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第3回日米規制改革イニシアティブその25

第3回日米規制改革イニシアティブ

・商法

米国政府は、近代的合併手法の採用として、日本において近代的合併手法の利用が可能となれば、企業再構築や投資の拡大を通じて日本経済の再活性化を促進し、米国は、近代的合併手法の導入や企業再構築と投資促進に向けたその他の措置の検討を含め、日本がその会社法の近代化のために行っている努力を歓迎するとしました。

 これらの目的を達成するため、 米国は、日本が日本の会社法に近代的合併手法を導入するための法案を次期通常国会に提出することや、三角合併、キャッシュマージャー、外国株式を使った株式交換を認めるために必要な合併対価の柔軟性をはかり、ショートフォーム(スクイーズアウト)・マージャーを認めること、2003年3月に対日投資会議が発表した「対日投資促進策の推進について」、並びに2004年8月に内 閣府経済社会総合研究所M&A研究会が発表した「わが国企業のM&A活動の円滑な展開に向けて」に沿い、近代的合併手法に対する適切な税制措置を提供することを含め、M&Aと企業再構築を促進するためのその他の措置を講ずると同時に、日本における新しいM&A手法の有効性を不合理に制限しかねない特異な条件を新たな手法に課すことを排除することを要望しました。

 日本政府は、現代的合併手法の導入に関し、法制審議会会社法(現代化関係)部会において、会社法制の現代化に関する審議が行われており、現代的な合併手法の導入の提案を含む「会社法制の現代化に関する要綱試案」が、2003年10月29日に公表の上、パブリック・コメント手続に付され、特に、同試案は、三角合併や、現金合併、外国会社株式を利用する株式交換を可能とする合併等対価の柔軟化、ショート・フォーム(スクイーズ・アウト)・マージャーの導入の提案を含むものであったとしています。

 日本国政府は、法制審議会会社法部会における議論と要綱試案に対し提出された意見を踏まえ、 現代的合併手法の導入に関する事項を含む会社法制の現代化に関する法案を2005年の通常国会へ提出する予定であり、日本における企業再編と投資促進のための方策について、2003年3月の対日投資会議決定に沿う形での新たな合併手法の税制上の取り扱いを含め、検討しているとしました。 

 2つの海外企業が、日本の子会社を通じて、改正産業活力再生特別措置法(産業再生法)に規定されている商法の特例を活用して、金銭を対価とした株式交換と合併を行い、日本企業を買収し、経済産業省は、引き続き産業再生法を用いた企業再編の手法や傾向を検討し、 日本において現代的な合併手法を用いる際の障害について研究するとしています。 

 米国政府は、積極的な委任投票を通じた株主価値の増進に関し、大規模な機関投資家による株主権利の積極的な行使は、企業業績の改善につながるより良い企業統治システムの発展のために極めて重要であり、米国は、年金基金や信託基金による積極的な委任投票を奨励するために、日本が既に講じてきた諸施策を歓迎するとしました。

 投資収益をさらに改善するために、米国は日本が年金基金による健全な委任投票政策の促進や、厚生労働省は、それぞれの公的年金基金運用責任者が委任投票政策を公開することを支援すること、国際的傾向並びに日本の年金受益者の利益保護の必要性を考慮し、民間基金の運用責任者に対して受益者利益のために委任投票を行使する受託者義務を導入するか否かについて検討を開始すること、信託基金による委任投票記録の公開の奨励では、信託基金と投資信託の投資収益を改善するために、投資信託協会が委任投票に関する規約を改正し、会員企業に対して実際の委任投票の記録を公開することを義務付けることを奨励するための必要な努力を行うことを要望しました。

 また、外国株主による委任投票の促進として、企業統治を強化するため、金融庁並びに法務省は、海外の受益所有者による委任投票の効果的な行使の促進に向けて、代理保管人と国際的保管人による代理権行使に関する商法上あるいはその他の規則に必要な変更を加えることを検討するとしています。

 株主議決権の積極的行使による株主利益の増進として、年金基金について、日本国政府は、積極的な議決権行使が、年金基金の受益者の利益となる方向で、企業統治の強化や株主価値の向上において果たす重要な役割を認識しているとし、この観点から、日本国政府は、公的年金基金と民間年金基金の管理者により、年金基金に対する投資の配当を増加させる仕組みとして議決権行使が促進されることを支持しており、取組を行っているとしました。

