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第3回日米規制改革イニシアティブその13

 第3回日米規制改革イニシアティブ

・医療機器・医薬品その1

 米国政府は、医療機器・医薬品の価格算定改革と関連事項について、日本の医薬品・医療機器産業の国際競争力に関する「産業ビジョン」として知られている政策文書では、革新性の価値と償還価格が革新的な研究開発投資に重要な関わりを持つことを認識しているとし、厚生労働省は、医薬品・医療機器産業の国際競争力を強化するには、市場での収益というインセンティブを提供することが重要であることを認識したとしました。

 そして、革新的製品の迅速な保険導入を推進することに同意し、米国政府は、これらの取り組みを支持し、日本に産業ビジョンの実施を迅速化することや、価格算定の政策変更の検討、また、その影響を判断するにあたり、米国業界を含む業界に対し、相談をする意味のある機会を与えること、厚生労働省が相談をする外部専門家に、米国業界を含む業界が、意見を述べる意味のある機会を与えることを求めました。

 また、価格算定の過程における業界の意見提供と参加を促進することや、中医協における、米国業界を含む業界の代表枠を拡大すること、薬価算定組織と保健医療材料専門組織の一回目の会合において、申請者に償還価格に関して意見表明をする機会を与えること、日本の患者や医療制度に提供される革新的な医療機器と医薬品の価値が正確に評価されるように、価格算定ルールを改善すること、価格算定ルールの変更が、厚生労働省の認識する革新性の価値と相反しないことを保証すること、価格設定をするにあたり、薬事承認の遅れや新薬事法を順守するために掛かる日本での経済活動を行なうためのコストを考量することが要望されました。

 さらに、原価計算方式の代替案として、メーカー希望価格をつける価格設定方式を採用することや、類似薬効方式を採用する場合、類似薬につけられた最初の価格を使用すること、さらに加算枠を十分に適用すること、類似薬選定と加算ルール適用に利用されるデータの出所と種類を拡大すること、市場拡大に基づく再算定基準を廃止すること、医薬品の外国平均価格調整が、米国業界に不利益を与えるよう変更されないことを保証すること、革新的な製品の開発コストを償う必要性を考慮すること、バイオロジック製品については、その特異な性質を考慮し、メーカー希望価格に基づく新たな価格設定方式を採用することを求めました。

 そして、医療機器の外国平均価格調整ルールを見直すことや、他の市場のコスト構造とは異なった日本市場特有の側面を考慮し、外国平均価格調整ルールにおける倍率その他の要素を変更すること、価格データ採集方法について、米国業界を含む業界と相談すること、政府の専門家と米国業界を含む業界の代表者による組織を創設し、対話の強化とR幅方式の過程やC1、C2保健医療用具区分の改善に関わる提言を作成すること、薬事審査が終了する以前に、C1、C2保健医療区分に関する拘束力を持った事前相談を提供すること、C1製品の暫定価格を、薬事承認後に希望があった際、またはその直後に与えることが提言されました。

 また、C1,C2保健医療区分を希望する保険適応手続きに関する主要な質問や問題は、希望書が提出されてから2週間以内に指示をすることや、C1保健医療区分の適応資格や補正加算の基準を公表することにより、C1製品の取り扱い決定を早め、予見可能性を向上させること、治療、診断や疾病の管理、コンプライアンス、使用の安易性、回復時間や長期的な結果などを著しく改善する製品には、C1保健医療区分の適応をすること、経済的な結果、生活の質、安全性、有用性その他の要素を考慮し、製品個々の価値を判断する価値基準方法をC2保健医療区分製品に適応することも提言されています。

 さらに、予防医学において、承認済みの医薬品の保険適応を認めることや、新たな投与用量・用法の追加、追加の投与計画、複数の医薬品の投与(併用療法)または新効能効果について、これらの治療方法が承認された後、再審査期間中に意味のあるインセンティブを製造業者に与えるために、特許保護期間を延長すること、診断機器(例えば体外診断薬や画像診断機器)について、透明性を向上し、米国業界を含む業界と相談すること、診断機器の価格設定をする際に、診断機器の価値を考慮することが求められました。

