置に頼らざるをえないことを指摘するとしました。

 日本政府は、電力市場規制改革に際し、公正かつ効果的な競争を確保するため、2001年に、日本の電力市場規制改革について公式に検討するため、産業界の代表や、工学者、経済学者と消費者代表から成る電気事業分科会が設置されました。 

 この分科会は、日本国経済活動や国民生活の基盤となる電力の安定供給を効率的に達成しうる公正かつ実効性のあるシステムの構築にとって重要となる多くの論点を明らかにしたとしています。

 同分科会では、電力供給の安定性と公平性を確保する、明確な電力規制改革政策の必要性について議論しているおり、電力需要の拡大に対応しうる新規発電設備と送電設備の一体的な整備の確保や、電力需給をバランスさせるための、発電設備と送電設備の一体的な運用の確保、電力供給者にとっての共用インフラとしての性格を持つ電力ネットワークが、透明で公平な競争を保証するよう確保するとしました。

 また、公平性の確保については一定の成果が見られるものの、現行の電力系統ルールや情報遮断措置が、全ての事業者に対しての透明性を担保しうる制度となっているのかを検証する必要があるとしています。

 経済産業省と公正取引委員会による現行の紛争処理システムが、送電部門の公平性の確保という観点から十分であるかどうかの検討や、現行の電力供給システムが、安定性、効率性、公平性、透明性の目的に合致するものであるかどうかの検討がなされました。

 また、電力供給システムの効率性の向上という論点について、電気事業分科会では、経済性や供給信頼度の観点を踏まえ、全国大での電気の取引を容易にするための、送電容量の活用や、託送制度、供給区域間の連系線の整備についての検討や、送電ネットワークの形成・管理に係るコスト負担制度の公平性の検討などを挙げています。
 
 供給力の安定性及び多様性の論点について、電気事業分科会では供給力が全国規模で効率的に活用できるよう、広域的な電力流通や、それに資するような設備形成を推進する仕組みの要否についての検討や、制度見直しが、長期的安定供給のために重要な原子力発電等の電源の開発と両立できることを担保する仕組みの整備、卸電力調達方法の多様化・円滑化・効率化を実現し、指標性を有する価格形成に資するような、広域的な電力取引市場の創設について検討することなどを明らかにしています。

 また、取引市場検討にあたっては、技術的な側面からの更なる検討が必要であり、市場機能がゆがめられることのないよう、注意深い市場設計が必要だとし、需要家の選択肢の拡大や、ネットワークを通じた電力供給との競争を通じた電力供給全体の効率向上、電力需要と熱需要とを効果的に組み合わせることによるエネルギー利用効率向上等に資する可能性のある分散型電源について、その実施の支障となっているものがないかどうか検討することが挙げられました。

 加えて、分散型電源が環境に与える影響や、 ネットワークの二重投資の回避、系統接続によるメリットや電力品質の維持の問題も踏まえるべきことや、需要家の選択肢の拡大と全需要家への適切な供給の確保の論点から、電気事業分科会では、競争を通じて様々な事業者が多様なサービス・価格を提示し、それを消費者が選択できる小売市場環境の整備や、消費者の自己責任の在り方と交渉力の有無、日常生活における電気の必需性といった点を勘案して、ユニバーサルサービスの要請等を踏まえ、消費者を保護する仕組みについて検討などが行われました。

 また、小売自由化範囲を拡大する場合の、技術的・実務的な対策についての留意や、事業者にとって、市場規模に関する予見可能性を高めることが、適切な供給力 の確保につながるとの観点からの、小売自由化範囲の拡大の内容とスケジュールの可能な限り早期の明確化が挙げられています。

 電気事業分科会は、これまで明らかにしてきた原則と視点についての結論を取りまとめ、その結論に基づき、日本政府は、電力分野における規制改革を実施するとしており、このため、電気事業分科会は、答申を起草し、パブリックコメントに付し、提出されたコメントとそれに対する回答を公表するとしています。
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