記事一覧

第4回日米規制改革イニシアティブその13

第4回日米規制改革イニシアティブ

・競争政策その1

 米国政府は、独占禁止法の施行の有効性の強化について強力且つ有効的な独占禁止法(独禁法)と執行政策に支えられ適切に構成された競争政策は、日本の消費者とビジネス界に多大な利益を与え、日本経済の健全性及び活力を促進するとし、この点について、米合衆国は、2005年の独禁法改正に象徴される日本の競争政策の重要な改善を歓迎するとしました。

 これらの改善が履行され、且つ支持されることを最も有効的な方法で保証するために、米合衆国は、 日本に対して、公正取引委員会による課徴金減免制度の有効性を最大にし、外国語で書かれた資料の翻訳義務を含む必要な情報の提出期限が潜在的申告者による申告の遅延を奨励することのないよう保証するために、課徴金減免の申告完了条件を明確化し、潜在的申告者に対して彼等の身分の秘密が厳守され、彼等が公正取引委員会(公取委)に提出する情報が他の法的(訴訟)行為において彼等にとって不利に利用されないことを保証するために、課徴金減免申請の機密保持と減免措置の申告を擁護するために提出された情報や文書の開示についての公取委の政策を明確化することを要望しました。

 また、独禁法の抑止力と遵守を強化し、違法カルテル行為に関与した個人に対する刑事罰の上限を5年以下の懲役に引き上げる法案を国会へ提出することで、日本政府の独禁法違反の有罪判決を受けた個人に対するより厳しい刑罰への期待と要望の合図を送り、独禁法における刑法の施行全体を強化する方法で、刑事告発に帰着しそうな案件に対する公取委の新たな調査権限を履行し、独禁法の遵守を促進するために、公取委の施行政策が適切な競争法の施行の最良の経済的、法的理解を反映していることを保証するよう、新たな独禁法の施行ガイドライン導入、または既存のガイドライン改正の必要性について再調査を行うことを求めました。

 さらに、職員の能力と資源を強化し、継続して公取委職員の経済分析能力を強化し、それらの能力を公取委の業務の全ての側面に利用し、継続して公取委職員と予算を十分且つ安定的に増加することとしています。

 独占禁止法の執行力の強化として独占禁止法改正について、2004年10月15日、日本政府は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)を改正するための法案を提出し、同法案は、2005年4月20日、国会で成立しました。

 28年ぶりの大改正となるこの法律改正は、市場メカニズムと自己責任の原則に基づき、21世紀の経済社会にふさわしい競争政策を確立するという日本の決断を表しているものであり、公正取引委員会は2002年以降、独占禁止法を見直すための独占禁止法研究会を開催し、同研究会は2003年10月、報告書を取りまとめました。

 公正取引委員会は、経済団体、法曹団体、消費者団体などのさまざまな利害関係者の見解も考慮しながら、独占禁止法研究会の報告書に基づき独占禁止法改正法案を作成し、改正法は、2006年1月4日に施行され、公正取引委員会の独占禁止法執行力、また、ハードコア・カルテル(競争制限以外の目的・効果を持たないカルテルのこと)や入札談合などの反競争的行為を排除・抑止する力を大幅に強化すると期待されているとしています。

 この法案の最も重要な点は課徴金算定率を引き上げることに関して、大企業の製造業者やサービス提供事業者については6%から10%。(中小企業については3%から4%へ)大規模小売業者については2%から3%へ(中小企業については1%から1.2%へ)。 大規模卸売業者については1%から2%へ(中小企業については1%から変更なし。)。 

 また、過去10年以内に確定した課徴金納付命令を受けたことのある再違反事業者に対しては、通常の課徴金に5割加算した課徴金算定率を課し、供給量、市場占有率、または取引先を実質的に制限する不当な取引制限(カルテル)、違法な購入カルテル、課徴金の対象となるカルテルと同様の方法で行われる特定の私的独占等、課徴金の対象となる行為の範囲を拡大・明確化し、課徴金納付命令は公正取引委員会の決定により、直ちに効力を有し、事業者が審判を請求することを選択しても失効しないとしています。

 事業者が期日までに課徴金を支払わず、審判において課徴金納付命令が維持された場合、事業者は政令で定める利息(を加算した額)を支払わなければならないとし、事業者が課徴金を支払った後、課徴金納付命令が審決によって取り消された場合、公正取引委員会は事業者に政令で定める利息を加算して課徴金を還付するとしました。

 課徴金減免制度(リーニエンシー制度)を導入することについて、公正取引委員会の調査開始前にカルテルや入札談合の存在を公正取引委員会に情報提供した最初の事業者(その他の法律上の条件に合致する場合)の課徴金を全額免除し、公正取引委員会は、最初に情報提供した事業者と当該事業者と同様に評価されるその従業員等を刑事告発しない方針を明らかにすることで、リーニエンシー制度の有効性を強化するとしています。

 この方針は、2005年10月6日に公表された「独占禁止法違反に対する刑事告発及び犯則事件の調査に関する公正取引委員会の方針」において明らかにされ、課徴金減免の対象事業者が合計して3社を超えなければ、公正取引委員会の調査開始前に2番目と3番目にリーニエンシーを申請した事業者は、課徴金がそれぞれ5割または3割減額され、公正取引委員会の調査開始後にリーニエンシーを申請し た事業者は課徴金が3割減額されるとしました。

