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第4回日米規制改革イニシアティブその8

第4回日米規制改革イニシアティブ

・エネルギー

 日本政府は、エネルギー政策基本法の目的であるエネルギーの安定供給の確保と環境への適合を満たしつつ、小売分野における選択肢を拡大し新規参入者の市場参加の機会を提供することにより、競争的なエネルギー市場を構築すべく、電力分野とガス分野において重要な制度改革を行い、日本の改革プロセスは米国政府により歓迎されているとしました。

 公平、効率的かつ安定的なエネルギー市場を創設するに当たって、これらの改革の実効性を確保するためには、厳格な市場監視が必要であり、日本政府は、そのような監視を行うために、明確な行動規範に基づく必要な職員数、十分な専門知識、独立性と予算を備えた執行の仕組みを確立することの重要性を認識しているとしています。

 2005年3月に、経済産業省は総合資源エネルギー調査会電気事業分科会と都市熱エネルギー部会の下に市場監視小委員会を設置し、市場監視小委員会は、経済産業省による、自由化された電力・ガス市場の監視と紛争処理を支援することとなり、市場監視小委員会の委員は外部有識者によって構成され、独立した勧告を行うことを確保しつつ運営を行うとしました。

 国民からの意見として、経済産業省は、日本における電気事業制度改革とガス事業制度改革を実行するための省令や指針等が、オープンかつ透明な手続により作成されることを確保するための重要な措置を講じ、意思決定過程の公平性・透明性を一層向上させるため、経済産業省は、パブリック・コメントの有意義な機会を引き続き提供し、パブリック・コメントが最終的な規則において考慮されることを確保するとしています。

 電力に関し、2005年初頭、経済産業省と公正取引委員会は、「適正な電力取引についての指針」 の改定案をパブリック・コメント手続に付し、寄せられた意見に回答を行い、天然ガスでは、2004 年中頃、経済産業省と公正取引委員会は、「適正なガス取引についての指針」の改定案をパブリック・コメント手続に付し、寄せられた意見に回答を行ったとしました。

 電気事業法は2003年6月に改正され、新たな電気事業制度への道を開き、経済産業省は省令を改正し、2005年4月に市場の約63%(2003年の水準の2.4倍)まで小売分野の需要家の選択肢を拡大しました。

 送配電部門の公平性・透明性について、中立機関に関し、経済産業省は、改正電気事業法に基づき、電力系統利用協議会より提出された事業計画について経理的・技術的基盤に関する情報を含めて審査し、2004年6月に同協議会を中立機関として指定しました。

 電力系統利用協議会は、一般電気事業者、新規参入者、その他の系統利用者と学識経験者により中立的に構成される有限責任中間法人であり、電力系統利用協議会は評議会を設置しており、そのメンバーは、経済分析専門のコンサルタント、消費者、マスコミ関係者等から構成されています。

 中立機関は、電気事業分科会報告とパブリック・コメント手続を通じて寄せられた意見を踏まえ、設備形成、系統アクセス、系統運用と情報開示に関する詳細なル ールを策定し、個別の一般電気事業者も、中立機関ルールを踏まえたルールを策定し、経済産業省は、中立機関の意思決定の公平性・透明性を確保するために同機関を監督し、是正の必要があれば、監督命令や指定の取り消しを行うとしました。

 行為規制について、経済産業省は、電気事業分科会の報告書や同報告書に対するパブリック・コメントを踏まえ、送配電部門の会計と他の部門の会計とを分けることを義務付け、収支計算書において会計分離を行うための省令をまもなく策定するとし、2005年5月、経済産業省は、託送供給業務における情報遮断と差別的取扱いの禁止の実効性を確保するため、公正取引委員会と共に「適正な電力取引についての指針」を改定しました。

 また、最近の事業者から寄せられた懸念事項を踏まえ、コージェネレーションシステム(LPG等を燃料とし、発電の際の排熱もエネルギーとして利用するシステム)の新増設やオール電化等に関する電力-ガス間の競争における適正な電力取引の在り方を指針に追加し、経済産業省と公正取引委員会は、一般電気事業者の行為について電気事業法、独占禁止法、または指針に反する事実がある場合には、その是正のため、当該行為の停止または変更の命令を行うこととなるとし、命令を行う際には、必要があれば、市場監視小委員会に審議を依頼することとなるとしています。

 新しい電力市場の制度設計として、卸電力取引所について2003年2月に取りまとめられた「今後の望ましい電気事業制度の骨格について」において、電気事業分科会は、卸電力取引市場は、私設・任意ではあるが、電力市場における重要な役割を担っていることを指摘しました。

 日本卸電力取引所は、2003年11月に設立され、2005年4月より取引を開始し、自由化範囲の拡大 について、小売分野の自由化範囲は2004年12月の省令改正により、2005年4月から50kW以上の全高圧需要家までに拡大され、2007年4月以降、その時点までの部分自由化の結果を踏まえ、家庭需要家を含む小売分野の全面自由化に関する検討が開始されるとし、日本政府は、小売分野の自由化範囲の拡大について、新聞やリーフレットによって広報を行っているとしています。

