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第3回日米規制改革イニシアティブその10

 第3回日米規制改革イニシアティブ

・エネルギーその2

 米国政府は、「電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律」の施行省令や、規則等の透明性のある整備と効果的な実施は、健全で競争的で安定的な電力市場にとって鍵であり、競争的な市場は、適正な基盤や、燃料供給と発電・送電設備があってはじめて可能になるとしています。

 また、発送電一貫の業界では、必要な資本投資を促すためや、顧客が自由化の利益を完全に享受できるよう確保するために、競合会社や、料率、送電運営に対する電力会社の行動に関わる効果的で透明性のある規則が必要であるとし、従って、米国政府は日本に、追加的な方策を取ると共に、「法律」の目的を実現するための具体的で詳細な施行省令および規則等を早急に発令するよう求めるとしました。

 電力卸売における競争を支援するための適正な市場構造について米国政府は、連系した送電網を通して多数の電源への接続を可能にするために、経済産業省が大小の発電事業者を含むすべての市場参加者に対して、透明性のある送電設備への接続手順と料金体系を提供し、効率的な電力取引と送電網関連施設のタイミングの良い建設を可能にするため、ロードバランスやロードフォロー等の送電補助ネットワークサービス(アンシラリー・サービス)の価格設定と規定に関する規則を定める詳細な省令・規則等を発令することを提言しました。

 アンシラリー・サービス(補助サービス)とは送電網事業者が信頼できる電力システムを維持するのに役立つ機能を指し、電力の適切な流れと方向を維持し、需要と供給の間の不均衡に対処します。

 また、大幅に変動する再生可能エネルギーの普及があるシステムでは、増加した変動性と不確実性を管理するために追加の補助サービスが必要になる場合があります。

 米国政府は、競争的な全国規模の電力市場を支えるために必要な連系容量に不備が無いかを探る調査を行ない、 経済的に可能な限りそのような不備を是正する具体的な措置を策定することや、効率的な基本市場設計と公平で透明な参加規則を確保し、参加のための量と資格の規制が最小限になるよう、提案されている電力取引所の構造を公正取引委員会と共同で監視すること、詳細な経済産業省の省令・規則等を発令するとともに、提案されている電力取引所における取引に関して公正取引委員会と共同でガイドラインを作成することを提言しました。

 また、執行管轄省庁が違反の察知を行なえるようにするため、電力取引所のメンバーに対して取引量と条件に関わる報告を義務づけ、取引の事後監視を行なう詳細な省令・規則等を発令すること、提案されている電力取引所の会社に「市場監視員」という職分を新設することを義務づけ、市場監視員は、どの会社にも所属しない独立した専門家で、市場が競争的であるかを確認し、また取引所の規則や手続きが可能な限り最大限に市場メカニズムに基づくよう確保するために定期的に市場を監査すること、さらに、市場の競争状況について少なくとも年に一度は経済産業省へ報告書を提出することを要望しました。

 送配電設備への接続条件について、電気事業分科会は、中立機関(NSO)の設立とそのサービスの提供にあたり、「公平性と透明性」の確保の重要性を確認し、分科会ではさらに、この目標を達成するために具体的な関連提言を行ったとしました。

 米国政府は、経済産業省が具体的で詳細な省令・規則等を策定することを求め、具体的には、「両国首脳への第3回報告書」で合意されたとおり、経済産業省が中立機関を監督し、是正の必要があれば中立機関に対し命令を発令するための手続きを整備することや、「両国首脳への第3回報告書」で確認されたとおり、「設備形成、系統アクセス、系統運用および情報開示」に対して中立機関ルールを実行する手続きを整備すること、これには、送電線の空き容量の開示 の義務づけを含むとしています。

 また、中立機関の既存会社が中立機関を支配できないようにするため、経済産業省が中立機関の組織と意思決定について公平性と透明性を確保できるよう手続きを整備することや、中立機関の効力を定期的に見直し、中立機関がタイミング良く明確な決定を下せないと判明した時には、それを解散し、市場参加者を含まない真に独立した組織に代える手続きを導入することも含まれています。