 対外診断薬については、価格データ採取方法の透明化を計り、院内検査の臨床的価値を評価する方法を確立するとし、中医協に、対外診断薬の委員会を設けることや、特定機能病院医療包括制度(DPC)において、革新的医療機器や医薬品の導入が確保されるよう措置を取ること、適切な患者ケアと革新的な医療機器の入手を確保する為に、治療ガイドラインを導入すること、医薬品の知的財産保護強化の提案について、知的財産戦略本部による考慮に関し、在日外資企業を含む医薬品企業と綿密に相談することを要望しています。

 日本政府は、医療機器及び医薬品の保険償還価格の算定ルールの改革並びに関連事項について、日本においては、急速な少子高齢化、医療技術の進歩などの要因により、医療を取り巻く環境が大きく変化し続けているため、国民皆保険を守り、将来にわたり良質で効率的な医療を国民に提供することが重要となっているとし、近年の厳しい経済状況により、日本の医療保険制度は財政的に厳しい状況にあり、日本国政府は、医療保険制度の抜本的な改革に取り組んでいるとしました。

 その一環として、医薬品・医療機器の価格制度については、内外価格差の是正の観点や市場実勢価格を踏まえた価格の見直しを行うことが2003年3月に閣議決定され、同時に、日本の患者に対して効率的で質の高い医療を提供することや、よりよい医療機器と医薬品の開発を奨励することが重要であるとしています。

 革新的な医療機器と医薬品を開発するための魅力ある環境の育成を考慮に入れながら、厚生労働省は、革新性の価値を認識しつつ、改革を継続的に実行し、医薬品・医療機器は、医療を支える重要な基盤であり、優れた医療機器・医薬品がより早く国民に提供されるよう環境を整備し、日本の医療機器・医薬品の市場と産業の国際的競争力を強化することが必要であるとしました。

 このため、厚生労働省は、2002年8月に「『生命の世紀』を支える医薬品産業の国際競争力強化に向けて」と題する「医薬品産業ビジョン」を、さらに、2003年3月に「“より優れた”“より安全な”革新的医療機器の提供を目指して」と題する「医療機器産業ビジョン」を公表しました。 

 両ビジョンにおいては、「『イノベーション促進のための集中期間』(5年以内)に行う具体策」として、研究開発環境や、薬事規制制度、保険償還に関する施策を含む幅広い施策からなるアクションプランを提示し、両ビジョンは、市場と革新性の価値の役割についても認識しているとし、総論として、両ビジョンにおいて、厚生労働省は、償還価格設定システムが、革新的な研究開発への投資を奨励することに重要な関わりを持つことを認識したとしています。

 厚生労働省は、また、市場での収益というインセンティブを提供することが、魅力的で競争的な医薬品・医療 機器の産業と市場を育成するために重要であることを認識しており、償還制度において、厚生労働省は引き続き、有用で新規性の高い製品の適正な価格による迅速な保険導入の一層の推進や、産業の国際競争力の確保と公的医療保険制度との調和を図るための償還価格設定システムの中長期的な観点からの検討をしていくとしました。

 厚生労働省は、当該ビジョンの着実な実施に努めており、厚生労働事務次官を本部長とし、すべての関係部局が関与する組織である医薬品・医療機器産業政策推進本部において、毎年両プランの進捗状況を取りまとめ、公表しており、2003年の日米官民会議による提言のとおり、アクションプランを可能な限り前倒しして実施していくよう2004年度において引き続き努力するとしています。

 厚生労働省は、また、産業界等の関係者の意見を踏まえて、実施状況を検証し、米国政府は、日本が最も革新的な医療機器と医薬品への迅速なアクセスを促進する決意であることの証拠として、医療制度改革と両ビジョンを歓迎しているとしました。

 保険償還制度見直しのための閣議決定を踏まえ、2004年度の医療材料価格と薬価基準の改正が行われ、この過程においては、厚生労働省は、米国業界を含む医療機器業界と医薬品業界と緊密にコミュニケーションをとる機会を増加させ、米国業界を含む業界と意味のある、定期的な対話の慣行を継続していくとし、今後も価格算定ルールの変更に先立ち、米国業界も含む業界に対し、情報を得、相談する意味のある機会を提供していき、得られた情報について真摯に考慮し、今後も価格改定プロセスが十分な透明性をもって行われることを確保するよう、真剣な努力を継続するとしています。