 とりわけ、ハードコアカルテルや入札談合を発見しこれらに対する措置を講ずるため、公正取引委員会の調査の有効性を強化し、刑事告発を目指す場合、強制捜査令状を入手する権限を公正取引委員会が指定した職員に付与することや、公正取引委員会の調査を妨害する企業とその従業員に対する罰則を以前の20 万円以下の罰金または6か月以下の懲役から、300万円以下の罰金または1年以下の懲役に引き上げ、公正取引委員会の排除措置命令に従わない事業者に対する罰則を以前の300万円以下の罰金から3億円以下の罰金に引き上げるとしています。

 公正取引委員会による排除措置命令が出せる期間を違反行為が終了後1年から3年に延長し、公正取引委員会の手続の公正性を向上させるという目的をもって排除措置命令または課徴金納付命令を受けることが見込まれる事業者は、公正取引委員会によるそのような命令が出される前に、証拠の提出と意見の申述等の反論の機会が与えられ、被審人が応諾した場合または審判が開催された後においてのみ審決が出される現在の勧告制度は廃止されるとし、規則と手続を定めるに当たって、事業者が主張に反論し、自己の主張を陳述する十分な機会が確保されることなど適正手続を確保することの必要性 を考慮するとしました。

 改正独占禁止法の効果的な施行を確保するため、公正取引委員会は、施行規則を策定し、パブリック・コメントの募集を行い、2005年10月6日、規則の確定を行い、一般国民と経済界のためにセミナーを開催するなど、改正法の一般の認識を高めるための広報活動を増やしていく予定であるとしています。

 独占禁止法の刑事執行に関し、2005年5月と6月、公正取引委員会は、合計26社と8人の個人について国土交通省が発注する鋼橋上部工事の入札談合を行っていたとして、2003年7月以来の刑事告発を行い、2005年6月と8月、公正取引委員会は合計6社と4人の個人について日本道路公団発注の鋼橋上部工事の入札談合を行っていたとして、刑事告発を行いました。

 公正取引委員会は、特にハードコアカルテルや入札談合といった悪質、重大な違反行為に対して、新たに導入された犯則調査権限を積極的に利用し、独占禁止法適用除外が可能な限り限定されることを目指し、著作物の再販売価格維持行為の適用除外等、現存する独占禁止法適用除外について、更に縮小または廃止することができないか引き続き検討するとし、これに関連して、公正取引委員会の職員、産業界、学界と消費者の代表から構成される著作物再販協議会が定期的に開催されており、著作物再販価格維持の適用除外が消費者利益に資するように弾力的に運用されているか検討しているとしています。

 公正取引委員会の資源について2005年度において、公正取引委員会の予算は前年度比4%増の81億 3100万円が認められ、職員数は純増で34名の増員が認められ、2006年3月31日時点で合計706名となったとし、反競争的と疑われる行為の経済的、法的影響についての分析を強化するために、公正取引委員会は採用努力や既存の職員の育成を通じて、職員の分析能力の向上に努めているとしました。

 2005年10月の時点で、8名の公正取引委員会職員が経済学に関する大学院の学位を有しており、そのうち1名は助教授であり、10名の法曹資格者を受け入れており、そのうち1名は前職が裁判官であり、現在審判官の職に就いているとし、公正取引委員会は経済学の大学院での教育を受けた職員と共に高度な法律の教育を受けた職員を増やす予定であり、5名の職員が大学院で経済学または法律学の教育を受けているとしています。

 独占禁止法の遵守について、独占禁止法が改正され、リーニエンシー制度の導入等を通じて公正取引委員会の執行能力が強化されることから、事業者にとって独占禁止法遵守体制の整備がますます重要になっており、公正取引委員会は広報活動等の強化を通じ、事業者が独占禁止法遵守体制を採用または強化することを奨励しており、事業者による独占禁止法遵守を支援するため、必要に応じ、独占禁止法に違反する行為を明らかにするためのガイドラインを策定し、2005年6月29日、「標準化に伴うパテントプールの形成等に関する独占禁止法上の考え方」を作成・公表し、説明会を開催して同「考え方」の周知に努めているとしました。

 パテントプールとは、新たな技術を普及させるため、数多くの特許権をメーカーや研究機関が持ち寄り、一括してライセンスを与えていく仕組みのことで、エレクトロニクスやネットワーク関連などの分野では何百もの技術を複合して標準化することが一般的で、そうすることで、ひとつの特許権に配分されるライセンス料は少額でも、市場を拡大することでその代償を得られ、最近ではDVDプレイヤーやMPEGの画像処理などの例が挙げられます。
関連記事


コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Air130

Author:Air130

おすすめチャートツールのご紹介

 

業界最多レベル、 84通貨ペアでグローバルFX!

 

楽天西友ネットスーパー

お勧めワインショップ

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

食事での糖質が気になる方へ

免責事項

※投資は自己責任です。          当ブログは個人的見解を掲載してるものであり、売買を推奨するものではありません。

来場者