 送配電線への第三者アクセスについて「法律」のもと、第三者アクセスのための公平で透明な会計と料金を効果的に実施するために、米国政府は経済産業省が具体的で詳細な省令・規則等を採択するよう求めました。

 内容は、内部相互補助を防止するための送配電機能と他の電力機能の分離、また、会計規則や分離会計の詳細の公表や、送電料金のパンケーキ方式(供給区域をまたいで送電するごとに課金する方式)の廃止と、そのような料金をパブリックコメント手続きを経て採用された送電料金算出方法に代えること、市場参加者の受益と負担の関係を踏まえ、送電設備増強のための費用を配分などでした。

 行為規制の実施では、電力業界における差別禁止を実行するための行為規制は、経済産業省と、独占禁止法の観点から公正取引委員会の継続的な監督を必要とし、施行のための具体的な省令等や救済策は、市場への新規参入を考える者の信頼性を高めるため、米国政府は、経済産業省が具体的で詳細な省令・規則等を採択するよう求めました。

 具体的には、託送業務において知り得た情報の目的外利用を禁止することや、一般電気事業者の送配電部門による、他の電気事業者に対する不当に差別的な取扱いを禁止すること、一般電気事業者所有のLNG施設への無理のないアクセスを拒否することによって競合する電気事業者に対して不当に差別的な取り扱いをすることを禁止すること、厳正な市場の事後監視を行い、規制に係る紛争を中立かつ公平な方法で解決すること、行為規制と事後監視の有効性の調査を実施すること、もし行為規制や事後監視が不十分であると証明された場合は、不当に差別的な取り扱いを禁止するためのより構造的な方法(例えば、多数の送電システムの管理を独立した中立機関に移すなど)を規定することが挙げられました。

 工業企業による自家発電とコジェネレーションは、日本の電力システムの供給性と信頼性を効果的 に高めると同時に、それをより競争的にすることができ、総合規制・民間開放推進会議の2004年8月の報告書では、このような電源に対して系統接続を行なう方法について議論する重要性を強調しているとしました。

 コージェネレーションとは、電力と有用な熱を同時に生産するシステムのことであり、熱・電併給システムとも呼ばれ、電力の代わりに動力を取り出す熱・動力併給も、広義のコジェネレーションに含める場合もあります。

 ディーゼルエンジンやガスエンジン、ガスタービンの原動機により発電し、その排熱を取り出して給湯や冷暖房に利用し、最近急速に普及し、1989年9月までに民生用 (ホテル,病院など) が約350件 (約14万kW) 、産業用が約300件 (約113万kW) の導入実績がありました。

 これは、商用系統との連係ガイドラインの制定(86年8月) や、一建物内での電力特定供給認可 (87年11月) など、法制度面でもコジェネレーションを導入しやすい環境になってきており、なお、燃料電池もコジェネレーションの一種であり、今後の発展が期待されています。

 水蒸気を発生させる産業や他の小規模な発電設備が余剰電力を販売できる市場を促進するため、米国政府は日本に、具体的で詳細な省令・規則を策定するよう求めるました。

 内容は、分散型電源を使用する企業に、法外な料金や接続料金を課すことを禁止することや、余剰出力のある工業企業が自己または一般電気事業者が所有する送電線を使って電力を他の需要家に販売することが出来るよう、接続に関する透明性のある仕様書と手続きを義務づけることが含まれています。

 日本の電力市場において需要家の選択肢と投資家の信頼を拡大するため、米国政府は日本に対して、「両国首脳への第3回報告書」で定められた自由化スケジュールと一致する具体的で詳細な省令・規則等を制定するよう求め、これには、家庭用需要のための更なる小売自由化範囲の拡大の可能性を含むとし、米国政府は日本に対して、電源開発株式会社(または J-Power)の民営化が市場原理に基づいて行われるよう確保し、民間競合社と比べて電源開発株式会社に特別な優遇措置が与えられないよう、また独占禁止法に適法な形で行われることを確実にすることを要望しました。

