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第3回日米規制改革イニシアティブその20

第3回日米規制改革イニシアティブ

・透明性その他の政府慣行その1

 米国政府は、日本のパブリックコメント手続きは1999年に導入されたが、本来の趣旨である透明性と、より公平で開かれた規制制度の推進を支える形で実施されていないことが度々あり、総務省が 2004年8月に再び公表した実施状況調査では、依然として同手続きの活用に問題があることが明らかになり、同調査によると、2003年度のパブリックコメントの案件で、閣議決定を要する規制の改訂の約半数は意見募集期間が28日未満で、1%未満の回答がより妥当期間60日に近かく、大半の最終規制が、提示された意見を取り入れていないことが調査で明らかになっているとし、同手続きを有益かつ効果的な規制メカニズムにするため、米国は、日本政府がパブリックコメント手続きの欠陥を除去することを求めました。

 したがって、パブリックコメント手続きの改善にむけて 2004年度に提案を検討することを含んだ規制改革・民間開放推進3ヶ年計画の閣議決定を米国は歓迎し、米国は、日本がパブリックコメント手続きの改正を進めるにあたり、緊急を要する案件以外は60日間の意見募集期間を標準とするか、最低30日間の意見募集期間を義務付けることや、緊急を要する案件の場合、なぜ意見募集期間を短縮しなければならないか、急を要する理由を公表するよう省庁に義務付けること、草案をできるだけ早急に公表することを義務付け、問題を分析し意義ある意見を準備するための充分な時間を関係者に与えること、意見をきちんと反映できるよう、省庁が意見募集期間の締め切りと規制の最終決定までの間に充分な時間を設けることを確保することを提言しました。

 また、一般市民が容易に(パブリックコメント手続きの適用対象の当否にかかわらず)審議会や、研究会、勉強会とその他の検討会による意見募集案件を含む、すべての省庁からの意見募集案件と結果を1カ所で知ることができる中央システムを構築することや、外国の業界団体が専門家あるいは関係者として審議会で見解を表明する機会を増やすこと、パブリックコメントの提出にあたり、枚数の制限や80字以内の要約等の過度に厳しい要件と同手続きの趣旨に反するその他の要件を課すことを禁止すること、政府設立機関や認可された自主規制機関によって提案された規制・規則等はすべてパブリックコメントに付され、提出された意見が最終案に適切な限り反映されるよう義務づけることとしています。

 さらに、各省庁に提出された意見の全文と、それに対する公式回答と提出者名、ならびにどのように意見が取り入れられたのか、また取り入れられなかった場合はその理由を公表しウェブサイトに掲載するよう義務づけ、パブリックコメント手続きを、行政手続法に取り入れ、単なる指針から法制化して強化することを提言しました。

 APEC透明性基準に関して、APEC首脳たちは貿易・投資の分野にわたり一連の透明性基準に合意し、米国は日本と協調してこれらの基準の設立に取り組んできたとし、よって米国と日本は、アジア太平洋地域諸国の法体制におけるAPEC透明性基準の完全実施に向け協力していくべきであるとしています

APEC(Asia-Pacific Economic Cooperation)とは、アジア太平洋経済協力、アジア太平洋経済協力会議のことで、アジア太平洋地域の持続可能な発展を目的とする地域協力の枠組み(フォーラム)です。

 協力地域の自由貿易拡大や、経済・技術協力、人材開発などを推進しており、1989年の設立時には、日本・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・韓国・タイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・ブルネイが参加。その後、中国・台湾・香港(ホンコン)・メキシコ・パプアニューギニア・チリ・ロシア・ペルー・ベトナムが参加しました。参加国・地域はメンバーエコノミーと称されます。

 規制改革の更なる推進について、日本国政府は、2004年3月19日に、762の規制改革項目からなる「規制改革・民間開放推進3か年計画」を閣議決定し、さらに、4月1日には、3月31日に任期が終了した総合規制改革会議に替わる新しい組織である「規制改革・民間開放推進会議」を設置しました。
 
