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第2回日米規制改革イニシアティブその21

 第2回日米規制改革イニシアティブ

・競争政策その1

 米国政府は、独占禁止法(独禁法)の悪質な違反を抑止することは、効果的な競争法の執行制度にとって最も重要であるが、独禁法に規定されている現在の課徴金の水準は、効果的な抑止となるには、あまりにも低すぎるとしました。

 また、明らかに悪質な独禁法違反に対する刑事告発は少なく、東京高等裁判所が独禁法を犯した企業や個人に科す刑罰は軽く、悪質な独禁法違反の抑止効果は限られているとしています。

 したがって、米国は、日本に対して、課徴金の支払金額の水準を大幅に引き上げることや(共謀による売り上げの約20%)、課徴金の支払い命令を現在の独禁法の規定する過去3年間のみではなく、違法な談合のあった全期間の売り上げに適用すること、独禁法違反を繰り返す企業に対し、さらに厳しい措置を課す方法を検討することを提言しました。

 また、より積極的に独禁法の刑事規定を執行することや、独禁法違反で有罪となった被告に対し、同法が有罪の被告を実際に服役させることを命ずるとおり、懲役を科すことを裁判官に勧奨するとしています。

 日本政府は、2003年3月28日に閣議決定された規制改革推進3か年計画(再改定)に従い、公正取引委員会の位置付けについて、内閣府が規制改革の推進や、消費者利益の確保を担っていることを踏まえ、よりふさわしい体制とする観点からこれを内閣府に移行するための法案を第156回国会に提出しました。法案は2003年4月2日に国会を通過し、4月9日に施行されています。 

 公正取引委員会の人的資源として、公正取引委員会の定員は、2003年度に36人の実質増員を得て、2004年3月31日時点で全体で643人となり、公正取引委員会の審査部門のスタッフは24人増員され、全体で318人となりました。

 公正取引委員会は、大学院レベルの知識を有するエコノミストの採用を進めており、公正取引委員会は、企業結合審査、経済実態調査等について、より高度な経済分析の手法を導入するため、大学院レベルの知識を有するエコノミストを更に増やすよう努力するとしています。

 また、公正取引委員会は、現行の経済実態調査担当部署を含め、必要な部署に大学院レベルの知識を有するエコノミストを投入するほか、経済学者等の外部有識者との連携を十分に強化するなど、経済分析を実施する体制の更なる充実を図っていくとしました。

 米国政府は、公正取引委員会の執行力の強化として、公正取引委員会(公取委)が、しばしば秘密裏に行なわれている非競争的行為に対する独禁法の執行において、効果的であるためには、他の主要国の反トラスト執行当局が享受している自由な調査・執行権限の整備が必要となるとしています。

 従って、米国は、日本に対して、公取委が内部告発者に対し、課徴金支払い命令を減免または全免することや、刑事告発を差し控えることを認める法人措置減免制度計画を公取委が採用することを許可するとし、公取委の調査権限を日本の国税庁や証券取引等監視委員会が現在享受しているものと同等に強化することを要望しました。

 また、公取委の経済分析能力のさらなる向上のための努力を強化することや、刑事告発手続きを国内の他の経済犯罪に使われる手続きと矛盾しないよう見直すこと、公取委の調査への妨害や非協力行為に対する罰則を強化すること、公取委が発動する排除措置命令を違法行為の終了後3年まで認めることも要望されました。

 日本政府は、公正取引委員会による執行力の実効性について、閣議決定された3か年計画において、独占禁止法のエンフォースメントの見直し・強化を行うこととされ、そのために2003年度中に措置を講ずることとされているとしました。

 3か年計画には、刑事告発手続の見直しや、課徴金制度の見直し、課徴金減免プログラムの導入、課徴金適用対象の拡大、既往の違反行為に対する措置期限についての見直しが含まれており、公正取引委員会は、独占禁止法違反に対する執行力や、抑止力を十分なものにしていく必要があるとの観点から、現行の措置体系全体の見直しを行っており、そのために2002年10月から独占禁止法研究会を開催しているとしています。

 同研究会は、2003年秋までに提言を含めた報告書を出すことになっており、実効性確保の観点からの課徴金制度見直しや、措置軽減制度導入の必要性、可能性、公正取引委員会への犯則調査権限の付与の必要性・可能性、刑事告発手続の見直し、公正取引委員会の調査権限に係る罰則の見直し、既往の違反行為に対する措置期限についての見直しなどが検討されました。

 独占禁止法の民事的救済制度については、3か年計画において、「独占禁止法の差止請求制度については、制度の実施状況を注視しつつ、事例の蓄積を待って必要性が認められる場合には、日本政府は私人による差止請求対象行為の範囲の見直し等、民事的救済制度を更に充実した制度とするための検討に着手する。」とされています。

 検察庁と公正取引委員会は、調査の早い段階において、具体的事案について公正取引委員会が独占禁止法違反として刑事告発を行うための法律面・事実面に関する情報と見解を交換するため、密接に協力しているとし、日本政府は、独占禁止法の刑事罰則の効果的な実施のため、検察庁と公正取引委員会との密接な協力をさらに進めていくとしました。
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