 電気事業法は2003年6月に改正され、新たな電気事業制度への道を開き、経済産業省は、省令を改正してきており、かつ、現在も改正の準備を進めているが、その省令改正により2005年4月に市場の約63%(2003 年の水準の2.4倍)において小売分野の選択肢拡大がなされることとなるとしました。

 また、電気事業法の改正を受けて、改革のための措置について勧告を行う経済産業省の審議会である電気事業分科会において、今後の措置について議論を行い、中間報告「今後の望ましい電気事業制度の詳細設計について」をとりまとめ、経済産業省では、改正電気事業法と電気事業分科会最終報告に基づき、必要な省令等の準備を進めているとしています。

 送配電における公平性・透明性について、改正電気事業法においては、経済産業省は中立機関を指定し、監督することと定められており、2003年12月、経済産業省は、中立機関として法人指定を行うための基準を定め、申請を審査するために必要な省令の整備を行いました。
 
 また、経済産業省は、経理的・技術的基礎に関する情報を含む、提出された事業計画を審査した後に中立機関を指定するとし、公平性・透明性を確保するために中立機関を監督し、是正の必要があれば中立機関に対し命令を発出し、中立機関は、電気事業分科会報告とパブリック・コメントに寄せられた意見を踏まえ、設備形成、系統アクセス、系統運用及び情報開示に関するルールを策定するとしています。

 行為規制について、経済産業省は、電気事業分科会報告を踏まえ、送配電部門の会計と他の部門の会計とを分けるための具体的方法を定め、収支計算書において会計分離を行うための省令等を整備することや、託送供給業務における情報遮断と差別的取扱いの禁止を実効あらしめるため、公正取引委員会と共同で「適正な電力取引についての指針」の改定を行っているとしました。

 もし一般電気事業者が法律や指針に照らして問題がある行為を行った場合は、経済産業省は、問題の是正のため、当該一般電気事業者に対して中止命令または変更命令を発出するとしています。

 新しい電力市場の制度設計では、卸電力取引所市場の効率性を向上させるため、事業者は、2005 年4月から、先渡市場とスポット市場を運営する新しい電力取引市場を設立し、公正取引委員会は、独占禁止法に基づき取引所を監視することとなるとし、経済産業省は、卸電力取引における公平性を確保するため、公正取引委員会と共同で定めている指針について必要な改定を行う準備をしているとしました。

 自由化スケジュールについて、2003年12月の省令の改正の結果、2004年4月に、小売自由化範囲が契約電力が500kW以上の高圧需要家(高圧需要家の一部)まで拡げられ、2005年4月から契約電力が50kW 以上の高圧需要家(全高圧需要家)まで自由化範囲を拡げるため、再度省令が改正されることとなるとし、家庭需要家までの自由化を含む全面小売自由化に関する議論は、その時点までの部分 自由化の結果も考慮しながら2007年4月を目途に開始され、日本国政府は、新聞広告やリーフレットを通じて小売自由化範囲の拡大について広報を行ってきているとしています。

 託送制度の見直しに関し、経済産業省は2005年4月に同時同量ルールを緩和し、新規参入者が3%の第一変動範囲に加え、3%から10%の第二変動範囲も選択できるようにすることや、2005年4
月の新しい託送制度の開始に向けて新同時同量支援システムが導入され、新規参入者は30分ごとの需要家の需要データを入手できるようになり、そのデータは、遠隔検針システム等により一般電気事業者が収集し、所有するものであり、経済産業省は、このような措置を実行するための省令等を整備するとしました。

 振替供給料金(パンケーキ問題)の廃止では、経済産業省は、公平・透明な託送料金により全国規模の電力取引を容易化するため、2005年4月までにパンケーキ問題を解消するための省令等の整備を行うとし、託送供給約款変更命令発動基準の明確化については、ネットワーク規制を適正に執行できる仕組みを確保するため、基準を明確化し、変更命令発動に係る必要な規制を整備するとしています。

 規制改革の見直しについて日本国政府は、競争的な市場の効率性と規制の実効性について継続的な形で見直しを行うとし、その中で、開かれた、公平かつ競争的な市場の実現を確保するため、更なる規制改革など今後の措置の必要性についても考慮するとしました。
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