第1回日米規制改革イニシアティブその31
- 2020/07/04
- 06:07
第1回日米規制改革イニシアティブ
米国政府による規制改革及びその他の措置
・規制改革及び競争政策に関する分野横断的な問題その1
アンチダンピング措置について米国政府は、アンチダンピング法がWTO協定上の義務に適合的であることを確保するとしました。
また、特許関連事項として米国政府と日本政府は、実体特許法の調和に向けた効果的な取り組みに対して相互支援することを再確認すると同時に、米国政府は、先願主義への移行や、発明の単一性要件の緩和、ヒルマードクトリンに基づくシステムの修正という日本政府の要望を引き続き検討するとしています。
実態特許法は、2000年11月、形式を超えた特許法の調和の必要性により、WIPOの特許法に関する常任委員会(SCP)は、実態特許の締結を目的として実態特許法の調和に関する作業を開始することを決定しました。
SCPは、特許の付与に直接関連する多くの問題、特に、先行技術の定義や、新規性、進歩性、非自明性、産業への適用性、実用生、クレームの起草と解釈に焦点を当てることに同意しました。
米国政府は、出願日から18ヶ月以内における特許出願公開の例外を廃止することに関する日本政府の要望を引き続き検討するとし、再審査制度を更に改善することに関する日本政府の要望を引き続き検討するとともに、第107議会において審議された再審査制度に関する法案の可決に向けて支援するとしました。
米国政府は、エクソン・フロリオ条項に関して、就中規制の予見可能性や、完了した投資の法的安定性、デュープロセス確保という観点から、日本政府が有してい
る懸念を認識するとし、今後のエクソン・フロリオ条項の運用に当たっては、日本政府の懸念も考慮に入れつつ、WTOルールとの整合性に配慮することとするとしています。
エクソン・フロリオ条項とは、アメリカの1988年包括通商・競争力強化法第5021条において、50年国防生産法第721条の修正を行なった条項です。
外国企業によるアメリカ企業の合併や、買収、経営支配権取得がアメリカの国家安全保障を損なうと判断された場合、その取引を停止または禁止する権限を大統領に与えています。
調査は対米外国投資委員会CFIUSが担当しており、時限立法である国防生産法とともに、1990年10月に失効していましたが、1991年8月に本条項を国防生産法と切り離して恒久延長する旨の法案が成立しました。
本条項に関しては、国家安全保障の基準が明確にされてないことや、サンセット規定がないため、投資完了後も条項の主たる実施機関である対米外国投資委員会による強制売却命令の対象となりうるなどの問題点があります。
メートル法の採用について米国政府は、民間部門や、連邦及び州政府レベルにおけるメートル法の使用を拡大、促進するための措置を引き続き講じるとしました。
また、当面の間、米国は商務省の国立標準研究所(The National Institute of Standards and Technology:NIST)と計量に関する全米会議(NCWM)は、2000年1月1日以降、米国の消費財にメートル法のみの表示を認めるという改正された包装・表示に関する統一規則 (UPLR) の完全実施に関する調整を行ったとし、公正包装と表示法(FPLA)の適用を受ける製品にメートル法のみの表示というオプションが認められるようにするため、同法を改正するための法案が議会への提出に向け準備されているとしています。
NCWMは重さと長さに関する全国会議のことで、州と地方の関係者や連邦機関、製造業者、小売業者、および消費者の非営利団体です。
NCWMは、1905年以来、国家の重さと測定基準を開発してきました。組織は、市場における革新的な進歩に歩調を合わせるために、正しい利益を追求しています。
NCWMの使命は、変化する市場での公平性と統一基準の確保で、均一で公平な重量を開発し、競争条件を平準化することにより、商取引と公正な競争を促進することや、消費者が「支払うものを手に入れる」ことを確実にすること、市場取引への信頼を育むこと、経済成長を進めることなどです。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
をもとに作成
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