 中央社会保険医療協議会(中医協)においては、業界に意見表明の機会が与えられ、議論の結果、2004年度の薬価基準改正においては、厚生労働省は外国価格調整ルールと原価計算方式の変更、後発品のない長期収載医薬品に対する再算定ルールの導入と外国価格参照を利用した再算定ルールの導入を行わなかったとしました。 

 厚生労働省は革新的な医薬品の適切な評価を確保する目的で、画期性や有用性の加算率を2002年度から大きく引き上げており、以来実施されており、2004年度には、厚生労働省は、規格間調整のみで算定された新薬のうち、高い医療上の有用性を有する新薬についての新しい加算制度を導入しました。

 厚生労働省は、引き続き、加算が革新性を十分認識し促進するために用いられることを確保するために、加算制度の適用結果を評価していき、米国政府は、加算制度と他の算定ルールとの適用順について、米国業界を含む業界と議論する重要性を指摘しており、有用な製品の価値をさらに認識するため、2004年度に、医薬品の再算定に関し、市販後に集積された調査成績により、真の臨床的有用性が直接的に検証されている場合には、市場拡大に係る再算定に際しての引き下げ率を緩和することを決定しました。

 この有用性加算に相当する加算は再算定の過程に統合され、真に有用な製品の価格を不当に削減しないことを確保し、厚生労働省は加算の適用の可否を考慮するに当たっては、企業から提出されたデ ータを検討するとしています。

 厚生労働省は医薬品の革新性を、その特質により評価し、革新性は市場への投入順に依拠しないため、革新性の評価に当たっては、市場への投入順は考慮されないとし、2004年4月1日からの新規医療機器の算定ルールについては、厚生労働省はこの分野における革新性を促進しました。

 2004年度保険医療材料制度の改正において、C1についての保険適用の時期を年2回から年4回に増加させ、C2についての保険適用の時期は、診療報酬改定時から新規医療技術の保険導入時期に併せて保険適用の可否を中医協において審議することとし、厚生労働省は今後も米国業界も含む業界に対し、C1とC2の基準への申請について相談する機会を提供するとしています。

 また、中医協で定められたルールによれば、保険医療材料価格の改正の過程においては、厚生労働省は米国、英国、ドイツ、フランスを含む4か国の価格のうち使用可能なものを使用することとされており、2004年度の保険医療材料価格の改正においては、厚生労働省は外国価格参照ルールの計算に当たって米国のリストプライスを含む企業から提出された価格データを十分に使用し、この中で米国企業から提供された価格データが重要な役割を果たしたとし、厚生労働省は今後も、米国業界も含む業界と医療機器のデータの収集の範囲について協力していくとしました。

 さらに、 厚生労働省は、中医協における医療機器に関する内外価格差への懸念も考慮しつつ、製品を日本市場に投入する際に生じる特有のコストについて、業界によって集積されたデータにより、業界の要望に応じ議論する用意があるとし、償還価格の算定プロセスについて引き続き透明性を確保することや、米国政府が2004年中に薬価算定組織と保険医療材料専門組織の一回目の会合に申請者が参加し、意見を表明する機会を与えることの重要性を指摘しました。

 厚生労働省は、画像診断機器や体外診断薬などの診断機器業界の価格設定プロセスについても、引き続き透明性を確保していき、2003年度に、画像診断機器と体外診断薬の業界の代表を医療機器業界との定期的な会合の一員とし、診断機器の償還に関し意見を聞くことを決定しました。

 厚生労働省は今後とも、要望に応じて、米国業界を含む業界に対し、診断群分類別包括評価(DPC)や、急性期入院医療に係る定額払い方式(DRG-PPS)などの支払い方式の導入や大きな変更に関しては、情報を提供し、意見を表明する意味のある機会を提供し、相談ができるようにするとし、これらの仕組みに関し、革新的な製品の重要性を認識するとしています。

 また、厚生労働省は、血液製剤と医薬品との間に市場の構造の差異が存在することを認識し、引き続き算定ルールを公平性かつ透明性をもって適用するとし、日本国政府と米国政府は、医薬品と医療機器の価格算定ルールの改革に関し、今後とも議論するとしました。
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