 託送制度の見直しでは、同時同量ルールについて経済産業省は、パブリック・コメントを踏まえ、2005年4月に、同時同量ルールを緩和し、新規参入者が、30分3%の第一変動範囲に加え、3~10%までの第二変動範囲も選択できるようにしており、2005年4月の新しい託送制度の開始に向けて新同時同量支援システムが導入され、新規参入者は30分ごとの需要家の需要データを入手可能となり、そのデータは、遠隔検針システム等により一般電気事業者が収集し、所有するものであるとし、経済産業省は、これらの措置を実行するため、2004年12月に省令等を整備したとしています。

 パンケーキの廃止について、経済産業省は、公平・透明な託送料金により全国規模の電力取引を容易化すべく、パンケーキ問題(託送料金の上乗せによる多重構造料金問題)を解消して系統利用者がどこから発電しようとも供給する区域における一律の託送料金を支払う枠組みを導入するため、2004年12月に省令等を整備し、本措置についても、2005年4月に施行されました。

 託送供給約款変更命令発動基準の明確化として、経済産業省は、ネットワーク規制を適正に執行できる仕組みを確保するため、変更命令発動に係る基準を明確化し、必要な規制を整備しました。

 規制改革の見直しに関し、2005年4月より、新しい一連の電気事業制度が施行され、電力市場は変化し、今後は、2005年3月25日に閣議決定された「規制改革・民間開放推進3か年計画」を踏まえ、経済産業省は、公表された定量的、定性的な基準を参照して、市場における公平性、透明性と競争力を確保するための追加的な規制改革の導入等の追加的措置の必要性も考慮しつつ、市場の監視や評価を行う予定であり、これら基準には、卸電力取引市場における取引状況、中立機関における業務運用状況、行為規制の遵守状況、新規参入の状況と電力会社間の競争等に関するものも含まれうるとしています。

 天然ガスでは、改正ガス事業法が2003年6月に国会で承認され、2004年4月に施行され、それによって、小売自由化範囲が年間契約ガス使用量50万m3以上の需要家まで拡大され、2004年12月時点では市場の約50%にまで小売自由化範囲が拡大されており、経済産業省は、規則案の公表やそれに対するコメント募集を適切に行いつつ、ガス事業法の改正に併せた規制の整備を行い、実施しているとしました。

 託送供給(ガス導管の第三者利用)の公平性・透明性について、経済産業省は2005年9月に、託送供給料金認可にかかる行政プロセスを更に透明化し、また、料金の妥当性についての事業者の説明責任を明確化するため、「ガス料金情報公開ガイドライン」を改定しました。

 経済産業省は2004年10月に、導管部門の会計を他の業務部門の会計と区分し、区分された会計を公表する規則を定める省令を公布し、行為規制として公正取引委員会は共同で2004年8月に「適正なガス取引についての指針」を改定し、ガス事業法に規定されている情報遮断と特定の託送供給利用者への差別的取り扱いの禁止に関する項目を新たに追加し、ガス事業者によりガス事業法に反する行為が行われた場合には、その是正のため、当該行為の停止または変更の命令を行うこととなるとし、同様に、公正取引委員会は、ガス事業者により独占禁止法に反する行為が行われた場合には、その行為を是正するための措置を講じるとしています。

 導管網の整備促進に関し、国土交通省は2004年10月に、パイプラインの埋設深度に関して、これまでの1.8mではなく1.2mで足りるとする通達を出し、これによって、費用効率の高い導管ネットワークの延伸が容易となり、更なる競争が期待されるとしました。

 LNG基地の第三者利用について経済産業省と公正取引委員会が共同で行った2004年8月の「適正なガス取引についての指針」の改定の一環として、LNG 基地の所有者と利用を希望する者との無差別的な交渉を促進するため、LNG基地の第三者利用に関する項目が新たに設けられました。

 規制改革の見直しでは、経済産業省は、新規参入者の評価、第三者利用制度の利用状況、「適正なガス取引についての指針」等の行為規制の遵守状況など定性的、定量的な基準を参照し、また、安定供給と安全性への影響という観点から、市場を監視し、規制改革の効果を評価するとし、市場における公平性、透明性と競争を確保するため規制を実施する必要性について考慮しつつ、都市熱エネルギー部会での議論を踏まえ、これらの評価を行うとしています。

 更なる小売自由化範囲の拡大として、経済産業省は、2007年から小売自由化範囲を年間契約ガス 使用量10万m3以上の需要家に拡大するため、適時に法令を改正するとし、年間契約ガス使用量10万 m3未満の家庭用と小規模業務用需要家への自由化範囲拡大のあり方については、時宜を得た形で結論を出し、2007年の小売自由化範囲拡大における詳細な制度設計や、更なる小売自由化範囲拡大を考えるに当たっては、上述した市場監視の結果やこれまでの規制改革の評価を反映させることとするとしました。 
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