 取組の内容は、厚生労働大臣は、2001年に年金資金運用基金の資金運用者に対する基本方針を示しており、この基本方針においては、資金の運用受託機関(外部の年金基金管理者)に対し、株主利益を向上させるために議決権を行使するように促しており、年金資金運用基金は、すべての運用受託機関に適用される一般的なガイドラインを発出し、その中で運用受託機関に対し、株主利益の最大化のために議決権を行使することや、議決権行使の実際の記録を毎年年金資金運用基金に報告することを求めているとしています。

 年金資金運用基金は、各運用受託機関から報告された議決権行使の記録を公表しており、また、各運用受託機関は、いかに議決権を行使するかに関する内部的な方針を作成し、これを厚生労働省に報告しており、議決権行使に関する各受託機関の方針の公表について検討する予定であるとし、2003年、 厚生年金基金連合会(厚生年金保険法によって設立された認可法人であり、 年金資金として8兆円を運用している)は、連合会内部の資金運用者と運用受託機関に対する議決権行使に係る詳細なガイドラインを公表し、各運用受託機関によって採用されている個々の議決権行使のガイドラインの統合に向けて作業しているとしました。

 また、地方公務員について、共済組合連合会は、最近、運用受託機関が従うべき議決権行使のガイドラインを出しており、国家公務員共済組合連合会もこのようなガイドラインを採用するか否かを検討中であり、民間の年金基金に関しては、厚生年金保険法の下における受託者責任の範囲についての 検討が進んでおり、日本国政府は、株主議決権に係る受託者責任の進展を支持しているとしています。

 ミューチュアル・ファンドに関し、日本国政府は、企業価値を増加させるメカニズムとして、投資法人と投資信託の運用者による議決権の代理行使の促進を支持し、投資信託法の下で設立され、金融庁の管轄下にあり、事実上日本のすべての投資法人と投資信託の運用者によって構成されている自主規制機関である「投資信託協会」は、2003年、メンバーである投資法人と投資信託の運用者が従うべき、議決権行使に係る規則を公布しました。

 この規則は、議決権行使に係る目的と基本姿勢や、議決権行使の意思決定プロセス、議決権がどのように行使されるか決定される際に使用される選択(スクリーニング)基準を含む議決権行使の方針を会員企業に対し開示するよう要求しており、金融庁は、会員企業が実際の議決権行使の結果を公表することとなるように、議決権行使に係る規則の改正を投資信託協会に対して促すとしています。 

 公益通報者の保護を通じた優れた企業統治の促進として、国民生活審議会消費者政策部会が公表した報告書に基づき、2004年3月9日、日本国政府は公益通報者保護法案を国会に提出し、この法案は、一定の要件を充たす場合、公益のために通報を行った労働者を、解雇や不利益取扱いから保護する民事的救済を提供し、法案は、国民の生命、身体、財産にかかわる法令に規定する犯罪とこれらの法令違反(証券取引法違反を含む) に関する公益通報に適用され、この結果として、企業統治や株主による監視を妨げるような、株主に対する不当な虚偽の情報提示その他証券関係の法律の下での違法行為について公益通報を行った労働者は、雇用主による解雇その他の報復行為から保護されることになるとしました。

 裁判外の紛争解決手続(ADR)について、日本国政府は、裁判外の紛争解決手続(ADR)が個人や企業が紛争を効率的かつ経済的に解決することを助けるという点で重要な役割を果たすことができることを認識し、司法制度改革推進本部において開催されているADR検討会を通じて、日本におけるADRが紛争解決の方法として裁判と並ぶ魅力的な選択肢となるよう、その拡充・活性化のための方策の検討を継続し、民間によるものを含むADRサービスの発展を促進し、柔軟で開かれた法環境の創設を目的とし、この点について、可能な限り早期に、ADRに必要な基盤整備を図るための措置を講ずるとしています。

 日本国政府は、ADRに関する米国政府の提言に留意し、米国政府の提言には、ADR手続において非弁護士の主宰者としての活動を認めることや、ADRサービスを提供する機関や個人に関する義務的な認証制度を採用しないことが含まれるとし、そのような事項に考慮が払われていることを指摘しました。
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