 これらの取り組みはともに、日本国政府が引き続き強い決意をもって規制改革を含む構造改革を推進していくことを示し、これまで、「新・3か年計画」に先立つ3次にわたる規制改革のための計画を 連続して策定し、これを推進することにより、幅広い分野においておおむね5,000項目以上にのぼる数多くの規制改革を実施してきたとし、「新・3か年計画」は、これまでの成果の上に立ち、経済社会の構造改革を一層加速するための措置をまとめ、これまで明らかにされた規制改革関連事項について、これを2004年度から2006年度までの3か年にわたって取り組む個別の事項として詳述したものであるとしました。

 3か年計画は、政府の関与がなければより効率的に機能しうる経済部門における中央政府の関与の大幅な削減と新しいビジネスの振興、需要の増大や雇用の拡大を通じた日本経済の再活性化や、国内と外国企業が、日本国内で、消費者利益を増進するような市場を形成するための新しい機会の創出などの措置が含まれています。

 小泉総理は、4月12日に、推進会議が消費者の利便性の向上や経済活性化を図るための民間開放その他の規制改革を推進する中核的な機関となることについて高い期待を表明し、この新しい仕組みにおいて、推進会議の委員のうち4名は、規制改革・民間開放推進本部の会合に出席し、推進会議が行う改革提案について議論すべく、内閣と直接協働する更なる機会を得ることとなるとしました。

 また、推進会議は、6月3日に内閣総理大臣に対して「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2004」を答申した経済財政諮問会議や(内閣はこの基本方針を翌4日に閣議決定した)、構造改革特別区域推進本部と緊密に連携するとしています。

 さらに、推進会議は、3か年計画の実施状況を監視するとともに、必要がある場合は、関係行政機関の長に対し、資料の提出や、意見の陳述、説明その他必要な協力を求める権限を与えられています。

 5月25日の閣議決定により、「規制改革・民間開放推進本部」が設置され、同本部は、同日 「規制改革・民間開放推進のための基本方針」を決定し、推進本部は、総理を本部長としすべての国務大臣によって構成され、新・3か年計画の確実な実施に努めるとともに、推進会議が行うことになる答申を踏まえ、2005年3月に同計画を改定する予定であるとしました。

 推進本部は推進会議に対し、緊密に協働するための十分な機会を提供し、その中には、上述のように推進会議委員が推進本部の会合に参加する機会や、特定の問題に焦点を当てて関係閣僚と議論する機会が含まれるとしています。

 「新・3か年計画」において再確認されたように、日本国政府は、規制の設定または改廃に係る意思決定過程の透明性を向上し公正さを確保するため、引き続きパブリック・コメント手続の利用を図り、2004年3月19日に閣議決定された同計画には、2004 年度における、パブリック・コメント手続を改善させるための多くの見直し措置が盛り込まれているとしました。

 措置の内容は、各行政機関は、意見・情報の募集期間について、原則30日間を確保することとし、例外的にそれを下回る期間を設定する場合には、その理由を公表することや、各行政機関は、提出された意見・情報を採用しない場合において、その考え方を詳細に公表し、規制原案に可能な限り当該原案に係る規制影響分析(RIA)を付して、意見・情報の募集の対象とすること、政府は、パブリック・コメント手続を行政手続法に盛り込むことについて、検討を行い、各行政機関は、国民等からの提出意見・情報について、可能な限り、各行政機関のホーム ページ上でその全文を公表し、総務省は、例えば、意見・情報が十分考慮されているか、適当な場合には最終規制に取り入れられているか、といった観点から、パブリック・コメント手続の実施状況と適正な運用についての充実した調査を実施することとしています。 

RIA(regulatory impact analysis)は、規制影響分析のことで、規制の導入・修正に伴うコストや便益などの経済的・社会的な影響を、可能な限り定量的に分析して公表する手法です。

 規制の制定過程における客観性や透明性の向上を目的とし、規制政策に関する説明責任や合意形成の手段に活用され、また、既存規制の見直しにも用いられます。

 また、総務省は、引き続きパブリック・コメント手続の実施状況を毎年調査し、公表し、 これに関連し、関係する各行政機関と密接な連携を図り、2004年1月に、電子政府の総合窓口(e-Gov)を充実させ、国民が一層容易に規制原案に係るパブリック・コメント招請案件を一覧できるようにしたとしました。
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